デートDVを知っていますか?~第二部 エンパワメントかながわさんにお話を伺って~

2022年04月01日

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こんにちは!フェリスチームです。

前回の記事では、「デートDVとはなにか」「私たちフェリス女学院大学のデートDV窓口」について紹介しました!

第2弾となる今回は、横浜市神奈川区を拠点にデートDVの予防・啓発活動などを通し暴力のない社会の実現に向け活動している『認定NPO法人エンパワメントかながわ』の阿部真紀さん・藤井和子さんにお話を伺ってきた模様をお伝えします。

エンパワメントかながわさんのご紹介をする前に、前回の記事で説明した「デートDVとはなにか」をざっくりふりかえろうと思います!

◆デートDVとは?

デートDVとはなにかパッと思い浮かぶでしょうか?デートとは「どんな」ことなのか、「誰が」対象になるのかこの2つについてちょっと考えてみてください!

《答えはこちら》→夫婦間だけではなく、交際相手に対する暴力を「デートDV」といいます。身体的暴力だけではなく、精神的暴力・経済的暴力・性的暴力・行動の制限も「デートDV」です。

前回の記事のように「いつもスマホをチェックされる」「メールの返信が少しでも遅れると激怒する」などが行動の制限に当たります。

実は10代のカップルの3組に1組でデートDVが起きており、交際経験のある人のうち4割がデートDV被害を経験しています。

このようにデートDVは身近な問題で、デートDVに悩んでいる人たちの相談の受け皿になっているのが今回インタビューさせていただいた「エンパワメントかながわ」さんなんです。

◆「エンパワメントかながわ」さんとは?

エンパワメントかながわさんは認定NPO法人で、「ひとりで抱え込まずにおとなに相談できるように」という理念のもと、相談がしやすいような窓口の開設や啓発活動を行っています。

URLはコチラ ➡https://npo-ek.org/

・「デートDV110番」

→デートDVのことなら、どんなことでも相談できる無料の相談窓口で、デートDVについて専門に研修を受けた相談員の方が対応してくださいます。デートDVを受けているかもしれない人だけでなく、周りの友人や家族や教員の方、あるいはデートDVをしているかもしれないと気づいた方からも相談を受け付けています。

《2011年に開設し、今年で11年目になるそうです。初年度は1年間で100件程度でしたが、今では1カ月で200件近い相談が寄せられています。エンパワメントかながわさんなどの地道な啓発活動や世間の情報発信の結果、「デートDV」という言葉の認知度が高まり、声を上げる人や気にかける人が増えたという事だと思いました。被害を未然に防ぐことはもちろん、被害を受けている方が気持ちを打ち明けられる場所がエンパワメントかながわさんにはあることを教えていただきました。》

・「もしかしてデートDV?チェックリスト」

→デートDV相談のきっかけ、「もしかしたらデートDVなのではないか?」という気付きを与えるためにエンパワメントかながわさんがチェックリストを公開しています。当てはまる項目にチェックをつけるだけの簡単なもので、まず被害者自身にデートDVの可能性に気づいてもらうことを目的とした取り組みです。「私が悪いんじゃないのか」「怒るときもあるけど、優しい時もある」と自分自身を納得させている人にやってみてほしいです。

チェックはコチラから ➡https://ddv110.org/

・「Not Alone」

→デートDVの防止にかかわる情報を発信しているサイトです。「デートDVとは?」「活動団体」「どうしたらいいか?」「イベント情報」などわかりやすくまとめられていて、このサイトにアクセスすれば、どうしたらいいのか先が見えない状態から前に進めると思います。

URLはコチラ ➡⇒https://notalone-ddv.org/

◆他にも・・・

・デートDV防止学生サポーター養成講座

エンパワメントかながわさんでは、デートDV防止学生サポーターを同世代の大学生から募集する活動をしています。SNSを使った発信やデートDV110番相談員としての活動など、世代が近い私たちだからこそできる事だと思います。デートDVに特化した専門知識や相談スキルも学ぶことができ、被害を受けた方々の力になることができます。 さらに中高大学生対象にデートDV予防ワークショップを行い、10代のうちに「デートDV」について知識をつけることにより、デートDVの予防・減少に導く取り組みです。

◆「デートDV」相談者の属性は?

