2021年10月27日Vote at Chuo!!

　私たちVote at Chuo!!は中央大学生で構成される団体で、若者が選挙に興味をもてるよう啓発活動をしています。４年ぶりの選挙が迫ってきました（10月31日投開票）。今回は私たちが通う多摩キャンパスのある八王子市に関わる選挙区（東京21区、24区）の各立候補者が打ち出している若者に対する政策をまとめてみました。

　一方で、各候補者に対して「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問を独自に行わせていただきました。こちらにも注目してください！

東京都第21選挙区、東京都第24選挙区候補者一覧（敬称略・共に届け出順）

　東京21区に立候補しているのは、以下の３人です。

＜21区候補者＞

竹田光明　　日本維新の会　元職
大河原雅子　立憲民主党　　前職
小田原潔　　自由民主党　　前職

　東京24区に立候補しているのは、以下の４人です。

＜24区候補者＞

佐藤由美　　国民民主党　新人
吉川穂香　　日本共産党　新人
朝倉玲子　　社会民主党　新人
萩生田光一　自由民主党　前職

　それぞれの立候補者についてみていきましょう。

21区

竹田光明　日本維新の会

　竹田氏は次女が超未熟児として生まれ、たくさんの方にお世話になったことが政治家になろうと思うきっかけになったそうです。医療従事者に恩返ししたいという気持ちや、命だけは平等にという思いが芽生えたと。若者向けの政策は、教育の無償化が日本を立て直す大きな柱の一つだと考えているようです。教育の無償化は、親や私たちにとって負担の軽減になるため非常に魅力的だと思います。党としては、「多様性を支える教育・社会政策、将来世代への徹底投資」を掲げています。多様性を支える教育・社会政策が私たちにどのように影響するのか。また、将来世代への徹底投資が私たちにどう還元されていくのか、気になります。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

「未来を作るのは今の若者たちです。政治は他人事では無く、わが事と考えて行動してほしいと思います」

大河原雅子　立憲民主党

　大河原氏は今年の３月下旬に脳出血しその影響で中途障害者に。それからは障害当事者として政治活動を続けることが使命になったそうです。大河原氏の政策のなかで私たちが注目しているのが「ジェンダー平等社会を作る」。ジェンダー平等社会として、「選択的夫婦別姓の導入」「議員の男女同数の実現」「不公平な労働のしくみの改善」などを目指しています。特に不公平な労働の仕組みの改善は、学生が社会に出たときに男女の立場関係なく仕事をするためには必要なことです。党としての政策としては、「国公立大学の授業料を半額にまで引き下げる」ことや、「私立大学生や専門学生に対する給付型奨学金を大幅拡充」することを挙げています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

「多様な意見反映だけでなく、決定の場に若者がいることが必要です。一緒に政治を変えましょう」

小田原潔　自由民主党

　小田原氏は父が自衛官であり、その姿を見て育ったそうです。また、８歳の時に起こった沖縄返還に感動して、政治家を目指すようになったといいます。若者政策は、「国への信頼を生活の安定を通して強い経済を取り戻すことで、成し遂げること」です。若い世代向けに「新しい価値を社会に提供し、雇用を生み出し日本人に勇気と自信を与えこうなりたいと追随する若者の裾野を育てます」と述べていることから、雇用の拡充や若者の起業家育成をしていきたいのだと考えられます。党としての政策は、「家庭や学校や地域社会で豊かな学びの機会を提供」し、「誰一人取り残さない」政策。「伸びる子はとことん伸ばす」教育を実現しようとしています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

「若い世代が希望の職に就ける社会を。充実した20代、30代を送れるようにします」

24区

佐藤由美　国民民主党

　佐藤氏は法律相談の仕事をしている時、一部の声が全体の声とすり替えられることに疑問を持ち立候補を決意したそうです。注力したい分野として「1.政治参画・公正と自由」、「2.活力ある経済と社会保障」、「3.開かれた外交・安全保障」の3つを挙げています。特に、２の「活力ある経済と社会保障」では、教育や医療を所得状況に左右されないようにすることが必要だとしています。党としては政策の五本柱の3番目に「『人づくり』こそ国づくり」としており、若者政策に力を入れていることがうかがえます。教育・科学分野の予算倍増を行い、教育無償化や児童手当の拡充、インクルーシブ教育を実現するとしています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

