男性優位な社会構造

2021年02月18日小林瑞歩

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 前回はオリンピック・パラリンピック組織委員会森氏の発言について取り上げました。それに関連して、今回もジェンダーについて書いていきたいと思います。

 国際連合は2015年、SDGs(Sustainable Development Goals)と略される「持続可能な開発目標」を設定しました。この目標は、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットから成り立っています。目標の5番目には「ジェンダー平等を実現しよう」と設定されていることもあり、主に女性の権利向上に関する政策へ力を入れる国々が見られるようになってきました。

 このような時代の流れに反して、世界経済フォーラムが2020年に算出したジェンダーギャップ指数によると、日本の順位は153か国中121位という結果になっています。日本は圧倒的にジェンダーギャップが大きい国なのです。

 男女雇用機会均等法が成立した1985年(翌年施行)から35年経った2020年、日本政府は「2020年度までに指導的地位に女性が占める割合を30%程度にする」との目標を先送りにし、「2020年から2030年までの可能な限り早期」へと変更する方針を示しました。

 指導的地位には国会議員や⺠間の管理職が含まれています。列国議会同盟によると、日本の国会議員における女性割合は2020年1月時点で9.9%となっており、世界191カ国中165位となっています。同じアジアに位置する韓国では17.3%で122 位、中国では24.9%で75 位との結果からも、日本の国会議員における女性割合は近隣諸国と比べても圧倒的に低いため、日本では女性が重要なポジションに就きにくい現状がうかがえます。

 ジェンダー平等は、民間企業や国際的な組織だけでなく、政治の世界でも実現されるべきです。オリンピック組織委員会 森氏の発言を巡っては、女性議員が抗議の意味を込めて白スーツで議会に臨んだり、小田原駅前では女性議員が先陣を切って抗議スタンディングを行ったりしていました。女性が自ら声をあげているところを見て、私はとても勇気づけられました。

 小田原市議会議員名簿を見てみると、女性は27名中6名で22%となっています。これは国会議員と比べて高い女性割合になってはいますが、30%まではあと3名ほど足りないことになります。

 このような話をすると「能力で選ぶべきだ」「人数ノルマを設定すると組織の質が落ちるのではないか」などの意見をよく聞きます。しかしながら私たちは皆、偏見の心を持ってしまっていると思います。残念ながら女性ジェンダーの私でさえ、無意識のうちに女性差別をしてしまうことがあります。だからこそ差別をこれ以上助長しないためにも、女性の数を一定数に決めることは、無意識中の偏見に打ち勝つ手段の1つとなり得るのです。

 女性議員の増加を実現するには、女性が出馬できるような環境を整えることも大切だと思います。具体的に私たち市民ができることはまだ思い浮かんでいませんが、もしかしたら女性議員の当選を後押しすることも、後の出馬環境に良い影響を及ぼすことができるかもしれないと考えています。(私でもすぐにできそうなことがあれば、是非教えてほしいです)

 今の日本社会において指導的地位に就いているのはほとんどが男性で、かつ社会経済的地位の高い人たちです。このような状態で、例えば生理用品の供給や育児休暇、夫婦別姓の導入などが行われたとします。これだけでも女性は今より格段に生きやすくなるでしょう。しかしながら、男性がとある制度を「許して」女性が「恩恵を受ける」という権力構造にあるのは、看過できないように思います。

 やはり指導的地位に女性が参画しない限り、真のジェンダー平等はなし得ないのではないでしょうか。これを読んでいる皆さんの所属しているゼミやサークル、部活動、学級などにおいても、誰が幹事長や学級委員を務めているのか、少し意識を向けてみてはいかがでしょうか。

<参考文献> 小田原市議会「議員名簿」
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/citycounc/assembly/

毎日新聞(2020)「女性管理職 3割目標「20年30%」から「30年まで」に先送りへ 政府」 2020年6月26日付
https://mainichi.jp/articles/20200626/k00/00m/040/018000c

国際連合広報センター「持続可能な開発目標(SDGs)」
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/

Inter-Parliamentary Union. (2020). Women in Politics: 2020.
https://www.ipu.org/resources/publications/infographics/2020-03/women-in-politics-2020

World Economic Forum. (2020). Global Gender Gap Report 2020, p. 201


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