その他
1. 買収罪の適用
インターネットを利用した選挙運動を行った者に、その選挙運動の対価として報酬を支払った場合には買収罪の適用があります。
買収罪
当選を得又は得しめる目的をもって選挙運動者に対して金銭等の供与をした者等は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第221条第1項)。
連座制
買収罪の刑に処せられた者が、総括主宰者、出納責任者、地域主宰者、親族、秘書又は組織的選挙運動管理者等に当たることが連座裁判等により確定した場合(親族、秘書及び組織的選挙運動管理者等については禁錮刑以上の場合のみ)には、公職の候補者本人に連座制が適用され、当選無効や立候補制限が課せられることとなります(公職選挙法第251条の2及び第251条の3)。
【参考】選挙運動用ウェブサイトや選挙運動用電子メールの企画立案を行う業者への報酬の支払い
一般論としては、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬の支払いは買収となるおそれが高いと考えられます。
【参考】誹謗中傷の監視、誹謗中傷を否定する書き込みを行う業者への報酬の支払い
一般論としては、業者が、主体的・裁量的でなく、機械的に候補者への誹謗中傷を監視する場合、あるいは誹謗中傷の内容を単に否定する書き込みを行う場合には、当該行為の限りにおいては直ちに選挙運動に当たるとはいえないことから、一般的には、当該業者への報酬の支払いは直ちに買収とはならないものと考えられます。
2. 施行日・適用区分
この改正法は、公布の日(平成25年4月26日)から起算して一月を経過した日(平成25年5月26日)から施行され、施行日以後初めて公示される国政選挙の公示日以後に公示・告示される選挙(国政選挙及び地方選挙)から適用されます(改正法附則第1条、第2条)。
3. 検討
公職の候補者及び政党その他の政治団体以外の者が行う電子メールを利用する方法による選挙運動については、次回の国政選挙後、その実施状況の検討を踏まえ、次々回の国政選挙における解禁について適切な措置が講ぜられるものとされています(改正法附則第5条第1項)。
有料インターネット広告の特例については、公職の候補者にもこれを認めることについて検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとされています(改正法附則第5条第2項)。
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