ここまでエンパワメントかながわさんの活動や取り組みについて綴ってきましたが、実際エンパワメントかながわさんへの相談者はどうなのでしょうか。

まずは、その属性です。
「エンパワメントかながわ」の理事長・阿部さんによると、2020年9月から2021年12月までの期間でデートDV110番に寄せられた相談者の合計は、571人で、男女別でみると、デートDVの相談者の性別は、女性86%、男性12%でやはり女性が大半を占めているそうです(「エンパワメントかながわ」デートDV110番2020年9月から2021年12年調査結果より。以下同じ)。

もっと男性の割合が少ないかと予想していたのですが、男性も12%を占めています。「ジェンダーバイアス」から女性の被害を真っ先に思い浮かべがちなのですが、男性も被害に遭っているということにハッとさせられました。男友達から「交際相手に暴力を受けている」と相談されたときには、楽観視せず親身になって相談に乗りたいと思いました。

続いて相談者の年齢は10代16%、20代43%、30代17%、40代6%、50代2%と、相談者の6割が10代から20代の若年層です。夫婦間だけでなく、恋人間の暴力なのが「デートDV」なので、若い人が被害に遭いやすい傾向にあります。さらに今恋人からの暴力に悩んでいる被害を受けている方が「デートDV」だと気づいていない、実際の被害者との解離の可能性も考慮すると被害者はさらに多いと思われます。

さらに注目していただきたいのが、40代6%、50代2%という数値。この年齢層の相談者が次のキーになってきそうですね...。

続いて相談者はだれかについて聞くと、被害者本人が83%、加害者本人が3%、友人が6%、教員0.4%、その他2%でした。被害者本人が割合の大半を占めていますが、友人・教員という気づいてくれた周囲の方からの相談も8.4%もありました。加害者本人からも3%と、チェックリストなども活用すると「もしかして」と思い当たることもあるそうです。あらかじめデートDVについて知っておくことで予防や減少につながるという啓発活動の必要性を強く感じました。

最後に、寄せられた相談内容として一番多いのが身体的暴力・精神的暴力で、「思い通りにならないと不機嫌になる(174件)」「暴言を吐く(148件)」「人格を否定する(109件)」「殴る(96件)」「人付き合いを制限する(83件)」「同意のないセックス(62件)」などが挙げられるそうです。

この上位6件の相談内容は「よくあること」「仕方がない」「自分が悪い」わけでは決してありません。どうか近しい人やエンパワメントかながわさんなどの機関に相談してみてほしいです。

◆身近な友人がデートDVに悩んでいたら・・・

―「別れなきゃダメだよ」はNG!

身近な親しい友人が恋人からのDV被害に悩んでいたらこう言いたくなりますよね。大切な人だから苦しい目に遭ってほしくない。こう思うのは当然ですし、別れて友人が被害から逃れられるのなら「別れたほうがいい」と言ってしまうものだと思います。私も実際に友人にこう言ってしまったことがあるのですが、阿部さんのお話によるとこれはあまりよくないのだそうです。

被害に遭っている人は「自分が悪い」と思いこまされている状態で、「別れる」という選択はなかなかできない状態にあります。そんな中、友人からも「別れなきゃダメ」と言われてしまうとますます追い詰められてしまうことになります。

では、私たち友人になにもできないのでしょうか?

―そんなことはありません。

阿部さんによると、『まずは友人の話を聴くこと。そして「あなたはなにも悪くないよ」「あなたは私にとって大切な人だよ」と伝えてください。ただただ友人の話を聴くことがきっとご友人の心を軽くしてくれます』とのこと。そして、追い詰められている友人が自分を見つめなおすきっかけにもなるはずです。可能であれば、友人であるあなたがエンパワメントかながわさんや身近な人に相談してみてはいかがでしょう。

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上段左から順にエンパワメントかながわ・阿部さん、佐々木、倉田、藤井さん

◆インタビューをしてみて

倉田:記事を書くきっかけがなければ、「デートDV」について知らなかったと思います。今回エンパワメントかながわさんのインタビューや事前準備する中で知識をつけることができました。「デートDV」について知っていることは、自分自身や周りの人のためにもなることだと思いますし、相談を受けたり、事態に直面した際に「知っている」ことで悩みを抱えたままでいなくて済むのではないかと思います。友人から悩みを打ちあけられた際には、「別れなよ」「その人ダメだよ」とは言わずに、まずは話を聞くこと、やっていきたいと思いました。

佐々木:夫婦間だけではない「デートDV」という言葉を私は大学の授業で初めて学んだのですが、今回「エンパワメントかながわさんがデートDVの相談や情報発信をしている」という旨を発信したくて、インタビューをさせていただきました。大学生という新生活が始まって、友人と久しぶりに会った際に「彼氏ができたんだ~」「そうなんだ~」から「実は彼が交友関係とか制限する人で...」という相談を受けたことがありました。でもどう声をかけたらいいかわからず、自分自身にずっとモヤモヤした気持ちがありました。エンパワメントかながわさんがお話してくださったことを活かしてきちんと友達に声をかけたいです。「悪くないよ」と言葉をかけることの大切さやまずは被害を受けているかもしれないことに気づいてもらう活動を行うエンパワメントかながわさんからお話を聞けたこと、貴重な経験になりました。

◆最後に

エンパワメントかながわの阿部さんから困難を抱える人・大学生に向けたメッセージです。

「暴力を受けていい人は一人もいない」


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