川崎市長選挙 2025 立候補予定者アンケート
2025年川崎市長選 立候補予定者6人にアンケート
任期満了に伴う川崎市長選が10月12日に告示される。本紙の調べでは10月6日の時点で現職と新人の計6人が出馬に向けて準備を進めている。投票は26日に即日開票され、13日から25日まで期日前投票が行われる。
立候補の意思を示すのは、表明順に会社員の國谷涼太氏(25)、現職の福田紀彦氏(53)、社会福祉法人理事の野末明美氏(60)、出版社CEOの宮部龍彦氏(46)、前市議会議員の山田瑛理氏(42)、清掃員の関口実氏(67)。いずれも無所属での立候補を表明している。
國谷氏は「若者・子育て世代から選ばれるまち」「ビジネスのまち」「安全・安心のまち」を重点施策に掲げる。子育て世帯向け「アフォーダブル住宅」の供給、市民税の減税、地域活動のデジタル化などを訴える。
4選を目指す福田氏は、人づくりや健康づくり、住まいなどの「7つの循環」を掲げ、卓越スクール(高専)の設立や子育て支援住宅の実証の開始に取り組む。また、特別市の実現に向けた法改正にも意欲をみせる。
野末氏は共産党の推薦を受けて挑戦。「市民の子育て・くらし・福祉優先」を掲げ、18歳までの子ども医療費・窓口負担ゼロや中学校給食までの無償化を強調。等々力緑地の緑の保全、公共施設の市の直営化を唱える。
8月に出馬表明した宮部氏は、事務事業評価で啓発事業を整理し、税金の使い道を正すと強調。SDGsなどの「理念先行」の啓発事業を整理対象に挙げる。最終目的として、ヘイトスピーチ禁止条例の廃止を掲げる。
山田氏は9月に川崎市議を辞職し、自民党に離党届を提出した。2児の母親目線と庶民感覚をいかした市政運営を掲げる。学校ルールの一斉点検と必要な見直しや、歩道整備などのインフラ対策などに意欲をみせる。
関口氏は9月下旬に挑戦を表明した。国籍や性別、障害の有無にかかわらず「差別のない、多様性のある社会」づくりを目指すと明言。ヘイトスピーチの対策強化や、南海トラフ地震への防災力に向けた強化を掲げる。
タウンニュースは市長選立候補予定者に最も訴えたい政策などのアンケートを実施した。
立候補予定者(50音順) 年齢は10月26日(投票日)時点での満年齢






アンケート回答
![]() 國谷 |
私は、「若者・子育て世代から選ばれるまち」、「ビジネスのまち」、「いつでも、いつまでも安全・安心のまち」を目指し、それらを最短距離で着実に実行するための組織づくりとして「市民のために働く市役所」に取り組みます。 |
![]() 関口 |
イスラエルによるパレスチナ人の大量虐殺、ロシアによるウクライナ侵略、ミャンマーの軍事政権による民衆の殺りく。沖縄における繰り返される米兵による女性に対する性暴力。在日の女性に防刃チョッキを着させて生活させる。最後は川崎の話だ。一方で、戦後安保政策の右翼的大転換が進む。これらを他人事とすることは人間としてどうなのか。川崎市民として何が出来るか。ともに考えていきたい。 |
![]() 野末 |
川崎市をいつまでも住みたいまちに変えるために立候補を決意しました。 |
![]() 福田 |
この10年で川崎は着実に発展をしてきました。市内中小企業の黒字法人数は倍増し、女性の就業率は約3割増加、税収も3割以上増えました。この成長を市民・企業の皆さまと共に、更なる安心と魅力的な都市へと取り組みを進めるべく挑戦を続けます。子育てや高齢者・障がい者福祉、制度の狭間で生きづらさを感じている方に支援が届くようしっかり取り組みます。これからも様々な分野で前例に捉われない好循環を生み出していきます。 |
![]() 宮部 |
最重点政策としては、事務事業評価を活用して税金の使い道を正します。例えばSDGs、男女共同参画関連の理念先行で実績が伴わない啓発事業は、大小問わず整理の対象として、確固たる意思を示します。 |
![]() 山田 |
市長選に立候補した最大の理由は、「川崎の今に応えたい」と思ったからです。 |
![]() 國谷 |
【評価できる施策】無記入 【評価できない施策】子育て支援 |
![]() 関口 |
