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8月15日 終戦記念日 映画「ひろしま」をみる

シネマリンで舞台あいさつする小林開さん

 何故この映画ができたのか。


 原爆のことが風化しかねない世論の中で、長田新編集の被爆した子どもたちの作文集「原爆の子」がベストセラーとなり、1952年に同名の映画が新藤兼人監督で製作された。


 ところが、作文集の編集者である長田氏も、作文の作者である被爆した子どもたちも、その映画は「私たちの感じた原爆ではない」との感想を持ったという。


 そこで、全国の教師たちがひとり50円を出し合い、本で描かれたとおりの映画を作ろうということになった。また、当時の広島市長の掛け声により、約9万人の人々が出演した。映画を配給する松竹は、全国の映画館で上映するに当たり、3つのシーンのカットを要求したと話された。


 映画冒頭のエノラゲイのパイロットのモノローグシーン、登場人物みち子の友達が、「ドイツに原発が落とされなかったのは、日本人が有色人種だから」と語るシーン、子どもたちが被爆者の骨をみやげとして売るシーンだ。


 しかし、これはカットするわけにはいかないと、映画の製作側が要求を拒否したことで、全国上映がなくなったということだ。


 さて、映画「ひろしま」については、NHKが映画の放映も行い、番組としても取り上げている。


【被爆者たちが出演】上映中止にされた超大作映画『ひろしま』とは【ETV特集×NHK1.5ch】である。


 その中で、2017年、核兵器禁止条約の採択に向けて被爆者として国連で演説し、ノーベル平和賞受賞式典で講演を行ったサーロー節子さんは「人間の角度から、核兵器廃絶を考えるには、これ以上の教材はない」「ぜひ世界中にお見せしましょうよ」と語り、オリバーストーン監督は「世界中の人に見てほしい映画だ」と語ったことを伝えた。実際現在映画は世界中で上映されている。


 番組には、アメリカ・ハリウッドに拠点を置くメディア会社が、フィルムをデジタル化する資金を提供し、北米での配信を決めたことを伝えているが、その大手メディア会社プロデューサーのチャールズ・タベシュさんが、「この映画を配信できることを誇りに思う」反米映画というより「反戦映画だと思う」「原爆を投下するというアメリカの決断は、アメリカ人が向き合うべき問題」「その決断を支持してもしなくても、決断がどういう結果を生んだかは知っておくべきです」と語ったことが、強く印象に残った。

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横浜市会議員〈港南区〉

三輪 智恵美

みわ ちえみ

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