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平成29年第4回定例会代表質問 今後の財政運営の基本的な考え方(改定素案)についての質問答弁要旨

平成29年第4回定例会 代表質問

 

第4回定例会の代表質問で私が担当した質問は、

「平成30年度予算編成方針及び主要課題調整(オータムレビュー)について」

「川崎市総合計画第2期実施計画素案について」

「川崎市行財政改革第2期プログラム素案について」

「今後の財政運営の基本的な考え方(改定素案)について」

「JR南武線・横須賀線武蔵小杉駅混雑緩和について」

です。

 

本日は、今後の財政運営の基本的な考え方(改定素案)についての質問答弁要旨です。

 

質問:(1)今回示された収支フレーム(素案)では、収支均衡の時期が平成31年度から平成36年度に5年間先送りされるとともに、減債基金の借入も平成35年度までの間に累計926億円が見込まれているが、平成28年3月に策定した現行の収支フレームと比べ、461億円増となっている。新たな行政課題や需要への対応による財政需要の更なる拡大などがその原因と示されているが、具体的な中身を伺う。(2)2年間でそこまで拡大したことに対して説明責任が求められる。他の歳出削減等において財源を捻出できなかったのか、本当にその期間内において対応せざるを得なかったのか明確な理由を伺う。(3)借入見込みが増大する一方、行財政改革の取組には目立った変化はなく、危機感の欠如は否めない。事業手法や仕組などの更なる見直しが求められるが、今後の対応を伺う。(4)投資的経費について、全体の収支状況を踏まえつつ策定したとのことだが、公共施設の維持補修や長寿命化などの基礎的な投資的経費が、現行収支と比べ、年間30億円から40億円もの大幅減となっているが、その理由を伺う。(5)収支見込みの差異がこれだけ大きく、繰り返される状況に、その手法の再考の余地はないのか伺う。(6)自律的な財政運営に向けた成果が求められているが、来年2月にまとめられる新たな収支フレームの策定に向けた対応を伺う。

 

答弁:(1)国の経済見通しや市の人口推計の状況から、今後も市税収入は堅調に推移することが見込まれているが、障害者施策の推進や、保育ニーズへの対応などにより社会保障関連経費が引き続き増加することが見込まれている。(2)消費税率の引き上げ延期や、ふるさと納税や法人市民税の国税化などの影響を大きく受けるとともに、小・中学校の教職員増や、業務システムの改修の集中などにより、歳出の増加が見込まれてることから、的確かつ迅速な対応に向けて歳入確保や歳出削減による財源の確保を図りながらも、減債基金からの新規借入により対応することとした。(3)行財政改革第2期プログラム素案においても、効率的・効果的な行財政運営を基本理念の一つに位置付けている。この理念の下、組織の最適化を図る中で効率化が可能な分野における委託化等による執行体制の見直し、市場の成熟している分野における民間部門の更なる活用、AIやICTの活用による行政運営の効率化、新たな手法の活用も踏まえた財産の有効活用、職場における事務の可視化や業務分析等を通じた業務プロセス改革等による事務の効率化、総務事務執行体制の見直し、受益と負担の適正化や将来を見据えた持続可能性などの視点による市民サービス等の再構築などに着実に取り組むとともに、状況の変化には、適時適切に対応していくことにより、効率的・効果的な行財政運営に努めていく。(4)経常的なものとして一定の枠の確保を図るとともに、効率的・効果的な整備手法の活用を図ることとしていることから、平成29年度予算の計上状況等を踏まえ、算定した。(5)直近の予算をベースに、国の中長期の経済財政に関する試算や、本市の人口推計などの客観的なデータを活用し、実施計画プログラムとの整合を図りながら、事業の進捗状況、国の財政措置や制度変更の動向などを踏まえ、極力、本市の財政の現状を示せるよう算定しているが、財政状況は、社会経済環境の変化や制度改正などの影響を大きく受けるもので、今後についても、的確な把握に努め、適宜、対応していく。(6)平成30年度予算編成作業を通じ、国の予算編成や地方税財政制度の動向を反映するとともに、第2期実施計画や行財政改革第2期プログラムの策定作業と連携し、施策調整や事務事業の見直し、事務の効率化などの行財政改革の取組を着実に進め、可能なものから収支フレーム改定案に反映していきたいと考える。

 

再質問:(1)収支フレームについて、障害者施策の推進や保育ニーズへの対応などにより社会保障関連経費が引き続き増加することは、これまでも言われ続けているが、将来人口推移や年代別割合などとの整合性はどのように図っているのか、社会保障関連経費について収支フレームが増減する要因について伺う。(2)公共施設の維持補修や長寿命化などの基礎的な投資的経費について、平成28年3月策定収支フレームより年間30億円から40億円の減となっているが、一定枠の確保を図るとともに、効率的・効果的な整備手法の活用を図るとのことだが、どのような手法により40億円の減を生み出すのか伺う。(3)収支フレームは、財政の現状を示しているものであり、今後の収支見込みは、社会経済環境の変化により大きく変動するのは当たり前ともとれるが、収支フレームの意義・役割、活用方法について伺う。また、収支フレームにおける社会経済環境の変化というリスクへの対応について伺う。(4)将来に負担を残さない財政運営を行うための収支フレームについて伺う。

 

答弁:(1)平成29年度をベースに、直近のの将来人口推移等を基礎データとして算定しており、高齢者人口の増加などによる高齢者福祉及び障害者福祉の増加、就学前児童数の増加や利用申請率の上昇などによる待機児童対策の増加を見込んでいる。(2)今後も、施設の機能や安全性を担保するための維持補修費の確保を図っていくが、第2期実施計画や行財政改革第2期プログラムの策定作業と連携し、進捗状況や緊急性を勘案した施策調整や事務事業の見直しなどの行財政改革の取組を着実に進め、毎年度の予算に的確に反映していきたいと考える。(3)収支フレームは、持続可能な行財政基盤の構築に向けた、本市の財政運営の指針として位置付けており、毎年度の予算編成では、これに沿った財政運営となるよう調整を図っている。また、国の経済見通しや本市の人口推移を活用し、現行制度を前提条件として算定していることから、社会経済環境の変化や制度改正の影響を受ける場合があるが、毎年度の予算編成等においても、「必要な施策・事業の着実な推進」と「持続可能な行財政基盤の構築」の両立が図られるよう、中長期的な財政状況を見通しながら対応していく必要があると考えている。(4)本市では、一般財源総額の大きな増加が見込まれない中で、社会保障関連経費などの財政需要が増加していて、今後も、厳しい財政状況が続くものと見込んでいる。こうした中でも、将来にわたり必要な施策を着実に推進するとともに、将来世代に過度な負担を強いることのない、持続可能な行財政基盤を構築していく必要があるので、「今後の財政運営の基本的な考え方」に基づき、収支フレームを財政運営の指針として位置付け、中長期的な視点を持ちながら、緊張感をもって行財政運営を行っていく。

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川崎市議会議員〈中原区〉

原 典之

はら のりゆき

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