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国会リポート vol.370(2018年12月11日)

 出入国管理法が12月8日未明(午前4時)にようやく成立致しました。参議院で山下法務大臣の問責決議が否決されるや、夜半にかけて安倍総理大臣の問責決議を野党が提出し、それが否決される運びになると、今度は衆議院での安倍内閣不信任決議案の提出の構えを見せ始めました。そのおかげで我々衆議院議員は23時50分に招集をかけられ、参議院の動向を受けて立つために午前1時以降、内閣不信任案が出た場合の審議に備えて、日をまたぐための国会開催の延会手続きが取られることになりました。


 そのための本会議を開催すると、夜中であるにもかかわらず、自公はほぼ全員出席。維新や共産党も空席は少ないにもかかわらず、当事者の立憲民主や国民民主の後ろの方の席はスカスカ。選挙区に帰ってしまっているのでしょうか。拳を振り上げておきながら、それを実行するための党内統制も取れない。これが野党内の当事者の姿だということをテレビカメラでしっかり報じてもらいたいものです。それをあえてしないので、テレビの報道番組が政治的意思を持った偏向報道と疑われるゆえんです。その点、ネットは両方の立場からの意見表示がなされ、自身で客観的な判断ができます。過激な意見はあるにせよ、お仕着せ報道一色の一部テレビ・新聞から次第にネットに視聴者が移行しているのも頷けます。


  今までの外国人労働者の位置づけはあくまでも技術を習得し、熟練者になって帰国し、母国の発展の礎になる。その研修の実用訓練の一環としての就業が位置づけられていました。今度は就労と正面から向き合い、純粋労働者として企業側が受け入れるというものです。従来も労働基準法の下における労働でありましたが、技術研修として受け入れた企業内での実習労働であったために、一部不埒な事業者がいて労働基準法違反の扱いをしていたことは反省をしなければなりません。


 アベノミクスの成果で雇用は完全に回復しました。「仕事が足りない」から「人手が足りない」に転換をしました。仕事があるのに、人手が足りず倒産という事態も危惧されています。雇用が確保された次の課題は、まだ不十分と言われる賃金の上昇です。


 さて、来年度の各種税制を決定する自民党税制調査会が決着を迎えます。最大の課題は来年10月1日の消費税引き上げ後に前回の様な景気失速に日本経済を陥らせないことです。「消費税を上げる前よりも上げた後の方が実はお得かもしれませんよ。」感を醸し出すことです。柱は住宅と自動車です。住宅は10年間のローン減税期間を13年に延ばし、延ばした3年で消費税増税2%分を吸収する策です。自動車は自動車取得税の廃止と入れ替わりに新自動車取得税とも言われる環境性能に応じた負担が組み入れられ、そのままでは自動車取得税は事実上存続したままとなります。そこで、新取得税(環境性能割)分の1,320億円を保有時にかかる自動車税から減税するという案です。加えて消費増税の平準化策として引き上げ後の一年間環境性能割課税は1%軽減されます。特筆すべきは、地方税である自動車税を引き下げるために自動車重量税や揮発油税の国の配分割合を減らして地方の配分割合を増やし、地方税収入に一切減収を与えない措置だということです。一切前例としないという約束の元に史上初めて取られた措置は関係者が納得する結論となりました。

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衆議院議員〈比例代表 南関東ブロック〉

甘利 明

あまり あきら

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