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国会リポート vol.427(2021年7月29日)

 オリンピック開催前、有観客開催を模索していた政府をあれだけ非難していたマスコミが、無観客が決定した途端商売への影響を嘆く事業者を取り上げ、無観客を非難するような雰囲気を作り上げたり、試合が始まり日本選手がメダルを取るたびに、あれだけオリンピックをディスっていたマスコミが手のひら返しでエモーショナルに選手のバックグラウンドストーリーを報道したり。日本のマスコミは自分で自分を貶めていると嘆かざるを得ません。一方で新興勢力ネットメディアも暴走気味。冷静に事実関係だけを報道してくれる報道番組の必要性がより高まっていると思わずにはいられません。昔フジテレビのニュースJAPANでキャスターの滝川クリステルさんが話題になっていた時、「この番組の魅力って何なんだろう、滝川さん個人の魅力はともかく」と疑問を投げかけた際、ある女性が「見ていて疲れない、キャスターが自分の意志(往々にして番組ディレクターの意志)を視聴者に押し付けない。事実関係を淡々と伝えて、その判断は視聴者に委ねるという番組のある種の透明感が見ていて疲れない報道番組にしているから」と言われました。なるほど最近の報道番組、特にワイドショーは番組ディレクターの描いた筋書きを視聴者に押し付けようとしていると感ずる人は多いのではないでしょうか?せめてNHKの報道番組は政権を支持する人にとっても、政権に反対の側にとっても、疲れない番組にしてほしいと思います。


 それはさておきオリンピックでは驚きの連続です。新設競技のスケートボードで初代王者が男女とも日本人。女性は13歳の最年少チャンピオン。13歳って小学校卒業したばっかりですよね?水泳女子個人メドレーでは初出場初優勝。一時は競技を辞めようとした選手がコーチの激励でついに金メダル。卓球混合ダブルスは凄かったですね。2セット先行され3セット取り返し、1セット失い最終セットで圧勝。水谷選手が腹をくくった覚悟が伊藤選手に以心伝心。神懸かった力で絶対王者中国を下した。そっくりスポーツ漫画になりそうなシーンが我々政治家に覚悟の凄さを教えてくれました。柔道の阿部兄妹や二連覇した大野選手がこれ(オリンピック)を目指して耐えて頑張ってきたと聞くにつけて、声に出せなかった参加選手のオリンピックに対する思いが重く伝わって来ました。彼らの為にも後世、開かれて良かった大会にしたいと強く思いました。


 コロナに起因する社会の抑圧感や鬱積感の解消はワクチン接種が全てという思いを日々強くします。世界第二の創薬国であったはずの日本がワクチン創薬国になれなかったことは忸怩たる思いですが、輸入後の接種拡大スピードは欧米を上回っていることも事実です。8月には申請を受けている職域接種が全てスタートできるという発表もありました。菅内閣は懸命に取り組んでいるものの、その経緯が国民に伝わってこないのは説明の仕方にも問題があるのではと思います。絶対量は十分確保されているはずなのに、接種の現場で混乱が起きる。ワクチンは貴重品であり生ものですから接種体制の完備された分だけ渡すはずですが、接種体制と申告数の差異や企業接種では接種券が届いていなくても接種を推進したため、接種完了数と在庫数が正確に把握出来てない状況が発生し、在庫と接種数の正確な把握のために新規申請分を一時停止したと、極力わかり易い説明で、いつをめどに再開が出来るとのスケジュールも発表できれば良かったのにと思います。総理の必死の努力が国民に伝わらない。残念な部分もあるのではないでしょうか。アメリカの発表では10万人当たりの感染者数はワクチン接種者が未接種者の15分の1とありました。そのうえ、たとえ感染しても重症化しない。ワクチン接種率とデルタ株拡大との競争になってきました。

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衆議院議員〈比例代表 南関東ブロック〉

甘利 明

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