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やまゆり園指定管理者「かながわ共同会」の問題は 地域生活移行を見据えたサービス提供とはなっていないこと

厚生省障害福祉課長(当時)を務め、GHを推進してきた元宮城県知事の浅野史郎神奈川大学教授: 「人手が少なく、暴れると困るからといって、入所者に強い睡眠薬を飲ませるような仕事では、職員も嫌になる。だから植松聖被告は、『障害者は生きている価値がなく見えた』と言った。施設運営者はそのことに気付くべき」


今のやまゆり園指定管理者の「かながわ共同会」の一番の問題は、地域生活移行を見据えたサービス提供とはなっていないことだとさとう知一は考えています。

この一点をもってしても、黒岩知事の言われる指定管理者見直しには、賛成をしています。



津久井やまゆり園指定管理者の募集要項には、(重度障害者であっても)「グループホーム等への地域生活移行」に取組むことが明記されていますから、任意ではなく、責務です。


私が本会議も含めて、議会で何度も取り上げている日中支援をしているように見せかけるための「監禁ドライブ」、数か月間、散歩させない日中支援の在り方、家族や県の職員であっても、立ち入ることをさせない生活の場(寮内)、といった運用をあの凄惨な津久井やまゆり園事件以降も、指定管理者である津久井やまゆり園は、これまで継続していました。


12月5日に黒岩知事が議場で発した「車いすでの拘束」については『一昨年4月に共同会として拘束ゼロを達成した』とのことでありましたが、実は、その後も継続して拘束は行われていました。


1月10日の検証委員会では、やまゆり園では、令和元年度、入所者25人に対し「居室に外部から施錠」「車いす固定」「指が動かせない手袋を付ける」等の身体拘束、居室施錠を24時間近く、数日間続ける事例が報告されました。

今後は、入所者に過剰な投薬がなかったかなどを調べるとのことでありました。


慶応義塾大学の中島隆信教授は、やまゆり園のような収容型・隔離型の大きな施設は、社会との接点の少ないソーシャル・デス(社会的死)の状態を生みやすいと指摘をしています。


私は、かながわ共同会は、いわゆる昭和の隔離型サービスを継続してきたことを反省するべきだし、そうしたことの積み重ねが、あの事件以降も実は、重度障害者を長期拘束、監禁をしていたことにもつながっていると考えています。

津久井やまゆり園事件の容疑者が、こうした重度障害者に対して、容易に拘束や長期間にわたる監禁を許す職場環境に身を置いて、そういった思想を持つに至ったことは否定できません。


そして、県の所管局も責任を重く感じなければなりません。

津久井やまゆり園、その後の芹が谷園舎(芹が谷やまゆり園)において、多くのユニット寮に家族や職員が、入室して様子をうかがうことも許されないというのは、おかしいと何度言っても、県職員は、(毎日園を訪問しているにもかかわらず)中をのぞくことすらしてきませんでした。

重度障害者であっても、地域移行を見据えたプログラムを作成し、取組んでいくとすれば、むしろ、積極的に外部に対して、窓を開け放つことをしていくべきであります。


議会では、引き続き、この問題と真正面から取り組んで参ります。


【写真】: 新版 障害者の経済学 中島隆信著/読みやすくておすすめ。私もあっという間に読み終えました。もう一度読みます


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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

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