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横浜市立学校雨水利用施設の放射能汚染汚泥調査報告

3月29日に、先日お知らせしていた、学校の雨水利用施設の放射能汚染汚泥保管状況調査に行った。


左の写真の、指差している壁の中が、消火ポンプ室で、ここに汚染汚泥は、ドラム缶に入れられて保管されている。右手前のドアを入ると機械室。


上の写真の右のドアを入った部屋が機械室。


左の写真は機械室の中で。大きな部屋である。この部屋の私が立っている側にポンプ室への扉がある。


この学校では、保管箇所が日常的に子どもの立ち寄らない地階であり、保管されている場所までドアが何枚もあるなど、厳重な感じではあったが、やはり、消防ポンプ室や、機械室など日常的に使用されている場所のそばであることには大いに危機感を感じた。


この扉が消火ポンプ室へのドア。


この中に、汚泥の入ったドラム缶は保管してある。


 


消火ポンプ室のドアを開けたところ。


奥に、放射能汚染汚泥の入ったドラム缶が見える。


 


2011年3月11日の東日本大震災。そして、東京電力福島第一原発の放射能過酷事故発生。横浜にも、福一の放射性物質は降り注いだ。


雨水を利用して、環境にやさしい、省エネのトイレの水洗の施設が、逆に放射能に汚染された雨水を溜めこむ施設となってしまった。


保管されているドラム缶は3本。ドラム缶を覆っているのは、放射線を防ぐという鉛シート。


1本目のドラム缶が保管されたのは、2013年7月30日。


その事実の記者発表は10月4日で、そのとき報告された汚泥の汚染状況は1キログラム当たり25,100ベクレル。汚泥の重量は23.3キログラム。


環境省の指示によって表示がされているが「汚泥」としか書かれていない。


放射性物質が置かれているという危機感を感じない。


2本目は、写真の左側。最初の汚泥除去以降の汚泥で、2014年3月に調査した。汚染状況は6,280ベクレルだった。


3本目は、写真の右側。


昨年2015年に雨水が利用施設のタンクにたまらないようにという切り替え工事を行った時に、タンクの底にたまっていた汚泥を取り除いたが、これを、今年の3月にドラム缶に詰め替えたもの。汚染状況3,050ベクレル。


横浜市教育委員会教育施設課長の中澤誠治さんと、管理係長の奥野幸夫さんが同行し、説明があった。


防ポンプ室にある、ドラム缶のそばでは、毎時0.48~0.50マイクロシーベルトが計測されている。


コンクリートで囲まれた部屋の外では、環境省の指導の下、毎年計測しているが、そこでは毎時0.04~0.07マイクロシーベルトで通常の横浜市内の空気中の状況と変わらない。


このことから考えても消火ポンプ室の数値は、異常である。


懇談の中で、学校長からは、関心をお持ちの保護者からの問い合わせはあったと報告された。


私は、「学校も横浜市も、東電の原発事故の被害者なのだから、遠慮なく子どもたちのためにも早く学校から危険物は無くしてほしいと声を上げてほしい」と要請した。また、消防ポンプ室にあるということは、消防設備点検の時には毎回低線量被爆していることを指摘した。


同行した党の神奈川県雇用・子育て相談室長のあさか由香さんとは、「今後大震災など被害があった時に、安全なはずの学校が危険な場所になる可能性がある。災害対策としても危機管理上も撤去するべきではないか」と質問。


中澤課長は、特定廃棄物として国の管理となっているが、移動のタイミングなど施設管理は課としてしっかりやっていくと。


4月15日にはこれらの問題で環境省との懇談の予定である。


日本原子力文化財団の解説から


ベクレルは放射能の強さを表す単位で、放射性物質から1秒間に放射線が何回出るかを表します。例えば、10ベクレルの放射能をもつ放射性物質は、1秒間に10回、放射線を出しています。しかし、放射線にはアルファ線、ベータ線、ガンマ線などの種類があり、同じ10ベクレルでも、出てくる放射線の種類によって身体への影響が異なります。


つまり、この学校の汚泥からは、一秒間に数万から数千の放射線が出ているということです。


このため、ベクレルの数値だけでは私たちの身体への影響はわかりません。そこで、放射線の種類や強さを考慮して、人間の体が放射線によってどれだけ影響を受けるかを表す単位として「シーベルト」がつくられました。「シーベルト」の1000分の1が「ミリシーベルト」、さらにその1000分の1が「マイクロシーベルト」となります。

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横浜市会議員〈港南区〉

三輪 智恵美

みわ ちえみ

三輪智恵美

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