【お知らせ】衆議院議員の情報は解散前(2024年10月9日)のものです

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国会リポート 第258号より

円の対ドルレートが92~3円を付け、株価は1万1千数百円台で推移しています。

円安を受け、輸出企業を中心に業績見通しの上方修正をしている企業が出始めました。日産自動車はこのレートが1年続けば500億円の利益が加算されると発表しました。トヨタはその何倍かになるはずです。

株価が2千円上がると日本の企業はいくら含み益が増えるかを試算させたところ、事業会社で21兆円、金融機関で17兆円ということでした。つまり日本の企業はここ1~2ヶ月で40兆円近い体力の増強が図られたということになります。しかしここまででは株を大量に保有している人は別として、サラリーマンには無縁な話と映ります。

そこで安倍総理自ら経済3団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)の長に呼び掛け、デフレ脱却の為の対話を開催しました。政府側も産業活動を妨げているいわゆる六重苦に対して取り組むべき点...は精力的に取り組むので、企業側も一時金等、出来るところから従業員への還元措置を要請しました。もちろん賃金交渉自体は労使の交渉に委ねられるべきものであり、政府がいたずらに介入するものではありませんが、出来る部分からという要請はあって然るべきものと思います。

経済同友会の長谷川代表幹事は直ちに正副会長会議でその旨を要請していただきました。これに先駆け10日程前、ローソンの新浪社長と会食をした際、「先行して我が社がやります。」と言っていただいたことはいいガイドラインとなりました。

アベノミクスの3本の矢、大胆な金融政策は効果を発揮しつつあり、機動的財政政策は補正予算が参議院の審議に入っています。3本目の矢の成長戦略はようやく緒に就きました。

1回目の産業競争力会議で指摘された課題は、その親会たる日本経済再生本部にて総理から関係閣僚に直ちに10項目の指示として解決が命ぜられました。各閣僚は受け取った総理からの宿題を誰が一番早く回答出来るかの競争になります。

2回目の産業競争力会議では、農業問題がテーマの一つになります。日本の農業は弱さばかりが強調されますが、攻める要素も多々持っています。高品質と高味覚、高い安全性、高級品志向のニッチマーケットには強力な競争力を発揮するはずです。
私が聴取しているだけでも幾多のアイディアが提案されています。国際空港と近隣青果市場を結び、青果市場に検疫機能も持たせ、外国人バイヤーにセリ師の資格を与え、青果市場をいわば青果物国際見本市会場にしてしまう。

その環境整備として、農産物輸出戦略の通商交渉の一丁目一番地に輸出相手国の検疫障害を取り払う。そして農家には企業経営感覚を持ってもらう。まるで熟練職人が匠の技を駆使するような物作り感覚とITを導入して経営管理や経営戦略を行う中小企業経営者としての意識を持つ。農協は農産物の専門商社としてあらゆる戦略を展開し、農家とコラボレーションを図っていく。匠の技を駆使し、高安全・高品質・高味覚の農産物が品質で勝って、商売で負ける姿は日本の産業界を見ているようです。

成長戦略は、技術で勝るものは商売でも勝つという道筋を作ることです。
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衆議院議員〈比例代表 南関東ブロック〉

甘利 明

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