選挙をめぐる小話 5選
相模原市議会議員選挙(南区選挙区)を戦いながら、いろいろな方とやり取りし、またインターネットでもコメントを頂いたり、過去の記事も見ていただいて、選挙に関わる話を厳選しましたので、ぜひお読みください。
こんな話ですが、少しでも選挙に興味を持っていただき、ぜひとも、明日4月9日(日)は、投票に行ってください!
白票の話
先日、選挙期間中にもかかわらず、市長候補者の方と、市議会議員候補者の私が、Twitterで何度かやり取りすることがありました。これはあまりないことかな、と感じました。
たけしま 俊子さんとのTwitterでのやりとり
https://twitter.com/eG3CAFKGqXWuC5M/status/1643548423738765313
内容は、白票の考え方についてでした。私は、選挙の争点が無かったり、事実上の信任投票の場合や、様々な状況により、「白票」を投じることで、投票するべき候補者がいないことを主張することもある、という主旨を述べました。
白票も、投票に行かない場合も、結果として一票を投じていないから、同じでは?という主旨のお話があり、そうした考えもあると私は返しました。
しかし、投票権を放棄はしないが、投票する相手がいない、と考えていることをあえて主張することもあると思います。
また、(私も含め)候補者としては、白票を入れさせないだけの争点の提示や、政策・思い・活動等を訴え伝えることも求められている、と考えています。
こうしたやり取りに対し、町田市議会議員の吉田勉さんは、「電子投票では、選択肢で、特定の候補者を選択せず、「投票しないで終了する」があります。実質、「白票」です。その数字も総数カウントできました。政治家は賛否を決めるのが仕事ですが、政治家を選ぶ有権者には「だれも選べない」が容認、想定されている」ということでしょう。とご助言がありました。
選択ミスはあり得ますが、記述ミスのありえない電子投票でも、あえて白票の投票が想定されている点が面白いと思いました。
今回の神奈川知事選挙では、選挙期間中に、現職知事のスキャンダルが報じられるという異例の事態が発生しています。私には、さっそく「白票を入れます」という方がいました。
按分の話
投票では、名字が同じ候補者や名前が同じ候補者がいる場合があります。私の初めての選挙の時、「〇〇よしひろ」さんが候補者にいたため、私と按分となりました。
ちなみに、この候補者の名字に関しても、別に同じ候補がいたため、この候補者は、名前での按分に加え、名字での按分が、更に発生しました。
A、阿部よしひろ
B、〇〇よしひろ
C、〇〇△△△△
この場合、「よしひろ」というA、B共通の名前が記入された投票用紙は計算にいれず、A、Bそれぞれの候補に投票された投票用紙の数をまず出します。
仮に、A:120票、B:130票、「よしひろ」:6票 だったとします。
この按分票6に対し、A候補には、A候補とB候補の割合(120÷(120+130))を掛けます。
そうすると、
A=120(既得票数)+ 6×120÷(120+130)= 120 + 2.88 = 122.88
B候補も同様に、130 + 3.12 = 133.12
となります。
しかし、B候補の場合、C候補とも按分が発生しています。B候補、C候補共通の苗字「〇〇」とだけ書かれた投票用紙があった場合、B候補にはA候補との按分で加算された分は除いた、既に得票している票、この場合、A候補との按分で用いたと同じ130票を基礎票として、上記と同様の按分作業を行い、それぞれの割合で按分された票を加算します。
A候補とB候補、B候補とC候補、それぞれの按分は、独立していますので、作業の順番は関係しません。
これは机上の話の様ですが、平成15年の相模原市議会議員選挙で起こった実際の按分の話です。
実際の名前
阿部よしひろ候補、長友よしひろ候補、長友よしき候補でした
按分の対象がが3名、4名となる場合も、それぞれの既得票数の割合で分割することは同じです。今回の選挙では、南区選挙には3名同じ苗字の方がおられます。
法定チラシを新聞折込する話
いつ折り込む?
新聞広告が激減する?
