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昨日の国際文化観光スポーツ常任委員会 意見発表(委員会討論)

昨日、常任委員会採決が行われました。私も会派 県政会として、委員会意見発表を行いました。本日は、事務作業他、散髪をしてすこしばかりゆっくりと過ごしています。


=意見発表原稿=

2019年12月13日‐ 国際文化観光スポーツ常任委員会 さとう知一


県政会 さとう知一です。県政会議員団として、今定例会、国際文化観光スポーツ常任委員会に付託された議案について、賛成の立場から意見要望を申し上げます。

はじめに、報告資料「神奈川県人口ビジョン 改訂(素案)」及び「第2期神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)」については、観光の振興 として、観光資源の発掘・磨き上げ、戦略的プロモーションの推進、受入環境の整備 の3点、他にマグカルの推進、誰もが生涯にわたりスポーツに親しめる社会の実現、外国人が活躍できる地域社会づくり等、本委員会の所管事項についても記されています。広く県民の意見に耳を傾けて、策定作業を進めて頂きたいと要望します。


国際文化観光局の関係であります。

浮世絵カフェについてでありますが、これまでも、所管常任委員会である当委員会などにおいて、本県のインバウンド戦略は、ニーズの掘り起こし手法も含めて、極めてステレオタイプ的であると指摘をして参りました。黒岩知事の目指すマグネットカルチャーを活用したインバウンド戦略を考えた場合、改善の余地があるのではないかと強く感じています。


ゆとりと快適性を追求する「スペース1・3」という考え方があります。


私は、横浜スタジアムや神宮球場に野球観戦に出かけますが、隣に男性が座ると非常にきゅうくつに感じます。これは、演劇やコンサートに足を運んでも、同じで、両隣に座られると非常にきゅうくつに感じます。

「スペース1・3」というのは、そうしたスペースを広げて、生活にゆとりと快適性を追求しようとする考え方です。


浮世絵カフェについては、入場料3000円、3歳以上15歳以下は1500円です。鑑賞には、他に飲食を最低ワンオーダーする必要がありますし、夜に二公演の入れ替え制につき、食事の時間の制限もあります。近年では、映画館でも1400円程度で、映画を楽しめる時代ですから、担当局長の御答弁にもありましたが、ご認識の通り、決して安い価格設定ではありません。


私が浮世絵カフェを鑑賞した時の感想は、食事、松花堂弁当は2500円と少し高めの値段設定であっても、非常に美味しく、満足度の高いものであった一方、椅子や机は白い布をかぶせて、ごまかしている印象をぬぐえませんでしたし、メニューや番号札は、手作り感にあふれ、高級感はあまり感じられませんでした。

椅子に座って食事をしても、そこにゆとりと快適性を感じることはできませんでした。もし、会場が、本県が誇る歴史的建造物であったなら、簡易な椅子や机であっても、所謂、富裕層の外国人観光客にとっては、満足度の高いものとなったかもしれません。しかし現状は、利用者数が示す通り、そのようにはなっていませんし、リピーターが増えるような要素も、残念ながら見当たりません。


私は、これからの本県の観光振興を考えるにあたっては、富裕層をターゲットとするにしても、ゆとりと快適性の追求なくしては、取り込めないと考えますし、これまでの外国人に対するステレオタイプ的なアプローチからの脱却が、不可欠であると考えています。質問でも指摘した通り、この浮世絵カフェの営業において、足りないのはプロモーションではなくて、マーケティングであると考えています。


浮世絵カフェについては、ハラール対応などインバウンド客を具体にイメージできるような見直しも含め、抜本的な見直しも含めてご検討されますよう、要望します。県民の税金が投じられているとの認識を決して、お忘れにならないよう強く要望します。


次に スポーツ局関係についてであります。

まずは、ラグビーワールドカップは、開催前までの心配を覆し、日本代表がベスト8進出と大躍進したこと等もあり、空前のラグビーブーム、結果として、日本中にラグビー旋風を巻き起こしました。まさにこれ以上ない、大成功と言っていい結果を残しました。本県の職員の皆様の頑張りなくして、この成功はありませんでした。

一方、今回、浮き彫りとなった課題をしっかりと認識し、来年の東京オリンピックパラリンピック開催に備えて頂きたいと要望します。


次に 東京2020オリンピック開催に向けて、イスラム教等の習慣、風習や戒律、ハラールフードと呼ばれる、ムスリムにも食べられる料理への対応についてであります。多様な宗教を持つ選手の方々の利用が想定される、大磯プリンスホテルに予定している選手村分村については、運用面など、課題もあると承知しております。


例えば、イスラム教が主な宗教となっている中東を始めとする諸国では、女性アスリートにおいてのヒジャブの着用は一般的ですが、過日も、あるスポーツのオリンピック予選においても、ヒジャブを着用した女性アスリートが競技を行っております。


近年では、西アジア・中東アラブ諸国のセーリングが注目されています。アラブ首長国連合、オマーン、カタール、バーレーンといった国ではセーリングの国際大会が頻繁に開催されるようになったとの報道もあります。サウジアラビアのような女性スポーツそのものを禁止している国以外、例えば、オマーンでは、女性のためのセーリングスクールが開講し、アスリートの育成をしているとも仄聞しています。セーリングにおいて、イスラム諸国が、女子オリンピック代表選手を本県に送り出して頂けるかは、承知しておりませんが、食や環境を理由に大磯の選手村分村を選ばない。ということのないようにして頂きたいと要望します。


ムスリム(イスラム教徒)向けの「ハラール」対応も、近年よく耳にするようになってきました。ハラールとは、イスラム法上で食べることが許されている食材や料理のことを指しますが、大磯に設置される選手村分村などにおいて、イスラム教徒のハラール、ユダヤ教徒のコーシャといった宗教食の他、ベジタリアンへの対応などについて、必要性のご検討を要望します。


また、ムスリムの女性は、家族以外の男性に髪の毛を見せることが、禁じられていることに配慮し、男性の目に触れないような空間を用意して女性スタッフのみで施術を完了させる美容室などの必要性も昨今言われています。オリンピックパラリンピックの成功に向け、本県としても、国際文化観光局とスポーツ局がしっかりと連携をとりつつ、取り組んで頂けますよう強く要望します。


併せて、来年の東京オリンピックパラリンピック開催に関わるグッズの作成について、でありますが、報告資料にて示された「本県が配布する記念グッズ」デュアルエンブレムバッジにある「Kanagawa pref」の記載には、ピリオドが付されてしかるべしと思います。省略を意味するピリオドは、特に英語圏の方は、かなり気にされると仄聞しています。組織委員会に確認して頂きたいと併せて要望します。


以上、申し述べ、本委員会に付託されている諸議案に賛成することを表明して、県政会県議団としての意見発表といたします。


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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

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