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令和3年3月25日 県議会本会議 賛成討論(原稿) 県政会 池田 東一郎

令和3年3月25日 県議会本会議 賛成討論 県政会 池田 東一郎

〇 私は、県政会神奈川県議会議員団を代表し、本定例会に提案された日程第2の諸議案に関する所管常任委員会審査結果に対して、賛成の立場から討論を行います。
1 はじめに、県政の最重要課題である新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。昨年12月から猛威をふるった新型コロナウイルス感染症の第3波は、年始からの緊急事態宣言の発出と県民の皆様のご協力、そして何より、医療従事者の皆様の懸命のご尽力により、落ち着きを見せて来てはおりますが、変異株の出現もあり、第4波の到来を予想する専門家もあり、依然として予断を許さぬ状況が続いています。しかし、新規感染者数が比較的落ち着いている、今だからこそ、真剣にこの感染症と向き合い、将来への備えを万全にすべきです。新型コロナウイルス感染症の今後を見据えた保健所の即応体制の整備については、去る2月17日に我が会派代表質問で、楠議員より、昨年6月に厚生労働省から出された通知に基づく、保健所の即応体制整備の計画を、本県は未だ策定していないことを指摘させて頂きました。知事からは、この計画の策定を「速やかに進める」とのご答弁を頂きましたが、1か月以上経過した今日現在、いまだ策定されてはおりません。

我が会派の代表質問で、知事は、昨年12月からの第3波について、推計をはるかに上回る感染者数となったとご答弁されていますが、昨年夏の時点で、本県における最大の新規感染者数を何人と推計していたかというと、1日あたり167人です。1日あたり新規感染者167人の医療体制、保健所の体制で、今年始めには1日900人を超えるような感染者数となり、本県は医療崩壊寸前の事態となったのです。これは、想定外とも言えますが、見通しが甘かったと言えなくもありません。
今こそ、1日1000人、2000人といった新規感染者数を現実的なものとして想定し、我が会派指摘の計画策定を含めて、確固たる保健所即応体制・医療提供体制を速やかに構築するよう要望致します。
同じく、2月17日の我が会派代表質問で取り上げた新型コロナウイルス対応の改正特別措置法等の施行に係る事業主等への要請等については、楠議員の指摘を踏まえ、3月9日に営業時間の短縮要請に応じない横浜、川崎など県内計73の飲食店に、特別措置法に基づく要請文書を送るなど、適切な対応をして頂いていることは評価致します。

しかし、この時短要請に応じた飲食店に支払われる協力金については、2月8日から申請が始まった第5弾の交付が、3月19日現在で申請数の4割に留まっており、申請から支給まで1か月以上かかる事例が多数見られることは大いに反省すべきです。この時短協力金の1日も早い支給に、全力を挙げて頂くよう要望致します。新型コロナウイルス感染症対策の重要な財源であります、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金については、昨年12月1日の我が会派代表質問で、さとう知一議員より国からの交付額に不足額があることを指摘し、これを踏まえて、今定例会に必要な基金条例を提案して頂いたことは評価致します。

引き続き、地方創生臨時交付金等を充分活用し、効果的な感染症対策を速やかに進めて頂くよう要望致します。かながわ新型コロナウイルス感染症医療・福祉応援基金については、非常に多くの県民の皆様からの善意を頂いておりますが、関係部局が、連携し、県民の皆様の感謝や応援の気持ちが医療従事者の皆様にしっかりと伝わるよう、充分に配慮、工夫しながら事業を実施して頂き、コロナとの闘いに寄与するものにして頂くよう要望致します。
県内市町村立小中学校におけるオンライン授業の実施については、新型コロナウイルス感染症の収束がなかなか見通せない中で、非常に優先順位の高い政策と考えます。新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者や新型コロナ感染症疑いで学校を休まざるを得ない児童生徒の学習権を保障するのは憲法26条の要請です。
県内市町村立小中学校において、授業ライブ配信などオンライン授業がすみやかにあまねく実施されるよう、引き続きのご尽力を要望致します。

2 次に、新型コロナウイルス感染症対策以外の、県政の重要課題について、何点か申し上げます。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催については、本県もオリンピック開催県として、県民と共に総力戦でコロナと向き合う必要があります。テニスの全豪オープンをはじめ、諸外国も含めた大規模スポーツイベントの感染症対策を充分に参考にし、課題と教訓を得ながら、東京2020大会が、安心・安全のもと、最初から最後まで滞りなく開催されるよう弛みない取組みを重ねて頂くことを強く要望致します。
かながわSDGsパートナーについては、SDGsの目標年次である2030年まで10年を切り、今後は、県民がSDGsを知っている、聞いたことがある、から一歩進んで、SDGsのゴールに向けて具体的な行動をしている、という状況に変えなければならないと考えます。民間からSDGsの輪が更に広がるよう取組んで頂くと同時に、県内市町村のSDGsの取組みとも連携しながら、来年度SDGsについてはどこをゴールにするのか明確にして頂くよう要望致します。

