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コロナが収束して、カジノIRも国際博覧会も、やれますー市長答弁

 本日、横浜市会で、コロナ対策の第二次補正予算案に対して、質問をしました。


 コロナ禍によって経済的医療崩壊が起こりそうな状況に対応することや、子どもたちの学びや、心身のケアを実施できる人員配置をする補正予算とするために、状況の変化等を踏まえたて、IRや劇場整備など抜本的に予算を見直すことが必要だと市長に質問。


また、3密回避などコロナ後の社会の姿が問われているとき、横浜が招致しようとしている国際博覧会が、入場者規模を1,500万人以上に想定したままでいいのかを問いました。


 しかもIRカジノの推進にあたっては、コロナの影響を受けて市民説明会が中断されているにもかかわらず、8月にはカジノ事業者を募集するスケジュールを変えようとしていません。横浜市の第三者機関である「IRの事業者選定のための選定委員会」も立ち上がっていないこと、横浜へのカジノ参入が最有力ともいわれていたラスベガスサンズが、コロナ禍の中で日本からの撤退等の情勢から、コロナ対応のためという大義名分が立つわけなので、これまでの市長の態度を変更するチャンスではないかと、問いました。


市長はコロナは必ず収束する、IRも花博もやれます!と自信満々でした。


これからの社会は、WITH コロナではないのですか?


 


質問の全文は以下です。


1、市第25号議案「令和2年度横浜市一般会計補正予算」について伺います。


私たち日本共産党横浜市会議員団はこの間、新型コロナウイルス感染による影響を受けている市内の小規模・中小企業、介護の現場、医療関係者からの声を伺ってきました。その中で、改めて、このままでは、横浜の街そのものが壊れてしまうのではないかという危機感を持ち、市長に3回にわたって申し入れを行ってきました。


特に、6月4日の申し入れでは、国が地方創生臨時交付金を2兆円積み増しした第二次補正予算が示した中で、横浜市の第二次補正予算編成にあたっては、コロナ禍で苦しんでいる中小企業や医療・福祉分野の支援、再開される学校支援などに即効性と実効性をもつ必要があると強調しました。また、求められている施策を実行するには、国の交付金だけでは賄えないことが見込まれることから、市民が望んでいないIRカジノの推進、新劇場整備、クルーズ船受け入れなど不要不急事業を盛り込んだ2020年度本予算の組み換えを行い、財源を補てんするしかないと主張しました。


ところが、市の第二次補正予算案は第一次補正予算と同様に国の予算の範囲内にほぼ留まっています。


独自財源は第一次10億円、第二次は13億円の捻出では思い切った手が打てないのも当然です。


住民の福祉の向上を使命とする地方自治体として、コロナ禍で未曾有の厳しい状況に置かれている市民のために必要な施策を実行するものとなっていないのではないでしょうか、どうか伺います。


2、まず医療について伺います。


感染流行の「第2波」・「第3波」に備えるためにも医療崩壊を起こさないための医療機関への財政的な支援が緊急に必要です。神奈川県病院協会は、「このままの状況では病院経営が立ち行かなくなり、経済的な原因での医療崩壊の危険性が高まっている。医療体制支援の交付金拡充はあったものの、減収補填については盛り込まれず、『大きな穴』が開いたままである」として、「コロナウイルス感染症受け入れの有無にかかわらず、患者本人の負担を据え置きつつ、入院基本料、初・再診料及び外来診療料について、一定期間2倍程度にするなど、大幅な増額を強く要望する」としています。


6月5日に報告された、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人会の3団体によって行われた緊急調査で明らかになったのは、有効回答があった全病院で、昨年の4月と比べて赤字となったのは、新型コロナ患者を受け入れた病院でも受け入れていない病院いずれも20%以上増えていることです。利益率でみると新型コロナ患者を受け入れた病院は前年度1180万円の黒字から9617万円の赤字へと1億円を超えるマイナスとなっています。


