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みどりを守れ、遺跡を守れ、未来に残せー上郷猿田地区開発計画「公聴会」17.1.17

昨日は、栄区栄公会堂で、「栄上郷町猿田地区における都市計画決定及び変更について」の都市計画市素案への意見を述べる公述人の発言を聞く「公聴会」が開かれた。


市の素案は基本的には、11万筆を超える署名が反対の意思を表明した上郷猿田地区の大規模市街地開発という内容は、全く変わっていない。


そして、この素案への意見を公述したいと10,186人もの市民が応募し、今回の「公聴会」開催となった。当選者は13人だった。1万人以上が落選した。


市は公述人の選定にあたって、開発「賛成」は7人(6,760人中)、「反対」は3人(3,360人中)、自然と緑地への意見は1人(27人中)、遺跡・文化意見は1人(15人中)、その他1人(24人中)と、意見の内容でそれぞれに選定している点は、公正な判断だと思った。


そして、昨日の「公聴会」での意見公述では、賛成派は2名欠席で発言は5名。開発反対の意見公述が6名という結果になった。


上郷・瀬上の緑地の保全を求める運動は、草の根で市民が主体ですすめられてきたものだが、まさにその真価が表れた「公聴会」だったと実感した。


賛成派の意見は、

自然と開発のバランスが良い・緑地が保護される・放置しておけば荒廃する・早く開発をが概ねの意見であった。


一方で、開発反対派は、

ホタルに出会える自然を残してきた地権者に感謝する・市民の意見は圧倒的多数が開発反対・人口減少の中、空き家が増える中で宅地は必要ない。


生物多様性や地球温暖化防止に自然を守るべき・市の水と緑の基本計画が目指す緑と違っている・谷戸の埋立てでの宅地造成は震災での液状化のリスクが高い。


国も緑を守る方向・みどり税徴収との整合性がない・深田遺跡の価値を認めることなど、無駄な開発は止めて未来志向で生態系や温暖化防止に取り組むことを主張していた。


会場の公会堂は多くの立ち見が出る満杯の傍聴者となった。

「拍手をしないように」との司会進行の市の職員の注意があったが、反対派の意見には自然に拍手が湧いていたと思う。


開発反対の意見が多数を占め、しかも反対の発言意見の内容は説得力のあるそれぞれの心からの思いが表明された「公聴会」となったことは明らかである。


特に若いお二人の意見には感銘を受けた。上郷高校の卒業生は「経済の名の下に開発がされてきた中で、この自然を残してくださった地権者の方々に感謝する」「高校生活でホタルを見ることができ自然の神秘に感動した」「未来志向の横浜にふさわしい判断をしてほしい」と述べられた。


また、幼い頃からこの自然にふれあいながら育ったと言う青年は、不必要な宅地開発の為に緑を壊すことについて、緑の回廊の分断やヒートアイランドの問題などから、「世界の環境都市を示してほしい」等いかにこの地域が貴重な環境であるのかを陳述された。


写真の撮影が禁止されていたので、熱気を伝える満杯の状況や、若い傍聴者の多さを示すことができないのが残念だ。

DSC_0363_thumb横浜スタジアムのグランド面積8個分の開発が計画されている上郷猿田地区。

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横浜市会議員〈港南区〉

三輪 智恵美

みわ ちえみ

三輪智恵美

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