萩生田大臣に聞きました(Vol.1)

2021年04月23日Vote at Chuo!!

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政治の話を当たり前に

 私たちVote at Chuo!!の理念は「中大生3万人が当たり前に考えて投票に行く文化を創る」とのミッションの下、高校生に向けて主権者教育授業を、大学生に向けては学内選挙ブースを設置し、不在者投票手続きを促す活動などを実施しています。

 このような政治をテーマにしたサークルとはいえ、政治に対する興味や知識量はメンバーそれぞれによって大きく異なります。

 だからこそ、「なぜ一人一人が投票に行かなければならないのか」といった根本的な問いや現状を踏まえた意見、多くの考えを交わすことができているのかもしれません。 そんな私たちの中で、選挙の高齢化と主権者教育の難しさに関する疑問が多く出されていました。

 そこで2021年2月27日、現文部科学大臣である萩生田光一氏にこの二つのテーマを軸にお話を伺ってみました。

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政治家の高齢化

 まず、選挙の高齢化を実際感じられているかという質問に対して萩生田大臣が答えたのは意外なものだった。

 今まで自分たちが望んでることをやってくれる議員がいないから、言ったって変わらないよねって思っていたのがね、1人若い人が出たことで変わったり、私が出たことで他の人達も刺激を受けて、次の選挙からまた若い人達が立候補するようになって、日本中そういう意味では、若返りはしてきてるんじゃないかなっていうふうに思うけれど、色んな世代の政治家がいて良いんだと思いますから、必ずしも政治家の高齢化っていうことを、「そうですね」って頷くほど感じてないです。

 大臣が27歳で初出馬したときよりも現在議員の年齢層は高齢化どころか若返りを果たしているとのこと。また、私たちを含む世間はなぜ高齢化の印象を持っているのかについて以下のように語っていた。

 ただ、結局その経験を積みながら責任ある立場になるから、皆さんがテレビで観てる政治家に年寄りが圧倒的に多いと思うんですよ。うちの二階幹事長とかね(笑)。だから結局結果として、そういう人達がその第一線に立つもんだから、政治が高齢化してるよねっていうイメージを持ってると思うし、だから繰り返しになるけど、僕からすればあの頃から比べたら全然若返りをしてるんだけど、他の政党も含めてね。

 「責任ある立場には経験のある人が」。当たり前なことのようでありながら、実際に知っている一部の議員が高齢であることから全体の議員も「高齢化」しているように思えるとの意見。これは目から鱗が落ちた。その印象による主権者への影響も語った。

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 それから投票行く側も圧倒的お年寄りの方が投票率が高いですよね。したがって、お年寄り向きの政策が優先されてしまう、また若い人達が「どうせ俺たち行ったって変わらないんだ。」っていう。この負のスパイラルに日本の民主主義っていうのは多分入ってるんだと思うよ。だからそうじゃないんだって立ち上がってくれたら、きっと政策の優先順位も当然変わると思います。

 議員の年齢層も多様化してきているため、各世代主権者の意見も代弁されやすくなっている。しかし、普段目にすることが少ないために議員側も高齢化しているように見えてしまい、議員のイメージと同世代である高齢者の投票率が圧倒的に高くなっているといったお話しだった。

 選挙に行かない理由はさまざまです。面倒くさい、政治・選挙自体よく理解できていない、自分ひとりの票の意味がないように思える、誰に投票すればいいかわからない、など多くの意見があることでしょう。 全世代の投票率が100%だとして少子高齢化の現代では、若者が投票率で高齢者を上回ることができないため、半ば諦めて投票に行かない若者が多くなっているのだと取材前は考えていました。

 しかし、その若者が自分たち向きの政策を考えている人がいないという諦めの下で投票しないという選択をしているのであれば、改善の余地はあるように思えました。手のひらの中で簡単に情報が得られる今、私たち主権者もどうせ投票に行っても意味がないと諦める前に自ら知る必要があります。コロナ禍により、自分から情報を得に行かないと社会から簡単に置いて行かれる状況が以前より強くなったように思います。自分のために使うのであれば、時には自分の将来のため、少しずつ政治のことも調べていきたいと思いました。

 Vote at Chuo!!としてこれまでの活動で得た学びや政治に関する疑問・考えを大学生らしい、複数の視点から発信していきたいと思います。

萩生田大臣へのインタビューVol.2へ続く


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