国の第二次補正は、減収補填が無くこれら医療関係者からの声に全く応えるものとなっていません。このままでは、地域医療の崩壊も時間の問題という状況ではないでしょうか。


コロナ禍で市民が医療機関への受診を控え、多くの医療機関が大幅な減収に見舞われ、地域医療体制を維持できないまでの困窮に曝されているという認識を市長はお持ちなのでしょうか、どうか伺います。


3、新型コロナに対応し、最前線で懸命に働いた医療現場が打撃を受け、経営難となるような今の医療制度、診療報酬制度自体が問題です。命がけで取り組んでいる医療機関も医療労働者も守れるものとなっていません。市民の安心できるくらしを守っていくためにも、ありったけの知恵を絞って医療機関も医療労働者も守るという決意が市長にはあるのでしょうか、伺います。


4、今回の横浜市の補正では、国の「新型コロナウイルス感染症病床確保協力金事業」へ市としての上乗せをするもので、感染症患者の受け入れ医療機関への支援とはなっていますが、他の医療機関への支援は何もありません。


東京都杉並区では、平時収入の平均との差額相当を概算で支払い、事業終了後に精算を行う「入院・外来医療体制強化事業」を行い、地域医療の崩壊を防ぐための補助制度を創設しています。


医療体制の安心が確保できてこその市民生活であり経済活動です。感染流行の「第2波」に備えるためにも、市民が安心して生活できる医療環境を維持できるよう、市としてもさらに財政出動すべきではありませんか。併せて、コロナに対応すれば経営が悪化するという脆弱な医療制度の改善を国にも強く求めるべきと考えますがどうか伺います。


5、次に発熱外来、PCR検査について伺います。


政府の諮問委員である小林慶一郎東京財団政策研究所主幹やノーベル医学・生理学賞を受賞した山仲伸弥京都大学教授など政財界や医療、スポーツなどの関係者110人が賛同して出された緊急提言には、「外出の自粛や企業の休業を繰り返すような受け身の対応を避け、経済・社会活動の回復と両立する『積極的な感染防止戦略』を明確に示す必要がある」として、「今年の11月までにPCR検査の能力を1日当たり20万件に強化すべき」としています。横浜市が強化するとしているPCR検査体制は、最大一日当たり1,100件の予定です。しかしこの提言からすれば、横浜市では今の計画の約6倍である一日6,000件の検査ということになります。全く足りません。


予算案にある「診療所等受診体制整備事業」では、市内で200か所の市民に身近な診療所でPCR検査が実施できるように、医療機関で必要な院内動線の区分けなど十分に院内感染防止ができる施設整備に係る費用を助成するものですが、診療所は施設ごとに違いがあり、上限100万円では足りません。また、小さな診療所では工事をするスペースはないけれど、午前午後に診療を分ければ受けることができるが、そのための人件費は出ないので持ち出しになってしまうなど県費に頼るだけでは十分に対応できません。その不足分は横浜市として上乗せで補助すべきです。保健所機能の強化や市立病院での取り組みも市として増やすべきです。圧倒的な数の検体採取所やPCR検査を、有識者の提言に沿って、必要とする市民がすみやかに受診できる体制を構築し、感染流行の「第2波」に備えるべきと考えますが、どうか伺います。


6、この間、発熱を覚える市民からの発熱外来の問い合わせが多数、私たちにも寄せられてきました。かかりつけ医などで断られて困り果てている市民の苦悩が広がっていることを市長は認識されているのでしょうか。そこで、市として市民の不安や苦しみに寄り添っていくためにも発熱患者の受け入れは、かかりつけ医などができないときに最終的には横浜市立の3病院と市大2病院が受け止めることができるよう、一般財源で必要な財政措置をとって、公的病院の役割を果たすべきと考えますがどうか伺います。


7、次に教育について伺います。


 学校が再開されました。新一年生を始めとしてこどもたちの不安やストレスは大変なものだと思います。何よりもまず、学校が安心の学びの場となるための取り組みが必要です。世の中では、新しい生活様式、3密を避けるなどの取組があらゆる場面で行われています。しかし、何故かどう見ても、学校は3密をさける身体的距離が取られていなのではないでしょうか、どうか伺います。