残念ながら期限内にご回答いただけませんでした

吉川穂香　日本共産党

　吉川氏はTwitterで「若者が将来に希望を持てないそんな社会は、もう終わりにしたい」と投稿しています。Twitterのプロフィール欄には「奨学金問題の当事者でもある私だからこそ伝えられる声がある」という記載があり、奨学金に対して問題意識があることがうかがえます。年齢も26歳と若く、今回の衆院選の立候補者の中で14人しかいない20代の候補者です。党ホームページの若者に関する政策の分量が多い印象です。「新自由主義をのりこえ、安心して学び、働き、暮らせる社会をつくりましょう」として、高等教育無償化、ハラスメントのないジェンダー平等社会、ヤングケアラーのサポート、若者の政治参加の推進等を挙げています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

「学費半額、ジェンダー平等、気候危機打開。私たちの今と未来のために総選挙で一緒に政権を変えましょう」

朝倉玲子　社会民主党

　朝倉氏は長年労働組合で活動してきており、そのなかで労働に関する相談も受けてきたそうです。政策については、「『生きる』を支える政治へ」として労働問題の解決を始め、コロナ禍の救済策や貧困と格差の是正、平和憲法の堅持などを挙げています。朝倉氏の紹介文のなかに「労働問題解決のプロ」という文言も。いかに労働問題に着目しているかが分かります。候補者としての政策ページにおいては教育や若者といった話はみられませんでした。党としては「教育の無償化を進め、若者に希望を」として、奨学金の貸与型から給付型への転換を訴えています。また、「すべての若者が学びの機会がある社会を目指します」としています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

「皆さんが望めば学費無料も、医療費無料も、差別のない社会も可能。あなたの一票はその力です」

萩生田光一　自由民主党

　萩生田氏は成人式の時に同級生と八王子の将来について語り合ったことが政治家になるきっかけになったそうです。安倍・菅両内閣では文部科学大臣に就任していました。そのためか、ホームページや公約を見ても大学ファンドや少人数教育など、文科大臣時の実績が目立ちます。岸田内閣では経済産業大臣を務めているため、教育、若者政策にどの程度力を注力するのかは未知数ですが、公約には「経済と教育との連携『横っ飛び』政策」があります。ここでは小中学校の児童生徒1人につき1台の学習用端末を配備するGIGAスクール構想の下での「エドテック支援」や文化芸術・イベント業者への支援を挙げています。

●私たちの 「若者世代に向けたアピールをお願いします」という質問には・・・

奨学金の充実や教育の質の向上を図り、皆さんが安心して学びたいものを学べる社会の実現を目指します」

不在者投票について

　さて、「では投票に――」という大学生に気をつけてもらいたいのが、選挙権の有無。特に地方からやってきた学生の場合、住民票を移していないために現在の住まい地域における選挙権がないということがあります。国政選挙ではその場合、不在者投票という形で旧住所地域の選挙に参加することができます（旧住所に３カ月以上住んでいたことなどの条件あり）。21区または、24区の候補者の主張について調べたけど、「選挙権が無かった」では残念なので、この１年間に引っ越しをされた方などはまず自分がどの地域の選挙権をもっているのかを調べた方が良いですね。

1、住民票のある自治体の選挙管理委員会から、不在者投票宣誓書兼請求書を郵送してもらう（マイナンバーを利用したネット申請などを行える自治体も存在する）

2、投票請求書記入・送付

3、選挙管理委員会(以下選管)から投票用紙が届く

4、指定の投票所（居住地の投票所）で投票

せっかくの国政選挙。与えられた選挙権があるのなら手間をかけても投票する価値はあると思います。

以上、21区には３氏が、24区には４氏が立候補します。「ぜひ、みなさん投票にいきましょう」――と言いたいところですが、理由があるのなら投票しないのも１つの選択だと私たちは思います。その選択に私たちのレポートが役立てば幸いです。

各候補者サイト

＜東京21区＞

・竹田光明氏　https://takeda-mitsuaki.com/

・大河原雅子氏　https://ookawaramasako.com/

・小田原潔氏　http://odawarakiyoshi.jp/

＜東京24区＞

・佐藤由美氏　https://sato-yumi.jp/

・吉川穂香氏　https://twitter.com/24h_yoshikawa

・朝倉玲子氏　http://asa2012.org

・萩生田光一氏　https://www.ko-1.jp/