【評価できる施策】ヘイトスピーチを罰則つきで規制する条例の存在。 【評価できない施策】存在する「ヘイトスピーチを罰則つきで規制する条例」およびその運用の不十分性。 |
![]() 野末 |
【評価できる施策】「差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定 【評価できない施策】評価できない施策は、ぜん息患者医療費助成制度を廃止したこと |
![]() 福田 |
【評価できる施策】未回答 【評価できない施策】未回答 |
![]() 宮部 |
【評価できる施策】ぜん息医療費助成の廃止 【評価できない施策】ヘイトスピーチ禁止条例の運用 |
![]() 山田 |
【評価できる施策】保育所等の利用における多子世帯支援の拡充 【評価できない施策】共生施策のあり方 |
![]() 國谷 |
川崎市は進学や就職を機に、10代や20代で転入してくる人が多い一方、小学校入学前の子どもや、その親である 30 代、40 代については他の世代と比較して転出が多くなっています。若者や子育て世代の定着につながっていない現状を最大の課題と捉え、子育て見守り・赤ちゃん用品定期便、「アフォーダブル住宅」の供給、プッシュ型の子育てサービス等により、若者・子育て世代から選ばれるまちを目指します。 |
![]() 関口 |
川崎市の課題はいろいろあるだろうが、「国政問題」「国際問題」ときりはなして川崎だけの問題が存在するとは考えない。不勉強な部分も多く存在するだろうが、市民と市民、市民運動・住民運動・労働運動などの話し合いで、施策を前にすすめていきたい。 |
![]() 野末 |
財政力指数が政令市トップの豊かな財源を持っている川崎市ですが、大規模開発優先で市民生活を支える支援策は遅れています。不要不急の大規模開発はやめ、豊かな財源は、市民の子育て・くらし・福祉優先の予算にまわします。 |
![]() 福田 |
高度成長期に集中して開発された市内の都市インフラや建築物が老朽化していく中、10年後には川崎も人口減少に転じます。将来に渡って地域を維持するために、先送りをせず必要なインフラ整備や市民ニーズに沿った施設の機能更新を行います。また、生活を支える交通環境を守ること、教育をはじめとした人への投資に責任を果たします。臨海部の炭素に支えられてきた産業からカーボンニュートラルなものづくりへの転換を誘導します。 |
![]() 宮部 |
等々力緑地や鷺沼駅の再整備事業。 |
![]() 山田 |
川崎市の最も大きな課題は、後手に回ったインフラ整備です。 |
![]() 國谷 |
様々な給付を行うと、配るにあたってのコストがかかるため、各家庭が自由に使えるお金を増やすことが重要です。市民税の減税により、市民の皆様の手取りを増やし、家計を支えることが必要であると考えます。 |
![]() 関口 |
障がい者の就労形態のひとつである福祉的就労には3つの形態があり、そのうちのひとつB型の事業所では月1万円程度の給料(工賃)でメンバー(利用者)は生活している。非正規雇用の労働者の中には月10万円前後で生活している人もいる。女性の多くが非正規労働者だ。これを許しているのが、いまの日本社会だ。これでいいのか。なんとかできないのか。みんなで考えたい。 |
![]() 野末 |
子育て世帯のために、18歳まで子どもの医療費窓口負担ゼロ・中学まで学校給食費ゼロ・保育料引き下げなど。 |
![]() 福田 |
物価高騰対策として、これまで学校給食費の負担軽減、「じもと応援券」の発行による地元事業者の支援・消費喚起に加え、介護・障がい福祉サービス事業所や保育所などへの光熱費の補助などを国の交付金も効果的に活用し対応してきました。今後も国と市が役割分担をしながら、きめ細かな支援で市民生活や事業活動の下支えに取り組んでいきます。 |
![]() 宮部 |
短期的にはキャッシュレス決済で自動的にポイント還元。 |
![]() 山田 |
最も必要なのは、ばらまきではなく家計の固定費を減らす仕組みです。 |
![]() 國谷 |