8、3か月間授業が受けられず、学校から切り離されたこどもたちにとって学習の遅れと学力格差は深刻です。小学校1年生で見ると港南区では身体的距離が取れる20人程度のクラス編成となっているのは21校中わずか4校です。学校によっては34人、35人のクラスも。港北区では24校中1校もありません。先生方からは「分散学級で子どもの表情がよく見えた」「詰め込み授業で学校が嫌いにならないか」との声が出されています。ですから一人ひとりの学習状況やストレスにも寄り添える環境をつくっていくことが必要です。


20人程度で身体的距離も確保しての授業ができるようにするのが今日的な国の責務です。しかし、国がしないからと言ってあきらめていいわけがありません。こどもに直接責任を負う本市として、非常勤講師を各校1名の加配にとどまることなく、さらなる増員は不可欠であると思いますが、どうか伺います。


9、学ぶ場を安全にと全教職員上げての消毒作業が行われている学校があると伺っています。感染拡大防止対策は当然ですが、教員が子どもたちへの教育活動に全力を傾けることができるように、消毒作業などの負担が過度にかからない取組が必要ではないでしょうか。今回の人員配置でそれは可能ですか。不足するようであれば業務委託を含め特別態勢をとるべきだと考えますがいかがでしょうか。


10、また、毎日3密が避けられない状況ですから教職員全員が感染防止の研修を受けられるようにし、学校関係者が希望する場合には、PCR検査・抗体検査などを、受けられるようにするべきと考えますがどうか伺います。


11、学校再開の不安を払拭できない多くの保護者がいる現実を踏まえ、非登校の選択権を認め明示し、こどもの学ぶ権利を保障するオンラインなど特別の手立てを講じるべきと考えますがどうか伺います。


12、 次は、介護事業者支援についてです。介護事業所は小さい事業所が多く、感染を恐れての利用者の減少や感染症対策のためのこれまでにない財政的負担や休止要請で、事業継続そのものがひっ迫し危機的状況にあります。横浜市は介護サービス事業所がどのような状況となっているのかつかんでいるのでしょうか。


13、市は、収入が減少した介護サービス事業者に、利用率の減少や事業規模に応じての支援金を交付するとしています。事業継続への支援であるならば、基本報酬が低く通常から運営が厳しい介護事業所へは本来減少分の補填が必要です。コロナ対応で経営状況が悪化している介護事業所へ、昨年同時期実績の概算払いを認めるよう国に働きかけるべきではないでしょうか、伺います。


14、次に小規模事業者対策です。市内中小・小規模事業者のコロナ感染症による影響被害は深刻です。横浜市が行った第一次補正での取り組みでは、商店街への一時金交付は1店舗10万円で計算されますが、対象とした横浜市内300の商店街の加盟商店13,000軒に対して、22日現在の申請は72商店街で加盟店数は2,497、わずか20%足らずです。また、50万円以上500万円以下の融資を受けた小規模事業者等への10万円の一時金交付については、申請されたのは70社です。直近データによれば、横浜市の小規模事業者は59,844ですから、市のこれまでの取組の対象事業者はあまりに少なく、多くの小規模事業者には何も届いていないに等しいのではないでしょうか。


