参院選の仕組みを解説
2022年05月30日Vote at Chuo!!
皆さんこんにちは、Vote at Chuo!!です。今回は間近に迫った参議院選挙について解説していきます。
まず振り返りを
参院選の解説を始める前に、直近の国政選挙を振り返ってみましょう。昨年10月31日に行われた衆議院選挙です。野党が議席を伸ばす可能性もあると言われたなか、与党である自由民主党が選挙前の276議席から261議席と数を減らしたものの、一定数を保ちました。また、同じく与党の公明党は29から32へ議席数を増やしました。
一方で、野党第一党である立憲民主党は選挙前の109から96へと議席を減らし、共産党も12から10議席に終わっています。
そうしたなか、大きく躍進したのが「政策提案型」を標榜する野党。日本維新の会は大阪府のすべての選挙区で議席を獲得するなど、選挙前の11から41へと大幅に議席数を伸ばし、国民民主党も公示前の8から11議席に増やす結果になりました。
その他、れいわ新選組は1→3議席、NHK党(当時の名称はNHKと裁判してる党弁護士法72条違反で)が1→0議席、社民党が1議席の現状維持でした。
今回は7月10日
さて、本題に入りましょう。今回の参院選は6月26日(日)公示、7月10日(日)投開票の見通しです。(参考:NHK 夏の参議院選挙へ 新型コロナ対策など焦点に https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220101/k10013411601000.html)
参議院議員の任期は6年間で、3年ごとに議席の半数を決める選挙が行われます。したがって今回の選挙では248あるうちの124議席を争うことになります。これは議院の継続性を保つとともに国会機能の空白化を防ぐためだそうです。
参院選は、選挙区選挙で148人、比例代表選挙で100人を選出することになっているので(1回の選挙でそれぞれ半分ずつが改選されます)、有権者は選挙区と比例代表の合計2回投票することになり、立候補者は選挙区と比例代表のいずれかに立候補するのかを決める必要があります。
ところで、選挙区と比例代表とはどういうことでしょうか。選挙区では基本的に各都道府県を1つのブロックとして扱い、全国45の選挙区で当選者を争います※1。一度に複数人の当選者が出る地域もあれば、一人のみが当選するブロックがあります。例えば、人口の最も多い東京都では一度に6人の議員が選出されますが、45のうち32選挙区は一人区と呼ばれ、1人のみが当選する選挙区となります。当選人数を見据え、各党の戦略の違いが出るところでもあります。
※1.例外として鳥取県と島根県、高知県と徳島県はそれぞれ1つの選挙区となります。これは「合区」と呼ばれるもので一票の格差を是正するために導入されています
一方の比例代表は全国を1ブロックとして扱い、比例候補者名簿に記載した候補者の名前か政党名、どちらか好きな形で投票します。投票時には政党名と比例代表候補者を足した総得票数が比例分配され、最初に獲得議席数が決まります。そして、得られた議席数の枠内で、候補者名での得票数が多い順に参議院議員に選出されることになります。これはドント式と呼ばれている方式です。
※例えば、A党が2000票、B党が1500票、C党が800票獲得したとします。その各党の総得票数を1,2,3...と整数で割っていきます。この割った数字の票数の多い順に党が議席を獲得します。この場合、A党の総得票数を1と2で割ったものがB党を2で割った値や、C党の票を割った値よりも大きいためA党が2議席獲得します。同様に、B党もC党の得票数で割った数字よりも多いため1議席を得ます。このようにして、比例代表選挙の100議席が選出されます。
以上、ご理解頂けたでしょうか。
比例代表では政党名と個人名のいずれかを書く必要があることなどを知らなかった人も少なくないのではないでしょうか。
さて、今回の参院選では、昨年の衆院選で議席を減らした党の巻き返しがみられるでしょうか。それとも、議席数を伸ばした党が勢いそのままに増やすしていくのか―。気になります。本記事が参院選を考えるうえでの一助となれば幸いです。
では、また!