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横浜中央児童相談所を視察―激増する児童虐待にどう向き合う

8/31、日本共産党横浜市議団は、南区にある横浜市中央児童相談所を視察。
虐待件数は27年間で約180倍
2017年度に全国の児童相談所が対応した虐待は13万3778件(速報値)で、過去最多を更新したと報道された。


統計を始めた1990年度から27年連続の増。


横浜市の虐待件数(児童相談所、区役所合計)は、1990年に27件だったものが、2017年度は4825件と約180倍も激増(当局説明)。
146人体制、24時間電話対応
中央児童相談所の体制は所長以下146人(正規100人、嘱託46人)。


24時間365日の電話対応(よこはま子ども虐待ほっとライン)や虐待通報への対応などの体制をとっている。
SOS発信できない家庭から
「各区の子育て支援の施策が進んでいるが、そこに行けない、誰にも相談できない家庭が児童相談所の対応になることが多い」「一時保護して、始めて医療行為が必要な状態だったことがわかるケースもある」「もう少し前に何かできたのではないかと思うことも多い」など、視察対応した職員の皆さんから現状が述べられた。
一時保護の長期化も問題
児童相談所の一時保護所に保護される子どもたちのケースは年齢も内容も様々。


ここ数年では、法律上の上限2ヶ月となっている一時保護の期間が半年以上を越えてしまう子どもが全体の2~3割にものぼると言う。


原因としては、復帰する家庭環境や家庭以外の施設等の受け入れ状況(年齢、性別、人間関係などのマッチング)などがあげられる。
対処では限界がある
「一時保護所でやれることに限界がある。現状の体制では対処で手一杯」


「欧米では、子育てに必要な一式が無料で届く『ベビーパッケージ』など妊婦へのアプローチに力を入れ、効果をあげている。火事がおきてからじゃ遅い。虐待の予防につながる施策を打つ必要があると思う」など行政への要望も出された。
根本原因の解消と、予防にこそ人と予算を
視察したあらき由美子団長は、


「児童相談所の体制強化も大切だが、やはり対処では限界がある。根本問題の解消と虐待予防にこそ力を入れる必要がある。欧米や他都市の取り組みなども参考にして、本当の子育て応援の市政に切替えていくために力を尽す」と述べた。


児童相談所とは
児童福祉法に基づいて設置された施設で、18歳未満の子どもに関する様々な相談に応じています。横浜市には、方面別に4つの児童相談所がおかれています。視察した中央児童相談所は、他の児童相談所を支援し、連携調整を行うなど中心的役割を担う施設です。
主な業務内容は、専門家による子育て等の相談の他、児童と家庭の調査並びに判定、判定に基づく指導、及び児童の一時保護を行っています。


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横浜市会議員〈港南区〉

三輪 智恵美

みわ ちえみ

三輪智恵美

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