法定チラシの制度が始まり、政令指定都市の議員である私の選挙では、8,000枚の配布が可能となっています。ポスティングは出来ませんが、街頭演説や新聞折込で有権者に自分の政策や主張を伝えられる大切なツールです。
新聞折込を行う場合、配布地域を検討し、あわせていつ折込を行うかの検討もします。
私がいろいろと聞いた話では、
「月曜日はチラシの量が少ないので見つけてもらいやすいかも」
「火曜日はスーパー三和の折込が入るから近くにある人には良いかも」
「水曜日はライフとか…」
「木曜はタウンニュース見る人いるから一緒に入れた方が…」
「選挙公報が入る日に合わせた方が良いのでは?」「あえて避けた方が…」
等々。
実際には、搬入する日時を見越して、一枚一枚証紙のシールを貼る作業の時間を確保しなければなりません。また、全国紙に入れるのか、経済紙か、地方新聞か、といろいろと考えます。
全部を街頭演説で配布する、という候補者の方もおられるでしょう。
また、法定チラシの配り方の話をしている時、「法定チラシを折り込みできるなら、もう新聞広告はいらなくなる」という声を聞きました。新聞の購読者が減っていることと、新聞折込の方が、細かく地域を絞り、購読紙を絞り、内容もA4の両面を使えて、政策や思いを届けやすいと感じる候補が多いのだと思います。実際に折込の方が、印刷代はかかるにしても、折込1枚5円程度と、費用が安く感じるとの声がありました。
この選挙が終わってみて、新聞広告の実際について、確認してみたいと思います。
ちなみに私は、神奈川新聞4月1日号と相模経済新聞の4月1日号に新聞広告を掲載しました。同期の中央区で戦っている中村まさはる候補者は、私と全く同じ掲載の仕方をされ、紙面では並んで掲載されていました。
ウグイス嬢の技に驚かされたこと
選挙カーに乗っていると、様々な状況が発生します。そんな選挙カーでマイクを握ってくれる頼りがいのあるウグイス嬢さんたちのお話を紹介します。
選挙カーの通る道は、どうしても人通りが多かったり、車が通りやすかったり、いろいろな理由から、同じ場所を次々と複数の候補者の選挙カーが通ります。毎日毎日となるとさすがに地域住民の方も怒り心頭です。私の選挙ではありませんでしたが、ある時、窓が開けられ、「朝から晩まで、毎日毎日うるさい!」と怒鳴る方がいました。お気持ち、よく分かります。
しかし、選挙戦を戦う候補者も、そこでめげていてはいけません。ウグイス嬢さんが、サッと候補者から自分のマイクに音をいれ、「ありがとうございます!ありがとうございます!窓を開けての熱烈な激励!しっかりと受け止め、この選挙戦頑張ってまいります!」と激励の言葉に変えてしまいました。これは、横にとまった車から文句を言われた時も同様でした。しかし、陣営に戻ってから、ちゃんとこうした出来事をきちんと報告し、この後どうするか、今後の活動方針や注意事項としてつないでいた点に更に感心させられました。
苦情はしっかりと受け止め、それも激励に変えてしまうウグイス嬢。候補者を守り、選挙カーの役割をしっかりと果たす、ウグイス嬢。良い悪いではなく、様々な技と経験があるものだと感じました。
ちなみに、こうした現場を見て、私はノー選挙カーの選挙戦を行うようになりました。
エールの交換 -お互いに健闘を称え合う話-
選挙カーがすれ違う時、また他陣営の事務所前を通る時、「〇〇候補のご検討をお祈りいたします」というと「□□候補もがんばってください」「互いにがんばりましょう」というやり取りがあります。
私は、それが礼儀だと思っています。
ウグイス嬢の方は、相手より先に「〇〇候補のご健闘をお祈りいたします!」と発声することがウグイス嬢としてのプライドだったりもします。
以前の記事で、選挙戦が中盤から終盤に差し掛かると、これまでたどたどしかったやりとりも、どの陣営もこなれてきて、エールの交換もお約束として阿吽の呼吸が生まれたりもします、と書きました。
ところが、残念なことに、こうしたやり取り、ごく一部の候補者同士だけの間のものになってきてしまっているように感じます。
先日は、複数の運動員の皆さんが法定チラシを配布しながら、街頭演説をしている候補者の陣営に、私が一人でひょっこりと入ってしまいました。スクランブル交差点で信号待ちをしている市民の方も、街頭演説のマイクが止まった瞬間に異変を感じた様です。
私の方で、拡声器のマイクを握り、ゆっくりと、「〇〇候補のみなさん、ご健闘を祈ります。ともに頑張りましょう!」と大きく手を振ると、〇〇候補の陣営も返してくれました。
それを見守っていた市民の皆さんも、この光景を微笑ましく見てくれているように感じました。そんなこともあったりします。
*** *** 過去の記事 *** ***
【雑感】選挙カーですれ違う時のエール交換【相模原市議会議員選挙】
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以上、選挙の中にもいろいろな考えがあります。そうした中で、少しでも政治やまちが良くなるよう、皆で考え、取り組みながら、私たちの民主主義や政治、まちづくりがより良いものになるように、明日の投票日には、ぜひ投票に行きましょう!
2023年04月08日 21:21