社会全体で支え合っていくためには、まずはその支え手となる現役世代への支援が重要であると考えています。子育て見守り・赤ちゃん用品定期便、「アフォーダブル住宅」の供給、プッシュ型の子育てサービス等により、若者・子育て世代から選ばれるまちを目指すとともに、「かわさきTEKTEK」の拡充によるシニアの社会参加促進、ICT機器の活用による高齢者の見守り等により、いくつになっても安全・安心のまちを目指します。 |
![]() 関口 |
障がい者が結婚している割合は、「健常者」が結婚している割合よりも少ない。この背景には、障がい者の収入が不安定であることがある。結婚がすべてではないが、そういう現状がある。女性は、高収入の男性と結婚させるか、遊郭に売り飛ばせばいい。そんな考えの社会が過去に存在した。いまは、どうか。私たちの社会は、そこからどれだけ進歩しているのか。私たちみんなで考えたい。 |
![]() 野末 |
子育て支援として、18歳まで子どもの医療費窓口負担ゼロ・中学まで学校給食費ゼロ・先生の未配置ゼロ・不登校支援策の充実・園庭のある保育園の増設・保育士の処遇改善・高校生や大学生への給付型奨学金制度充実など。 |
![]() 福田 |
地域における身近な相談の場として、市内54か所の地域子育て支援センターで子育てのあらゆる悩みを受け止める体制を作り、地域全体で子育てのサポートを強化します。ニーズの高い「朝の子どもの居場所」や全天候型の居場所の充実を図っていきます。また、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らしが完結する"ケア付き地域"の実現に向け、生活に密着する地域資源の充実に民間とも連携し取り組んでいきます。 |
![]() 宮部 |
原則的には、全市政の施策を継承しますが、ただ積み上げるだけではなく、成果と弊害を適切に評価して持続可能なものにする。 |
![]() 山田 |
私が最も力を入れたいのは、子どもも大人も挑戦をあきらめない環境づくりです。 |
![]() 國谷 |
スマート街路灯の整備や無電柱化の推進等により、自然災害の状況把握や発生時の被害を最小限に抑えるとともに、専門的見地からの意見も踏まえ、事前に様々な想定に基づいた初動対応をシミュレーションしておくことが重要と考えます。また、事前の想定を上回る事態が発生した際に、柔軟かつ迅速に対応することが可能な体制づくりも必要であると考えます。 |
![]() 関口 |
地震や豪雨などの自然災害から、どうやって市民を守るのか。専門家の意見を聞いて、市民と市民、市民運動・住民運動・労働運動などの話し合いで、対策を前にすすめていきたい。 |
![]() 野末 |
現在の一時間当たり雨量河川50mm対応、下水58mm対応ではすでに対応できず、先日の9月11日豪雨では、1時間当たり100mm超の降雨によって市内で浸水被害が続出しました。 |
![]() 福田 |
この10年で重要な水道管の耐震化率を70.6%→98.2%、重要な下水道管きょの耐震化率を43.6%→89.1%と大幅に向上させてきました。頻発する豪雨に対応する浸水対策に必要な整備を今後も進めていきます。これらインフラ整備を進めることに加え、避難所となる学校体育館への冷房設置やトイレが使えない場合でも有効なマンホールトイレの整備をスピード感を持ち進めます。 |
![]() 宮部 |
まずは減災の取り組みが必要と考えます。なぜなら、大掛かりな防災には時間と費用がかかります。津波避難所の設置や土地の嵩上げ、職員や市民の訓練、物資のストックという取り組みで、被害を減らすことは費用対効果が大きいと考えます。 |
![]() 山田 |
大地震や豪雨などの災害から市民を守るには、命を守る備えを日常にすることが何より大切です。 |
![]() 國谷 |
カーボンニュートラルの達成に向けては、幅広い関係者が協働することが重要であると考えておりますが、全国平均と比べて高い産業系部門によるCO2排出量を削減するため、産業構造の転換に当たってカーボンニュートラルの視点も持つことが必要であると考えます。 |
![]() 関口 |
気候変動と関係あるなら、こう考える。大企業のもうけのために、地球と川崎市民の生活を犠牲にする。そういうことのないようにしたい。 |
