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スウェーデン王国・ヴェストラジョータランド県公式訪問3(11月7日)

本日は、2日目となりますが、初日は18時間かけてスウェーデン入りしたため、本日は実質的な初日となりました。昨晩は、夜中にも関わらず、在スウェーデン日本国大使館の田原光児参事官にもお出迎えにお越し頂きました。
今回の公式訪問には、現地通訳2名(一人コーディネート兼務)が帯同しますが、初日を終えて「これほど日程のしっかりした行政公式訪問や視察はない」との感想を聞きました。
Claes Grill 名誉総領事、Oskar Johansson ヴェストラジョータランド県シニアアドバイザー、Melsik Harytjunjan ヴェストラジョータランド県シニアアドバイザーの3名には、本日全ての日程に帯同して頂きました。特にMelsik Harytjunjan 県シニアアドバイザーとは、移動中のバスもずっと私の隣にお座り頂き、スウェーデンのことについて様々教えて頂きました。良き友人も出来、スウェーデンや同国ヨーテボリ市のことが1日で詳しくなった気がします。

=11月7日(火)日程=
9:30~12:00
○ヴェストラジョータランド県行政委員会プレゼンテーション
・会 場 ヴェストラジョータランド県行政委員会
・説明者 ヴェストラジョータランド県行政委員会関係者
-オスカー・ヨハンソン上級顧問、ヘンリク・フリックマン管理局長官代理
-ナルドノ・ニンプノ ユニット長
-アナ・ゲオルギェワ・ラーゲル コーディネートリーダー
-フィリッパ・アルムランド プロセスリーダー
・詳 細 9:30~10:00 歓迎セレモニー、自己紹介
 10:00~10:20 スウェーデン行政について
 10:20~11:00 ヴェストラジョータランドの環境に配慮した社会への移行について
 11:00~11:10 休憩
 11:10~11:30 気候適応について
 11:30~12:00 民間防衛について
 12:00~13:30
○ヴェストラジョータランド県知事表敬訪問・昼食会
・会 場 ヴェストラジョータランド県行政委員会
・対応者 ステン・トルグフォルス知事ほか関係者
 14:00~14:45
○ボルボグループ視察
・会 場 ボルボトラック チューべ工場
・説明者 マッツ・アーリン氏(ボルボグループ トラック戦略ディレクター)
 森みず江 氏(ボルボグループ連携オフィス ディレクター)、他
 15:00~16:30
○ボルボ博物館視察
・会 場 ボルボ博物館
・説明者 シェレン・ニエボー氏(前ボルボグループ ボルボ博物館館長)
○名誉総領事を囲む議長主催夕食会
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=視察メモ=
スウェーデンでは、国、県、市町村、それぞれの役割分担が明確。福祉と環境・女性政策の国「北欧」のイメージ通りでした。国の出先機関が警察や徴税などを行い、県は医療(歳出の9割)、市町村は教育(歳出の3割)・消防・上下水道などとなっています。ヴェストラジョータランド県議会議員は149名(神奈川県議会は定数105名)。
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スウェーデンの地方行政制度
◇ 地方制度の概要
スウェーデンにおける地方行政制度は、広域(県レベル)及び基礎自治体(市町村レベル)の2層からなる。また、広域には、ほぼ同じ区域を管轄とする、地方自治体と国の地方行政機関があり、それぞれの業務を分担している。同じ区域内で、地方自治体の行政は「県議会(ランスティング)」が、国レベルの行政は、国から任命された知事を長とする「県(レーン)」が行う。スウェーデンでは、地方議会(ランスティング)が、審議権のみならず、行政の執行権も有しており、その最高権威は議長である。スウェーデンのランスティング20のうち二つは、広域自治体の責任を高め、いくつか国の事務も行っており、リージョンと呼ばれている。ヴェストラジョータランド県議会はリージョンにあたる。また、ランスティングの中には基礎自治体(市町村)があり、「コミューン」と呼ばれる。コミューンの総数は、全国で290ある。
スウェーデンにおけるレーンの数は21、ランスティングは20となっているが、その理由は、ゴットランド島(レーン)では、コミューンがランスティングの業務も兼ねているためである。コミューン及びランスティングの決定権は、それぞれの議会によって行使され、他方、行政と執行並びに議会案件の準備は、議会に任命された執行委員会及びその他の専門委員会によっている。ランスティングとコミューンの議会議員は、4年ごとの普通選挙で選出される。

