• このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を印刷

国債を増刷したら財政破綻するって誰から聞いたの?


先日、消防団の仲間から「国債を増刷したら財政破綻するんじゃないの?」という質問を受けました。いろいろ説明をしましたが、反応は微妙でした。



国債を増発しても財政破綻はしない。家庭を例に考えてみました。



夫70歳、妻60歳、長女30歳、息子28歳、4人家族。

この場合、夫が「政府」で、妻が「日本銀行」、子ども達が「国民」です。



夫は引退して家にいます。子供たちは非正規ながらも会社に勤務して毎月家にお金を入れています。妻は、ここがポイントなのですが、



「妻は日本で唯一、合法的に日本円を印刷して良いという権利を所持しています」



夫は、家のために、老朽化した家の改築費用や、車の買い替え、防犯カメラの設置、家庭農園のための肥料代等、奥さんからお金を借りる必要があります。



夫が妻からお金を借りて、子ども達が返済する行為。これが国が国債を発行し、税金を徴収する行為に似ているのです。



夫は、毎月子ども達に一定額の返済を求めてきます。これが税金です。妻がお金を印刷できるのに、なぜ借金の返済を求めるのでしょうか?



それは、子ども達が働かなくなると家庭が不安定になるからです。



税金が入ってこないことよりも、子ども達が不健康になるのを心配しています。だから、妻は時々お金を貸すのを渋ります。家庭のバランスを取っているのです。お金の返済がなければ、お金を供給出来ないわけではないのです。



現在、夫は妻から1200兆円の借金をしています。この家庭をヤバい家だと思うでしょうか?1200兆円をゼロにする必要はありますか?子どもが家に入れるお金を増やす必要がありますか?



夫が突然妻から借金をしなくなって、それでも子ども達に借金の返済を求めてきたらどうでしょう。しかも、なぜか隣の家にお金をあげたり、市外の家の修理をしてあげたり、家庭農園を減らして県外から野菜を買ったりしています。



さて、子ども達が妻から借りたお金を返さなかった場合、家庭は財政破綻するでしょうか。



日本は30年間不景気です。夫が妻からお金を借りてくれないからです。家を修理してくれません。老朽化で倒れそうです。



もちろん、印刷したお金が経済に過剰に流れ込むと、物価が上昇する可能性があります。これをインフレと呼びます。この物価上昇を抑えるために、政府日銀は国債や貨幣をコントロールするか、増税するか、物価が安定するまで待つことが必要になります。



いつまで待つの?



そもそも、「国家財政の破綻」ってなに?



これは国が海外から借りた債務を支払えない状況に陥ることです。過去にはブラジル、ロシア、アルゼンチン、ギリシャなどの国が破綻しました。



日本は対外債務黒字国です。しかも黒字額世界一位。



債務は自国通貨建てです。日本の借金は国の日本銀行が債務を引き受ければ返済終了です。



国民から税金で吸い上げる必要など全くなく、そのことで日本の国家財政が破綻することなどありえません。



岸田首相や財務省は何を考えているのでしょうか?



一方、地方自治体は違います。過去に夕張市が財政破綻したり、私が住む伊勢原市もその危機に直面したことがあります。平成23年度市の財政調整基金(市の貯金みたいなもの)が5000万円まで落ち込んだ時期がありました。



地方自治体の財源は市民からの税金や国や県からの補助金などで、債務不履行状態になれば財政破綻することは実際にあり得ます。



地方自治体はお金を刷れないからです。政府が通貨発行権を持つ日銀と夫婦のように一体であることが違いです。



しかし、市債を日銀が全額引き受けてくれれば、市の財政破綻はなくなるという理屈は十分にあり得ると思います。個人的な意見ですが。



だって、国が地方自治体の財源の足りない部分を印刷してくれれば済むでしょ?市がインフレにならないように調整するぐらいできますよ。



「地方分権」とはそういうことじゃないの?



これが、自国通貨を持つ国が国債を増発しても、適切にインフレを管理することで財政破綻を回避できる理由です。具体的な経済政策はもっと複雑で多くの要因が絡んできますが、これは基本的な理解のための説明です。いかがだったでしょうか。



何か改善点があったら教えて下さい。宜しくお願い致します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を印刷

伊勢原市議会議員

安藤 玄一

あんどう げんいち

安藤玄一

プロフィールを見る

BLOG

安藤玄一の政治の村ブログ

一覧へ