若者と選挙 番外編①「まずは自分なりに考える」

2017年10月14日亜細亜大学法学部法律学科2年 丸山美奈

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今回は「若者と選挙」の番外編です。
亜細亜大学法学部2年の丸山美奈さんからご意見をいただきました。


〈政治に答えはない〉


衆議院の解散については前々からやる、やらないと様々な憶測が飛び交っていたが、先月正式に解散が決まり、お、とうとうやるのか。と思ってニュースを見ていた。

選挙と言えば、昨年少しショッキングな出来事があったので紹介したい。
昨年は参議院選挙があり、選挙権年齢18歳に引き下げられてから初めての選挙だった。当然私も人生で初めてとなる選挙には行くつもりで、誰に投票するか、各政党がどんなことを訴えているのか等は調べていた。

だが、どの候補もいまいち決め手に欠け、投票先を迷っていたので、参考までにと親に意見を聞くことにした。
すると
「そんなに悩まなくてもいい。お前がそんなに真剣に考えてもどうせ多くの中の1票に過ぎないし、選挙結果は大きく変わらない」
と言われた。

今まで学校では選挙には行こうとか、選挙で投票する大切さを教えられてきたから、実際自分の身近な人にこういうことを言われるとなかなか衝撃を受けるものである。
そして身も蓋もないことを言ってしまえば、確かに結局は多くの票の中の1票であることは理解できる。

だがそこで全てを切り捨ててしまうのではなく、もっと真剣に考えてほしい。こんなことを書くと、なんだ綺麗事を書きやがってと思われるかもしれないが、自分くらい投票に行かなくてもいいや。と思う人が1人2人ではなく、何千、何万人といれば選挙結果には当然響いてくる。逆に言えば選挙に行かない人たちが投票に行けば、結果を変えることもできるのである。


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▲一人一人が、一票を持つ有権者だ。

若者が選挙に行かないのはその上の世代のせいだとは言わないが、例えば私のように「どうせ1票だ」と親に言われた子供は、その後選挙に対して関心や意欲を無くす原因になりかねないのではないか。全員に興味関心を持てと強要する気はないが、政治は決して自分と無関係なわけではないということは自覚しておいてほしい。自分なりに考えて起きた結果と、放っておいて起きた結果は意味合いが全く異なってくる。政治に答えはない、まずは自分なりに考えることが大切なのだ。

〈政権交代で有権者の目はシビアに〉


また、先日政治の村で面白い記事を読ませていただいた。
https://seijinomura.townnews.co.jp/students/2017/10/10.html
こちらの記事では、支持したいと思えないのであれば選挙に行かないことも1つであるという考えが紹介されていた。
私もその考えには賛成である。選挙で投票する、しないは自分で決めることであり、それも意思表示の仕方の1つであるから、自分の中にある判断基準と照らし合わせ導き出した答えならそれで構わないと思う。

さて、今回の選挙は新党が次々と発足するなどの多少の混乱の中で始まったが、既存の政治を続けていくかどうかが問われる選挙となりそうだ。

何年か前に自民党から民主党に政権交代が起こった選挙で、民主党は国民にはとても魅力的に見える公約を掲げていた。私は当時まだ小学生だったが子供ながらに消費税が上がらないことに喜んでいたのを覚えている。(実際民主党は公約のほとんどを達成できず最後には消費税増税も決定してしまったのだが)

それまでの政権に辟易していたということもあり政権交代は起こるべくして起こったのだろうが、今思い返してみると民主党の公約は出来すぎていたし、それを真に受けてしまったのもどうだったのだろうと思う。

前回、民主党が掲げた政策を実現してくれると信じて投票した有権者は結局その期待を裏切られ、政治への不信感、虚無感をさらにつのらせることになったのではないかと思う。だが、この失敗をしたおかげで現実的かどうかに注目し、もっと冷静に判断するということができるようになったのではないかとも思う。

〈自分たちの将来のために〉


選挙で政権奪取を狙う野党は強気に出てくる傾向がある。与党の粗探しや非現実な政策を公約に盛り込むなどだ。政権与党は出来ないことは言えないし、下手なことも言えないため慎重になるが、その分政権奪取を狙う野党は好きなことを言えるし、実現できるか怪しくても国民の支持が得られそうなことを積極的に言うため、政権交代が起こりやすくなる。

だが国民は同じ間違いをするほど馬鹿じゃない。前と同じ手は食わないし、今回は勢いや人気だけでは勝てない選挙だろう。

どの政党の政策や考えも、必ずしも完璧に自分の理想とする考えと一致するわけではない。また、誰にとっても素晴らしい理想を掲げていても結局それが達成されなければ意味はない。現実を真摯に受け止め、自分たちの将来のために現在の最善の選択をしていくことが大切であると私は思う。


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