これでは救うことができません。「新しい生活様式」に対応するための経費の補助も必要ですが、6万の全業種の小規模事業者に、まず生き延びて事業継続していただくために、


川崎市のように「1か月あたりの事業収入の減少が


前年比で30%以上50%未満の期間が1か月以上認められるもの」に対して用途を限定せず、市としての支援を行うべきです。どうか伺います。


15、合わせて、国の家賃補助に上乗せしての支援を行い、街を支える中小企業・小規模事業者を守るべきと考えますがどうか伺います。


16、今まで述べていた欠かすことのできないこれらの必要な施策を進めるには財源を捻出する取組が求められます。


ところが、市長は、IRカジノの推進にあたっては、コロナの影響を受けて市民説明会が中断されているにもかかわらず、8月にはカジノ事業者を募集するスケジュールを変えようとしていません。「実施方針」「募集要項」の案を審議する横浜市の第三者機関である「IRの事業者選定のための選定委員会」設置の条例を第一回定例会の現年度で急いで通したにもかかわらず、いまだに委員会は立ち上がっていません。横浜へのカジノ参入が最有力ともいわれていたラスベガスサンズが、コロナ禍の中で日本からの撤退を決定しました。市民からはカジノではなくコロナ対策に横浜市はエネルギーを注ぐべきとの声は新聞投書にもありますが、「横浜IRの方向性(素案)」への5,071人から寄せられたパブコメへの意見にもあふれているのではありませんか。また、新たな劇場検討委員会では新たに2つの部会を立ち上げて、専門家を新たに募集して具体的な建設に向けての構想まですすめようとしています。


この事態をみれば、市長から提案された今回の補正予算は、ギリギリのところで何とか生活を成り立たせている市民に寄り添っているのか、医療福祉の現場を守り、子どもたちの学びや、心身のケアを実施できる補正予算とするために最大限の努力がなされたのか強い疑問を持たざるを得ません。


今回の補正予算編成にあたって、状況の変化等を踏まえた減額補正として3事業、13億2,200万円が計上されています。しかし、IRや劇場整備など抜本的に予算を見直すべきと考えますが、どうか伺います。


二、 次は、市第13号議案 旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会招致検討委員会条例の一部改正についてです。


1、今回の条例改正では単なる機構改革で「国際園芸博覧会招致検討委員会条例」の庶務を処理する局を改めるものですが、関係部局の組み替えを行うだけでそのまま招致を進めていくのではなく、3密回避などコロナ後の社会の姿が問われているとき、今後の国際博覧会が、入場者規模を1,500万人以上に想定したままでいいのかが問われています。1500万人を想定すれば、その規模の有料入場者を考え、その規模で事業計画を進めていくことになります。私たちは入場者数の過大見積りによるY150での失敗を改めて思い起こすべきではないでしょうか。大勢の人を世界中から集めて博覧会を行っていくという今の「基本構想案」のままでいいのかどうか、改めて市長は招致検討委員会に諮問すべきと考えますが、市長の見解を求めます。


三、最後は、 


1、市第24号議案はパシフィコノースみなとみらい21中央地区20街区MICE施設整備事業に伴うみなとみらいコンベンション施設整備事業契約の変更に関連して伺います。

 横浜国際平和会議場社長を務める中山こずゑ氏は、稼働を始めたパシフィコノースが、新型コロナウイルスの影響で大規模な催しが開催できない中、

国内最大級のMICE施設の戦略について神奈川新聞の取材で語っています。そこで、「MICE施設は新たな提案を仕掛けなければつぶれてしまう」とし、「コロナショックで状況は一変した」と率直に語っています。6月19日付の日本経済新聞は、国際見本市の様変わりを「オンラインに活路を」と報じています。ノース、展示場の将来に暗雲が垂れ込めています。

今回横浜市は20年かけて公共施設としてのパシフィコノースを手に入れるために367億円余りを支払うことになります。パシフィコノースの運営は「パシフィコ横浜」が市から運営権を20年間で90億円支払って取得し担うことになっています。コロナ禍のもと、パシフィコ横浜の既存施設もいわんやノースについても、今後いつから本格稼働できるのか、当分の間だけでなくほとんど利用される見込みがないのが現実ではないでしょうか。毎年4.5億円、20年間で90億円を支払うことは困難とならざるを得ません。そうなるとこの負担を市民が被ることになるのですが、この点について市長はどう考えておられるのか見解を伺い一回目の質問を終わります。

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横浜市会議員〈港南区〉

三輪 智恵美

みわ ちえみ

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