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津久井やまゆり園と指定管理者(かながわ共同会)について

知事は12月5日の県議会本会議で、入所者19人が殺害された県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の運営法人見直しの方針を表明されました。(現在の指定管理期間を短縮した上で、両施設の指定管理者を新たに公募する方針を示しました=指定管理者・運営法人を引き続き共同会とする従来の方針を撤回)

併せて、黒岩祐治知事は12月16日の定例会見で、同園を運営する社会福祉法人「かながわ共同会」の支援実態を検証する場を早期に立ち上げる考えを明らかにしました。


この決断については、「やまゆり園指定管理者見直し、知事判断に県議会から異論(神奈川新聞)」となり、本日も、休会中審査として、厚生常任委員会が開会されています。


私は、これまでも県議会において、津久井やまゆり園について何度も取り上げて参りました。直近では、(先ほど閉会した)令和元年度第3回定例会においても、本会議一般質問に対する知事への質問(2019年9月18日)、決算特別委員会(2019年10月29日/津久井やまゆり園と指定管理者(かながわ共同会)についての質問)の場で、取り上げております。


私の質問が直接的であるか、間接的であるかは不明ですが、黒岩知事からは「(決断をするにあたって)背中を押された」旨、(非公式ではありますが)言葉を頂きました。


これまでの質問を通じて、表明して参りましたが、やまゆり園の指定管理者の差し替え方針については、黒岩知事の決断を一定評価しています。公表時期については、異例なことでありましたが、私は黒岩知事は疑念の払しょくに努めて頂きたいと考えています。


一方、本日は、閉会中審査として、県議会の厚生常任委員会が開会されています。引き続き、しっかりと対応して参ります。



PDF: 津久井やまゆり園指定管理者の見直しに関わる知事発言_R01.12.05


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20190918 県議会一般質問 【さとう読み原稿 津久井やまゆり園 質問部分】


次に 津久井やまゆり園について お伺いします。

今年 7 月 28 日に行われた 津久井やまゆり園事件を考え続ける対話集会の中で、事件当時も津久井やまゆり園の利用者であった 平野和己(かずき)さんのお母さまから当該利用者さんの園での記録が示されました。

2014 年に入園した翌月となる 2014 年 7 月、そして、事件のあった 2016 年 7 月の活動記録であります。

これは、当該利用者のご家族が、園から取り寄せた活動状況の記録です。

少々驚くのは、園の外に出てのお散歩などの活動量の少なさです。2014 年 7 月のこの方の記録では、散歩は 3 回、一回当たり、一時間程度のものであります。2016 年 7 月においては、園として、外出を伴う散歩の記録はありません。同じ月の 2016年 7 月のドライブは、25 回でありました。


ドライブは、マイクロバスに多くの利用者さんを同乗させて、一時間程度外を廻って、園に帰るというもので、散歩などの運動はしない傾向にあるとのことです。この日程を示された当該のご家族の方は、「一日のほとんどを部屋で過ごし、体力プログラムもなく、利用者さんの体力はどんどん弱っていきます。」と述べています。利用者さん個人の行動プログラムは、異なるのでしょうが、利用者さんの体力を考えた日中支援となっていると言えるのでしょうか。

障害者支援施設は、日中の支援は生活介護、夜間の支援は施設入所支援として区別されており、必要な支援を行った場合に介護給付費として報酬が支払われます。

日中支援を行う生活介護では、必要となるリハビリや創作活動を行うほか、本人の希望に応じて散歩やドライブ等の余暇活動を行い、その報酬は介護給付費として国の定める基準で施設に支払われます。

介護給付費は、散歩やドライブ等、余暇支援の内容により、その額が変わるものではありません。昨年9月の我が団の相原議員の代表質問への知事答弁では、「障害福祉サービスに従事する人材の育成に関して」知事の御所見を開陳して頂きました。

「施設職員一人一人に対しても、障害当事者やその家族の視点に立った支援の重要性について伝える」とのことでありました。

検証報告書では、「かながわ共同会の人材育成や人権教育に不足があったため、この事件が発生したとするのは適切ではないと考えられる」としていますが、これを100%受け入れてよいのか、との指摘もあります。

神奈川県に在住の浅野史郎神奈川大学教授をはじめ、当事者も含め、福祉にかかわる少なくない関係者の皆様から、「やまゆり園は、事件前と現在も全く変わっていない」との発言が、今もあります。


(質問)

そこで、知事にお伺いします。津久井やまゆり園の再生に向けた取組をしていく中において、津久井やまゆり園事件以前とそれ以降、指定管理者である「かながわ共同会」による施設運営は、適切であったのか、県と指定管理者との情報共有に課題はないか、知事の所見を伺います。


(再質問)

議長。御答弁有難うございます。一点、再質問をします。現状、指定管理者は一者のみが手を挙げる状況です。

早めに募集要項を作成したり、県外も含めて、広く募集し、複数、指定管理者に手を挙げる環境を作るべきと考えますが、いかがでしょうか。


=コメント 2 回目=

御答弁有難うございます。意見を述べます。

私自身も障害をもつ家族と共に育ち、障害者福祉と福祉の地域移行は、私が政治を目指す原点でもあります。

令和元年第二回定例会においての代表質問で、我が会派の楠議員が、横浜市栄区にある社会福祉法人 訪問の家「朋」(とも)を取り上げました。日浦美智江先生が創設した、日本で最初の重度障害者の通所施設です。

まさに地域に溶け込んだ重度障害者支援施設は、ここ神奈川県から始まりました。津久井やまゆり園については、課題が多いと思います。神奈川県の歴史に恥じない施設として頂きたいと思います。

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

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