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国会リポート vol.435(2022年4月5日)

 最近国内的に危惧する事はネット言論空間のすさびようです。匿名性が投稿者を凶暴にしている面はあると思います。それでもなお、皇室に対してすら遠慮会釈のない物言いは、昭和生まれの我々にとって、とても理解しがたい行為です。大変な制約と重圧の中でお役目を果たされ、公務に取り組んでおられる皇室の方々に対しての中傷に「日本はいったいどうなってしまったんだろう」と危惧している者は私の周りでは大多数です。氏素性を明らかにしているFacebookでは真っ当で冷静なやり取りがなされているのがその証左ですが、匿名性に加え、ネットがすさぶもう一つの原因は国民全体が日本の将来に夢が持てない為かと思います。だから不満を匿名性のネットに吐き出す面は否めません。


 高度成長期には、国民の生活水準は今より確実に低かったにもかかわらず、みんな生き生きと未来の夢を語っていました。映画「ALWAYS三丁目の夕日」のように「明日は今日よりきっといい」という気持ちを国民全員が共有していたからです。家庭に新たな家電製品がどんどん入って来る。給料は毎年、物価を超えて上がっていく。「明日は今日よりきっといい」が共有されていました。「賃金は上がらずとも物価は下がったので、実質賃金は上がっている」デフレ下でのこんなヘリクツは政治家は口にすべきではないと自戒しています。物価は年2~3%上がるけれども、給料はそれを超えて上がっていく。実質賃金も名目賃金も上昇を続ける。この環境を定着させることが必要です。「明日は今日よりきっといい」を実感し、更なる成長の明日を予感する雰囲気を作ってこそ、生来の日本人の美徳である思いやりが発現する社会を創れるのではないでしょうか。


 かつて「ブータン」は「幸せ度世界一」の国と呼ばれました。日本もブータンを目指そう、オピニオンリーダーを自称する人たちがこぞって語りました。しかし、自由化が進み国が開かれるに従って、最新の機器やサービスがブータンに入ってくると、それにつれ幸せ度は落ちていったと報道されました。魅力的な物やサービスが市場に投入されれば、当然『欲』は出ます。それが人間の本性だから。精神論ではない豊かさを実感し、明日の発展を共有できる実現可能な「夢」が必要です。


 新しい資本主義にはデジタル田園都市構想があり、スタートアップエコシステムがあり、成長と分配の好循環があります。「成長があってこその分配」が強調されますが、私は順序が反対でいいと思います。従来の資本主義が株主優先主義としたら、新しい資本主義は株主に加え、従業員や取引先や下請け企業、あるいは社会、それぞれがステークホルダーとして企業の発展を支えていくという考え方です。新しい資本主義とは「従来は企業の発展にとっての負担であったものが企業の発展に必要な投資となる設計」つまり課題解決が成長の原資になる資本主義です。


 先日、北海道大学の寳金総長から北大は道内の各大学と連携し、北海道庁と協働して北海道を世界とつなげるハブの役を果たすとの話を伺いました。大学を三分類する大学改革で、東大や京大が目指す世界のトップランク大学と競う研究大学のカテゴリーである国際卓越研究大学を目指すと思いきや勿論その目標は捨ててはいないと思いますが、北海道と世界を繋げる地域ハブになる宣言に喝采を送りました。地域振興のシンクタンクであり、ヘッドクォーターとなることを目指すという宣言は国際卓越研究大学を目指したい関係者から袋叩きにあったようですが、大学はデジタル田園都市構想の中核的存在なのです。

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衆議院議員〈比例代表 南関東ブロック〉

甘利 明

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