NHKの番組「鍵をあける 虐待からの再出発 初回放送日: 2023年8月12日」
NHKの番組「鍵をあける 虐待からの再出発 初回放送日: 2023年8月12日」を見ました。素晴らしいドキュメンタリーかもしれないが、美談にしてはならないと思う。なぜなら、県当局もこうした施設での居室閉じ込めや身体拘束を見てみないふり(もしくは意思をもって見ない)を続けてきたからです。
(NHK)「知的障害者施設の元職員が入所者19人を殺害した相模原障害者殺傷事件から7年。その後、神奈川県がすべての県立の入所施設を調査したところ、虐待や不適切な行為が次々と発覚した。県立中井やまゆり園では、自傷や他害など強度行動障害が見られる入所者の長時間にわたる居室施錠も数多く報告された。鍵を開き、一人ひとりの入所者たちと向き合う。模索しながら新たな暮らしをつくろうとする2年間を記録した。」という番組です。
現場で働く方々はぎりぎりの中で頑張っているのだと思う。
ただ、これまでも私は
(さとう質問)「一日のほとんどを部屋で過ごし、体力プログラムもなく、利用者さんの体力はどんどん弱っていく。マイクロバスに多くの利用者さんを一遍に同乗させて、1時間程度外を回って園に帰ることをもって運動としている。(障害者支援施設は、日中の支援は生活介護、夜間の支援は施設入所支援として区別されており、必要な支援を行った場合に介護給付費として報酬が支払われます。日中支援を行う生活介護では、必要となるリハビリや創作活動を行うほか、本人の要望に応じて散歩やドライブ等の余暇活動を行い、その報酬は介護給付費として国の定める基準で施設に支払われます)(令和元年 09月18日 本会議)」
(さとう質問)「私は本会議にて活動記録等を示したが、園に迎えに行くと、入れてもらえないような部屋がある。現在の芹が谷園舎においては、視察に行ったときに、中をのぞく寮は決まっていて、その寮だけは比較的きれいに整頓されており、ほかの寮、特に女子寮や5寮、6寮などのところは、非常に汚くて目に余る状況にある。特に6寮は保護者ですら入れず、県職員は、毎日、園に出向いていてもこの部屋のチェックすらできない(令和元年10月29日決算特別委員会) →その後、居室閉じ込めと身体拘束が発覚」
(さとう質問)「令和2年1月、愛名やまゆり園の虐待が疑われる事案が公表された。『食事制限を無視して大量に食べさせる、長時間夜中のトイレに座らせる、食事をお盆にまき散らし箸1本で食べさせるなど』 障害者福祉を担う団体や行政に対しては物が言いにくく、傷害事案を目撃しても、職員、利用者やその家族は表面化させづらいという指摘も外部からたくさんある。やまゆり園は、一般の施設に比べ十分な資金を県から受けている。ほかの施設の模範となるような、質の高いサービスを提供するべき施設である。(令和2年07月06日予算委員会)」
(さとう質問)「愛名やまゆり園には、虐待の疑いのあった形態の部屋は9部屋あって、三つが鉄の扉になっている。愛名やまゆり園の鉄の扉は平成21年に付け替えて、ガムテープで取っ手を埋めたのは平成24年5月から。8年間にわたり行われていた。(令和2年10月06日予算委員会)」
このように私は「津久井やまゆり園や津久井やまゆり園芹が谷園舎、愛名やまゆり園で、居室へ長期間にわたる閉じ込めの疑いがある、適正な利用者サービスが行われていない」と議会でずっと指摘してきました。
その後に発覚した神奈川県の施設である「中井やまゆり園」においての多くの虐待事案。
そして、このテレビ番組。非常に期待はしていますが、とても複雑な思いで、番組を視聴しました。「障害者施策と弱者救済」は、私の政治の原点です。引き続き、課題から逃げずに向き合って参ります。
2023年08月13日 01:40