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障害者支援の在り方を考えることは、これからの神奈川県の社会福祉を創りあげること

津久井やまゆり園事件と指定管理者としてのかながわ共同会の問題については、議会の中でも、問題がすり替わったりして、行ったり来たりの議論がされがちです。

ましてや、これまでの議論の経緯や詳細、問題となっている視点をトータルで追われていない方には、結果として一部報道の切り貼りとなり、なかなかわからないことも多いと思います。


私の津久井やまゆり園事件について記した私のFacebookの記事について、ご自分の思いを記して、私の考えはここが間違っていると切り張りの記事をいくつも貼って、私に教えて頂いた方がいらっしゃいました。

議会でも、そうした指摘は既にありますから、(この方の)ご指摘も何を言わんとしているかは、良く分かります。



少し長くコメントを書かせて頂きますが、私は、津久井やまゆり園の職員を否定しているつもりは全くありません。お一人お一人は、日々、尊いお仕事をされていると感謝しています。


津久井やまゆり園事件は、入所者19人が殺害され、職員を含む27人が負傷したという事実から、被告人は死刑囚となり裁判は終わりました。

裁判は終わりましたが、津久井やまゆり園事件の検証は、終わっていません。

当時被告人だった植松死刑囚は、裁判の中で、津久井やまゆり園での虐待を含む行為も利用者支援の中で行われていたと証言しています。そうした利用者支援を通して、植松死刑囚は、事件に至る思想を持つようになったとも言われています。


これと前後して、検証委員会中間報告では、個室に数日間にわたって閉じ込められていた等の虐待行為が行われていたことが明らかになりました。

夜寝る前に睡眠薬を日常的に多く服用させていたのではないかということを指摘している方もいます。

指定管理者の「かながわ共同会」は、その多くの事柄について事実を認めていません。

利用者の方々からも、虐待の事実をずっと指摘されてきましたし、私も議会本会議で指摘をしましたが、県職員は、その確認すらしませんでした。

確かに今は、虐待は行われていないと思います。

でも、津久井やまゆり園事件前の実態を明らかにしないまま、その事実をなかったものとするわけにはいきません。

そして、そうした津久井やまゆり園の指定管理者をかながわ共同会に指定したのは、私たち県議会です。

私は、利用者さんに寄り添っているよう心がけていますが、この事実に蓋をしたままにすることはできません。

私たち県議会が、指定管理者として指定した結果として、植松死刑囚が裁判で述べているようなことがあったとすれば、

やまゆり園事件が起きた要因の一つに私たち議会も関わっているからです。

それは、黒岩知事も県職員も例外ではありません。

おっしゃるように「なじみの関係」は大切です。一方で、なじみの関係ゆえの不幸な環境をつくることを再び許してはいけません。

それが、私たち県民の代表として議会に送り込まれたものの使命であると考えます。


今回中止となった私の予算委員会のテレビ放送上映会にも、多くの障害当事者が参加してくれると表明して頂いていました。

その事実が、今の津久井やまゆり園の指定管理者をそのままにさせておくべきか否か、ということについて、正しくご認識されたうえで、私に賛同されている方も少なからずいると考えています。


障害者支援の在り方を考えることは、もしかしたら、関心のない方の方が多いかもしれません。

でも考えて頂きたい。人生100年時代、確率的には、今を生きる私たちの多くは障害者となります。津久井やまゆり園の指定管理者と今後の在り方をしっかりと議論することなしに、これからの神奈川県の社会福祉を創りあげることはできません。

私が津久井やまゆり園の指定管理者の在り方にこだわる理由の第一は、利用者さんの幸せと亡くなった犠牲者の方々に対する責任ですが、これからの社会福祉を考えるなかでは避けて通れないものである思うからです。



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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

さとう ともかず

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