![]() 野末 |
市のCO2排出量は政令市トップでその76%は臨海部から出されています。市の脱炭素戦略は海外から水素を輸入して発電所に混ぜて発電することでCO2を削減する水素戦略を進めています。しかし、この戦略ではコストが高く実現性が極めて乏しいものです。むしろ臨海部を再エネ・省エネ・蓄電池の開発・生産拠点にして太陽光中心の脱炭素戦略に切り替えるべきです。 |
![]() 福田 |
家庭から出たごみから発電した「川崎産グリーン電力」を市出資の川崎未来エナジー(株)を通じて市内へ供給する取り組みを始めています。また市立小中学校の太陽光発電による「スクール発電所」の取り組み、新築の建物への太陽光パネルの設置義務化や補助制度により、エネルギーの地産地消を更に進めていきます。市内で排出される全てのプラスチックを令和10年までに市内で100%リサイクルします。 |
![]() 宮部 |
2050年という長期目標に対する具体策を提案することが無謀だと思います。 |
![]() 山田 |
川崎市内企業の約99%は中小企業で、従業者数の76.8%を占めます。 |
![]() 國谷 |
どちらでもない |
![]() 関口 |
どちらでもない |
![]() 野末 |
反対 |
![]() 福田 |
賛成 |
![]() 宮部 |
賛成 |
![]() 山田 |
どちらでもない |
![]() 國谷 |
川崎市には7つの区がありますが、それぞれ異なる魅力を持っていることが川崎の強みであり誇りであると考えます。 |
![]() 関口 |
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」で、不十分ではあるが、ヘイトスピーチを罰則付きで規制していること。 |
![]() 野末 |
川崎市は、1982年に他の都道府県や政令指定都市にさきがけて、非核三原則の完全実施と核兵器の廃絶及び軍縮を世界に求める『核兵器廃絶平和都市宣言』をおこなった都市です。 |
![]() 福田 |
川崎市は都市部でありながら、人情味と優しさにあふれ、多様な人々を温かく受け入れる文化が根付いています。街道や宿場として栄えた歴史の中で、多くの人々が行き交い、様々な文化が融合することで、変化に寛容な風土が育まれてきたのだと思います。この文化的な土壌を基盤に、多様性を可能性と捉え、幾多の課題を乗り越えながら、多彩な魅力を備えた都市へと発展してきたことが誇りです。 |
![]() 宮部 |
北部から南部までの多様性。 |
![]() 山田 |
私が川崎の誇りだと感じているのは、「人の力」です。 |
![]() 國谷 |
高校時代を過ごし、現在は日常から離れリラックスしてランニングすることもある多摩川が、最も好きな場所です。電車に乗って、東京から多摩川を越えて川崎に入ってくる時に、帰ってきたという実感がします。 |
![]() 関口 |
川崎市アートセンター。「いい映画」を上映しているから。 |
![]() 野末 |
宮前区にある『県立東高根森林公園』です。我が家から歩いて手軽に行けるので、川崎市に引っ越してきた24年前から親しんでいます。子どもたちが幼いころは、お散歩やピクニックに毎日のように通いました。広い芝生広場、木道の湿地植物園、推定樹齢150年と言われているシラカシ林など、多摩丘陵の美しい自然を活かした素敵な公園です。 |
![]() 福田 |
子どもの頃から私の一番お気に入りの場所は生田緑地です。広大な自然の中で、四季折々の美しい風景を楽しむことができ、特にメタセコイアの林は壮観でずっと居たくなります。また、日本民家園やプラネタリウム、岡本太郎美術館もあり、誰もが一日中楽しめるスポットとなっています。近くには川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムもあるので、ぜひ訪れてみていただきたいと思います。 |
![]() 宮部 |
生田緑地です。子供をよく連れて行ったので思い出深いため。 |
![]() 山田 |
多摩川の風景です。 |