成瀬地区の地盤沈下――小学校周辺の道路と公民館の損壊、原因究明を求める
令和5年9月定例会 一般質問
1.質問の目的
成瀬小学校周辺で道路の亀裂や段差が広がり、成瀬公民館でも地盤沈下による損壊が発生していました。
近隣住民から道路の損壊について相談を受け、現地を確認したところ、成瀬小学校南側の道路と、それに並行する道路の2路線で、亀裂や路面の隆起が見られました。
小学校を利用する児童の安全にも関わる問題です。
また、成瀬公民館の周辺や近隣住宅でも地盤沈下による影響が確認されていました。
今回の一般質問では、道路と公民館の損壊状況、これまでの修繕経過、地盤沈下の原因調査、今後の安全対策について確認しました。
特に、地盤沈下の原因を明らかにし、近隣住民への情報提供と再発防止に向けた対応を進めることを求めました。
2.主な答弁
成瀬小学校周辺の道路損壊
市は、地盤沈下による損壊が発生している道路について、次の2路線を確認しました。
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市道848号線:成瀬小学校南側の道路
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市道2767号線:その南側に並行する道路
市によると、2020年11月頃から地盤沈下に伴う道路損壊が目立つようになり、補修を繰り返してきたとのことでした。
主な経過
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2020年12月:道路の亀裂補修と試掘調査
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2021年3月:2路線でアスファルト舗装の補修工事
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2022年4月:市道848号線で再度補修工事
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2023年8月:市道848号線の一部区間を通行止め
市道2767号線についても道路面の沈下が進み、通行幅を制限していました。
市は、地盤沈下が現在も進行しているとの認識を示し、沈下が収束するまでは通行止めを継続する必要があると答弁しました。
通行止めの解除時期は明示できず、沈下の収束を確認した後、道路全体の補修工事を実施する方針でした。
成瀬公民館の損壊と修繕
成瀬公民館は1980年3月に完成しましたが、地盤が軟弱であることから、以前から地盤沈下に伴う修繕を繰り返していました。
主な修繕経過は次のとおりです。
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1985年8月:駐車場の地盤沈下により玄関前の階段を1段増設
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1986年9月:南側利用者通路の外構を改修
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2002年度:学習室非常口の階段周辺を改修
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2008年度:玄関前の階段をさらに1段増設
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2021年2月:約80ミリの段差が発生し、階段を3回目の増設
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2022年6月:建物下部の空洞化を確認し、補修
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2023年3月:玄関前階段内部の水道管の漏水を修繕
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2023年7月:南側利用者通路にスロープを設置
玄関前の階段は、完成当時と比較して合計3段増設されていました。
市は、今後も施設利用者の安全を優先し、必要な補修を行うとの考えを示しました。
地盤沈下の原因究明
市は、成瀬小学校や成瀬公民館の周辺がもともと軟弱な地盤であることを認識していました。
しかし、近年は地盤沈下が顕著になっており、道路や公共施設にも影響が出ていることから、原因究明と再発防止が必要との認識を示しました。
神奈川県に地盤の特性や原因について調査・分析を依頼し、専門的な助言を求めているとのことでした。
また、専門機関との連携についても検討する必要があると答弁しました。
近隣住民への周知
地盤沈下の状況について、近隣住民への情報提供を行っているか確認しました。
市からは、これまで近隣住民に対して特段の周知は行っていないとの答弁がありました。
周辺住宅への影響と補償
私は、成瀬公民館の近隣住宅やアパートでも損壊が見られることを確認していたため、所有者が補償を受けられる可能性について質問しました。
市は、現段階では一般論としても補償について答えることはできず、まずは原因究明に向けた調査・分析を進めるとの答弁でした。
地下水のくみ上げとの関係
地盤沈下の原因として、地下水の大量採取が関係している可能性についても質問しました。
市は、地下水の採取が一般的な地盤沈下の原因の一つであることを認めましたが、今回の地盤沈下との因果関係については明らかにしていませんでした。
私は、自身が入手した周辺の土質ボーリング調査資料を紹介し、地下15メートル付近まではN値が2~3、地下21.6メートルまではN値が3~8という、非常に軟弱な地盤であることを指摘しました。
また、周辺の土地利用の変化や企業による地下水採取との関係についても懸念を示しました。
ただし、地下水のくみ上げが今回の地盤沈下の原因であると確認されたわけではありません。
市は、引き続き原因究明に向けた調査・分析を進めるとの考えを示しました。
3.残った課題
