ストライキにバッティング!(前編)

2016年12月10日東海大学文学部広報メディア学科1年 猪股修平

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ストライキでバスが来ない!?

閑散としたバス乗り場。交差点で数珠つなぎになったタクシーの列。

夕刻のJR鶴見駅前。知人に会うために訪れていた私は、異様な光景を不審に感じた。以前訪れた時は、もっと人や車の往来が激しかった気がするが...

「そうか、日曜日だから人がいないのか」

そう納得した私は知人宅へ向かうためにバス乗り場へ。
が、いくら待てどもバスが来ない。一体何がどうなっているのか。
じれったい気持ちを抑えていると、主婦らしき女性が私に声をかけてきた。

「ストライキなのでバスは来ませんよ」

...すとらいき??
普段聞きなれない言葉に一瞬理解ができなかった。
言われてみると、バス停の時刻表の下に張り紙があった。

「初発から24時間 12月4日(日)ストライキを予定 臨港バス労働組合」

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私はここでようやく、川崎・鶴見地域を管轄する「川崎鶴見臨港バス」がストライキを決行していることを思い出したのだった!(朝のニュースで確認していた)
まさか今日に限ってストライキとは...。バスに乗ることをあきらめ、知人宅まで30分歩いた。

2016年12月4日、川崎鶴見臨港バス労働組合は24時間のストライキを決行した。
川崎市や横浜市鶴見区へ通勤通学・または居住している方は、同じ日に私のような経験をした方も少なくないだろう。
同組合のストライキは1980年以来36年ぶりの事で、今回のストライキに至った原因は労働条件を巡る労働交渉が解決しなかったためらしい。
今回のストライキは一系統を除くほぼすべての路線が終日運休したため、およそ10万人に影響が出た。

「10万人に迷惑をかけるとは、なんてひどい会社だ!!」

と思った方もいるかもしれない。私も「休日とはいえ市民の足をなくすのは勘弁してほしい...」と思った。(30分弱のウォーキングは苦ではなかったが)

この経験を単なる損と捉えてしまってはもったいない。せっかくなので、滅多に見かけないストライキに関わる権利や法律を調べてみた。

ストライキが認められている根拠は?

ストライキが認められている理由は何だろう?

そういえば労働者の権利について中学・高校の授業で習っていたような。久々に高校時代の教科書(『高校政治・経済』実教出版 2014年発行)を開いてみる。

思った通り、教科書に載っていた。

大衆が不利益を被るので迷惑行為と思いがちだが、ストライキは憲法で認められている。日本国憲法28条では勤労者の団結権が以下の条文によって定められている。

「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」

団体交渉とは労働組合が労働条件について使用者と交渉することであり、 団体行動とは勤労者が使用者と対等の立場で交渉するための行動、すなわちデモやストライキのことだ。

憲法28条に基づき、労働者には3つの権利がある。これを労働三権という。労働三権は、労働者と使用者の関係を実質的に対等なものにするためにある。

  • ・団結権...労働者が労働組合を組織し、それに加入する権利。
  • ・団体交渉権...労働者が団結して使用者と交渉し、労働協約を締結する権利。
  • ・団体行動権...労働者が使用者側に要求を認めさせるため、ストライキなどの争議行為を行う権利。

いやー、一度習ったことでも月日が経てば忘れるもので...。
この労働三権を行使した結果、今回のストライキが起きたということだ。

...おや、教科書を読んでいると労働三権の隣に「労働三法」なるものが。
うーん、これも授業で習っていたはず...しかし案の定覚えておらず。ストライキとは少しずれるが、労働三法についても調べてみた。

(後編に続く)


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