企業と連携した未病の普及啓発については、コロナ禍での運動不足やストレスなどによる県民の健康の悪化が懸念されており、心身の健康についての意識が高まっていることからも、今こそ未病の普及啓発は必要であり、財政状況の良し悪しに関わらず進めるべきと考えます。そうした中では、民間企業と連携した取組みは大変意義深いものと考えますので、引き続き積極的な取組みを進めて頂くよう要望致します。行政手続き等における押印の見直しについては、新型コロナウイルス感染症を契機として、国を中心に全国的に進められており、行政のデジタル化に向けた大きな1歩になると考えます。行政手続きにおける県民の負担を軽減し利便性を図るという、「県民のため」という視点を忘れず、行政サービスの向上へと繋がる方向で、取組んで頂くよう要望致します。

河川敷の火災予防の環境整備については、河川敷は放置すれば草木が生い茂り、安全面で様々な問題が生じます。コロナ禍、冬であっても河川敷ではバーベキューの方が大変多くいる中で、燃えやすい箇所の環境整備について、河川堤防の環境整備に準じて、自治会ほか地元有志の皆様とも連携した対応を、県の責任で進めるよう要望致します。 

村岡新駅の設置については、新駅設置に向けた歴史は古く、昭和60年に国鉄湘南貨物駅が廃止されたことを契機に、地元自治町内会連合会から新駅設置の請願が出され、その時の市議会では全会一致で採択されていました。そこから足掛け35年でようやく実現のめどが見えました。新駅誕生はまさに湘南地区の新たな経済拠点の発掘に繋がりますので、引き続き丁寧な説明を行いながら進めて頂くよう要望致します。

企業庁のスマートメーター導入促進事業については、今後の水道事業経営の効率化を図る意味で意義深いだけではなく、時間ごとの水道使用量の実態もつぶさに把握でき、今までとは比較にならないビッグデータを手に入れることに繋がります。そういった意味においても将来性のある施策でありますので、積極的に導入を進めるよう要望致します。水道管路の耐震化については、県民生活や社会経済活動を支えるライフラインの役割を担う水道管路の耐震性確保は急務であります。特に被災により、大規模断水に繫がる基幹管路の耐震化は、被害を最小限にとどめるためにも着実に取組んで頂くよう要望致します。

かながわスマートエネルギー推進計画については、今後の都市間競争はスマートシティ構想の優劣によって判断されるようになると考えます。都市マスタープランで位置づけられているスマートシティを創り上げていく上で、スマートエネルギーの導入やAIを使った交通システム、自動運転システムなどは非常に重要な施策です。本県がスマートシティ先進県となれるよう、こうした取組みを積極的に進めて頂くよう要望致します。

外国籍県民も暮らしやすい環境づくりはじめ、国際関係事業については、コロナ禍であるからこそ必要とされる事務事業も多くあると認識しています。外国籍県民に寄り添った施策の推進が今ほど求められている時はありません。特に、ベトナム人研修生制度における中間搾取の問題をはじめ、神奈川県だからこそできる解決策の実践を要望致します。
来年2022年の NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のテレビ放映については、観光立て直しの視点からは、非常に大きな経済効果が見込まれると承知しております。「鎌倉殿の13人」に関わる外国人観光客、どういった国の方々を想定するかをはじめ、せっかく付加価値の高いコンテンツが提供されるのでありますので、現段階から情報収集と分析に丁寧に取組んで頂き、必要な対策を適時適切に取られるよう要望致します。

津久井やまゆり園及び芹が谷やまゆり園の指定管理者の指定については、指定管理者外部評価委員会から、かながわ共同会に対し厳しい指摘がある中、再度、指定管理者候補として選定したことについては、県民の理解が得られるのかどうか疑問が残ります。これだけ、事件や不適切な案件が繰り返し、繰り返し発生している中でありますので、かながわ共同会に対しては、不適切事案を二度と生まぬよう毅然とした指導をされることを強く要望致します。 

3 最後に、特別支援教育について申し上げます。
特別支援教育については、今年度に続き来年度予算についても、特別支援学校高等部生徒のスクールバス乗車をはじめとする通学支援に対策を講じて頂いたことには感謝申し上げます。しかしながら、小中高を通して通学支援のニーズはまだまだ高いことが、神奈川県手をつなぐ育成会がこのほどまとめたアンケート調査では明らかになっています。スクールバスの利便性向上や通学支援員の増員など引き続き手厚い通学支援策を講じて頂くよう要望致します。また、必要な時に適切な相談を受け合理的配慮を求めることは、障害者差別解消法に規定される、障がい者やそのご家族の大切な権利です。特別支援教育の隅々まで、この合理的配慮の精神が行き渡るよう丁寧な取組みを要望致します。
更に、みんなの教室については、インクルーシブ教育の一環として一層の推進を期待するところですが、様々な課題も指摘されています。課題は課題としてしっかりと受け止め、的確に対応されるよう要望致します。そして、今後の本県特別支援教育の指針となる、かながわ特別支援教育推進指針については、以上の点も踏まえて充分に検討し、素案の記述を更に充実するよう要望致します。

〇 以上、意見・要望を申し上げ賛成討論と致します。 ご清聴誠に有難うございました。 以上

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

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