今回の一般質問では、市が地盤沈下による道路や公共施設への影響を以前から把握していたことが確認できました。
一方、次の課題が残りました。
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地盤沈下の具体的な原因の特定
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沈下している地域の範囲や進行状況の把握
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市道848号線の通行止め解除と道路の復旧
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成瀬公民館の安全性の継続的な確認
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近隣住民への情報提供
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民間住宅に発生した損壊への対応
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神奈川県や専門機関と連携した調査・再発防止策の具体化
特に、地盤沈下の収束時期や道路の復旧時期は明らかになっておらず、原因調査と併せた継続的な確認が必要です。
4.質疑応答(要旨)
Q1.成瀬小学校周辺の道路損壊について、これまでどのような対応を行ってきたのか。
A.土木部長
2020年11月頃から地盤沈下に伴う道路の損壊が目立つようになった。
市道848号線と2767号線について、2020年12月以降、試掘調査や舗装補修工事を実施してきた。
しかし、その後も沈下が進み、市道848号線は2023年8月から一部通行止め、市道2767号線は通行幅を制限している。
Q2.通行止めの解除時期と、今後の道路の修復予定は。
A.土木部長
現在も地盤沈下が進行していると認識している。
道路利用者の安全を確保するため、地盤沈下が収束するまでは通行止めを継続する必要がある。
解除時期を明確に答えることは難しいが、沈下の収束が確認できた段階で道路全体の補修工事を行いたい。
Q3.成瀬公民館では、地盤沈下によってどのような影響が出ているのか。
A.教育部長
1980年の竣工後、駐車場や周辺の地盤沈下に伴い、階段の増設や通路の改修などを繰り返してきた。
玄関前の階段は合計3段増設している。
また、2022年には建物下部の空洞化を確認して補修し、2023年には漏水修繕や通路のスロープ設置工事を行っている。
Q4.地盤沈下の原因究明と再発防止について、市はどう対応するのか。
A.経済環境部長
周辺地域はもともと軟弱地盤であり、近年は沈下の度合いが顕著になっている。
道路の損壊なども含めて影響を確認しており、原因究明と再発防止を踏まえた対応が必要と認識している。
神奈川県に相談し、地盤特性などの調査・分析や助言を求めている。
Q5.地盤沈下について、近隣住民への周知は行っているのか。
A.経済環境部長
これまで近隣住民に対して特段の周知は行っていない。
市民の不安に応えるため、原因究明に向けた調査・分析を進め、対応策を検討していきたい。
Q6.成瀬公民館の安全性について、これまでどのような調査を行ってきたのか。
A.教育部長
2000年度には外壁のひび割れ調査を実施し、2022年度には地盤改良などを専門とする業者に現状把握や空洞補修の方法について相談した。
補修工事に合わせて目視調査やアスファルトのコア抜き調査などを行い、状況を確認している。
今後も利用者の安全を第一に、必要な補修を実施していきたい。
Q7.近隣の住宅やアパートに損壊が発生している場合、補償を受けられる可能性はあるのか。
A.経済環境部長
補償については、一般論としても現段階で答えることはできない。
まずは地盤沈下の原因究明に向けた調査・分析を進めたい。
Q8.神奈川県には、具体的にどのような調査や相談を行っているのか。
A.経済環境部長
地盤沈下の状況を県に相談するとともに、地域の地盤特性について調査・分析を依頼している。
原因として考えられる要因や対策、詳細な現状把握のための調査手法などについても相談している。
Q9.地盤沈下の範囲や進行状況は把握しているのか。また、専門機関との連携は。
A.経済環境部長
道路や成瀬公民館での損壊から、地盤沈下が顕著になっていることは認識している。
ただし、過去からの沈下の進行について、その程度や範囲を比較できる状況ではない。
神奈川県の助言を受けながら原因究明を進めるとともに、専門機関との連携についても検討していく。
Q10.地下水の大量採取が地盤沈下の原因となった可能性はないか。
A.経済環境部長
一般的に、地下水の採取は地盤沈下の原因の一つとされている。
今回の沈下が顕著になっていることは重く受け止めており、今後も原因究明に向けた調査・分析を進めていく。
5.所感
今回の一般質問は、近隣住民から寄せられた道路損壊についての相談がきっかけでした。
実際に現地を確認すると、道路には亀裂や段差が発生し、通行止めの措置も取られていました。
また、成瀬公民館では長年にわたり地盤沈下による修繕が繰り返されていたことも分かりました。
特に問題だと感じたのは、市が以前から地盤沈下の状況を把握していながら、近隣住民への特段の周知を行っていなかったことです。
原因が分からない段階であっても、現在何が起きているのか、どのような調査を進めているのかを住民に伝えることは必要だと考えます。
また、今回の地盤沈下が、もともとの軟弱地盤によるものなのか、地下水の採取など別の要因が関係しているのかについても、明らかになっていません。
原因が特定されなければ、再発防止策や損壊した住宅への対応を考えることも難しくなります。
近隣には小学校があり、新しく住宅を建てて暮らしている方も多くいます。
原因究明を急ぐことと、地域住民の安全と不安に対応することは、並行して進めなければなりません。
今後も調査の進捗と市の対応を確認していきたいと考えています。
6.出典
伊勢原市議会 令和5年9月定例会
2023年9月25日 安藤玄一議員 一般質問
2023年09月25日 20:00