◇レーン(広域・国の地方行政機関)について
国の事務を地方レベルで遂行する機関としてレーン府がある。レーンはランスティングとその区域を同じくする国の行政区分である。レーン府はその区域内において国の事務を行うとともに、レーン内におけるランスティング及びコミューンの活動を調整する責務を負っている。レーン府の責任者は知事であり、知事は内閣により任命され、任期は6年である。通常、知事に任命されるのは、大臣等の高名な政治家や高級官僚などである。知事を補佐する組織として(レーン府)理事会、行政を実行する組織として(レーン府)行政委員会が置かれている。レーン機関の全構成員あるいは一部構成員は、ランスティング議会が任命する。
レーンの任務
・県内における法律的・行政的許認可業務
・地方自治行政に対する指揮監督
・警察業務
・租税の賦課徴収

◇ランスティング(広域・地方自治体)について
ランスティングの主要事務は医療であり、歳出の9割がこれにあたる。スウェーデン全土の医療機関のほとんどはランスティングの施設であり、国内の医師の約95%が県の公務員という身分になっている。医療以外の業務としては、専門教育や広域交通、文化活動も行っているが、全歳出の1割程度を占めるに過ぎない。なお、ランスティングの最高議決機関である議会は、普通選挙で選出され(ヴェストラジョータランド県議会議員は149名)、議長と副議長は議員間の互選で任命される。議会議員は、執行委員会の委員として行政を行うとともに、ランスティング議会としてレーン府をはじめ、国の様々なレーン機関の構成員を任命する。また、一部の国家機関の運営委員会の構成員を任命する。
ランスティングの任務
・保健、医療(公立病院の管理・運営)
・成人教育
・文化活動助成
・公共輸送

◇コミューン(市町村・基礎自治体)について
住民にもっとも近いレベルの行政として、コミューンの所管する事務事業は多岐にわたるが、最大の分野は教育である。大学以外のほとんど全ての教育はコミューンの所管であり、義務教育(小・中)や高校の運営管理費と教職員(公務員)の人件費で歳出の3割を占めている。また、様々な福祉サービスもコミューンの事務の大きなウェイトを占める。保育所や老人ホームなどの福祉施設運営や、介護の在宅サービスなどである。他にも、消防・救急、上下水道、廃棄物収集とその処理、エネルギー供給、公園の維持管理などの行政サービスはコミューンが責任を負う。
コミューンの任務
・学校教育・保育
・社会福祉・福祉ケア
・文化、レクリエーション
・消防、救急活動
・公害や病気の防止、除去
・上下水道、ごみ処理、街路清掃、電力供給 など

◇議会について
政党が作成する選挙名簿に基づき、比例選挙で選出されており、任期は4年である。現議会は、国会・地方自治体(ランスティング・コミューン)議会ともに、2010年の総選挙で選出されている。自治体議員は名誉職であり、旅費や議会への出席手当は支払われているが、給与は原則として支払われていない。そのため、他の職業を兼務していることが多い。ただし、コミッショナーと呼ばれる執行委員会の委員長を務める議員には、フルタイムの議員職として給与が支給されている。議会は、議長及び1人又は2人以上の副議長からなる議長団を選出し、その任期を定める。議長は、執行委員会の委員長と並んでコミューン及びランスティングの最上位の代表者である。代表者としての職務は、様々な公式の行事への参加を含むが、行政機関への訪問やコミューン・ランスティングの事業によって影響を受けるものとの接触にも及んでいる。
議会の任務
・事業の目標と方針
・予算、課税、及びその他の重要な財政的問題
・専門委員会の組織と活動形態
・委員会及び案件準備委員会の構成員及び構成員代理の選出
・政治的代表者に対する経済的な報酬の基本的規定
・各年度の活動報告の承認
・住民投票
議会は、執行委員会その他の専門委員会、案件準備委員会、審議会の構成員及び構成員代理を選出する。議会は、地方自治体の公社及び財団の運営委員会の構成員、並びに例えば貯蓄銀行や社会福祉法人の理事、一定の私立学校、運輸会社のようないくつかの準公的機関の運営委員会等の構成員を任命する。自治体議会には必ず執行委員会を設置しなければならない。執行委員会は行政全般に目を配り、予算案の他、議会の決定が必要なほとんどの案件を作成する。その委員は、選挙権・被選挙権を持つ者の中から、議会によって選任される。コミッショナーと呼ばれる執行委員会の委員長は、通常は多数党の議員の中から議会によって任命される。コミッショナーは、自治体の執行上のトップである。

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

さとう ともかず

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