神奈川県議会代表質問/ 1(1)神奈川県総合リハビリテーションセンターについて (原稿メモ)
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発言の要旨 | 答弁を求める者 |
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1 県施設の運営課題について (1) 神奈川県総合リハビリテーションセンターについて (2) 神奈川県動物保護センターについて | 知事 |
2 県政運営の新たな課題への対応について (1) 職員のワーク・ライフ・バランスについて (2) 神奈川県循環型社会づくり計画の改訂について | 知事 |
3 地方創生の推進に向けた取組について (1) 地方創生の交付金の積極的な活用方策について (2) コミュニティ・スクールの取組について | 知事 教育長 |
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神奈川県総合リハビリテーションセンターの質問について、お問い合わせを頂いています。
この件に関しての黒岩知事の答弁は、これまでとは一線を画すほどの問題意識をもち、ご意見を開陳して頂きました。正式な議事録は、後日、明らかになりますが、神奈川県総合リハビリテーションセンターにかかわる私の登壇原稿を以下にメモとして、開示します。
また、本会議場の大型スクリーンに映された画像二枚も添付します。
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1 県施設の運営課題について
・神奈川県総合リハビリテーションセンターについて(知事)
質問の第1は、県施設の運営課題について2点お伺いいたします。
初めに、神奈川県総合リハビリテーションセンターについて、お伺いします。
本年の第2回定例会代表質問において、我が会派は、経費節減の考え方が反映された指定管理料の算定によって、本来必要な人件費にそのしわ寄せの一部が来ているのではないか。
高度な技術とノウハウを外部に流出させることは、県民の財産の損失でもあると指摘をさせて頂きました。
その後、社会福祉法人神奈川県総合リハビリテーション事業団では「職員就労意識調査アンケート」を実施しました。
この結果、来年4月1日の統合再編時に全体として「退職したい」「どちらかと言えば退職したい」及び無回答の職員を合わせると39.3%の看護局職員が退職又は勤務継続に消極的な意向を示しており、32年度時点の就労継続については、29年4月1日時点と合わせると無回答の職員も含め、71.1%と7割を超える看護局職員が、同様に退職又は勤務継続に消極的な意向を示しています。
2病院のリハ局においても、32年度時点の就労継続について、29年4月1日時点と合わせると、72.7%の職員が、退職または、勤務継続に消極的な意向を示しています。
所属別の退職理由については、運営方針、給料、退職金の3つが突出して多く、これまでの県や事業団の理解と認識とは、明らかに違う結果が出たと言わざるを得ません。まさに人材流出の危機といってもよい状況であると認識しています。こうした調査結果を受けて、事業団は、「職員就労意識調査アンケート結果に係る分析等について」とした報告を県あてに提出をされたと聞きました。
社会保険労務士による、適正な労働環境の確認を目的とする人員配置・労働条件で詳述するモニタリングや、公認会計士による、施設の経営状況の改善および本来目的の達成のための事業展開のあり方などを視点とした経営財務のモニタリングを行う自治体もあると承知しています。
そこで、知事にお伺いします。
事業団で実施した「職員就労意識調査アンケート」の結果は、これまでも会派として議会で述べてきた通り、看護師等、職員数の「必要な人員」確保に対し、極めて大きな懸念が明らかになったと言えます。事業団からは「同アンケート結果に係る分析・評価及び今後の対応」が報告されたと聞いていますが、これらについての県の見解と、今後どのように施設運営の指導を具体的に行うのか伺います。
(知事答弁)
(さとう意見・要望)
意見を申し上げます。
神奈川総合リハビリテーションセンターでは、来年4月以降、七沢リハビリテーション病院脳血管センター跡地を神奈川県内において、200床以上の病院を運営している医療法人等への譲渡するとしています。
七沢病院の譲渡、活用自体は、地元の議員として、要望して参りましたし、賛成するものですが、現状においても余力のない中、大量に退職する看護師が出ることになったら、病棟が回らないという事態に至る可能性を懸念しています。
神奈川リハビリテーションセンターにおいては、障害者スポーツへの対応や施設周辺の管理など、現状のモニタリングに、はまりにくい、サービスの質を評価に反映させることが難しいとされている事項も存在します。
神奈川リハビリテーションセンターの福祉棟が、整備され、今議会においても「総合リハビリテーションセンター安全管理体制緊急整備費」が上程されています。安全管理体制の整備を目的に画像センサー付き防犯カメラを導入するものであります。
(議場にて画像を提示)
9月17日に総合リハビリテーションセンターに伺いました。
労働環境の整備は、職員のモチベーションにも大きく係わります。そもそも、障害のある方々が、リハビリに励む現場で、危険個所をそのままにしておくことは、福祉や医療の場で働く方達のモチベーションの低下にもつながりかねないということは、私でも想像できることです。
一般に「割れ窓理論」と言いますが、腰ほどもある雑草が生い茂る中を車いすの方や入院患者さん、職員の方々が多数、出入りします。
「建物の窓が壊れているのを放置すると、やがて他の窓も全て壊される」との例えの通り、こうした事象の一つ一つにも、職員が退職を希望するに至る、一つの要因ともなっているのではないかと思います。
その後、建物の周辺は、草刈りをして頂いて、改善して頂いたと仄聞していますが、患者さんの安全管理の視点からのみならず、職員の方々の働くモチベーションの視点からも重要なことだと思います。
県の職員も毎週、神奈川リハビリを訪問していると伺っています。
課題解消に向けた対応を強く求めます。
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【写真】: 本会議場の大型スクリーンに映された神奈川県総合リハビリテーションセンターの画像。
カテゴリー:県議会, 佐藤知一コラム
2016年12月02日 22:52