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「老朽空き家に厳しい対策を!」空き家条例制定への提案

「老朽空き家に厳しい対策を!」空き家条例制定への提案


伊勢原市における空き家問題は、市民生活や地域の安全、景観に直接影響を与える重大な課題です。これまで本市では「特定空き家ゼロ」という方針を維持し、積極的な対策を講じてこなかったように感じます。しかし、今回の12月議会では、新たな進展が見られました。今回はその一般質問でのやり取りを振り返り、市の取り組みについて考察していきます。


 




特定空き家・管理不全空き家とは


特定空き家は、老朽化が進み、倒壊や衛生問題、景観の悪化、周辺環境への悪影響が認められる空き家を指します。管理不全空き家は、その前段階の状態で、放置すると特定空き家に認定される可能性があります。


これらの空き家は法律に基づいて改善措置が求められ、所有者が従わない場合には罰則が科されます。たとえば、特定空き家に認定されると、固定資産税が最大6倍に増加したり、改善命令に従わない場合には最大50万円の過料が科されることがあります。また、行政代執行により空き家が解体され、その費用が所有者に請求されるケースもあります。


こうした厳しい措置を回避するためにも、空き家の適切な管理や空き家バンクの活用が重要です。


 




特定空き家ゼロの矛盾を問う


私の質問では、まず「特定空き家ゼロ」の方針について、その妥当性を問いかけました。


「市がこれまで特定空き家ゼロを維持してきた判断は、市民に優しすぎるのではありませんか?」


この指摘に対し、担当部局からは次のような答弁がありました。


「市内には、管理が不十分で特定空き家に近い状態のものもありますが、所有者と協議を重ねることで認定に至らないよう努めてきました。また、特定空き家の認定には強い公権力の行使を伴うため、その判断には慎重さが求められます。」


私はこの答弁を受け、「優しすぎる対応」が空き家問題の長期化を招いているのではないかと指摘しました。隣に住んでいる人からしたら「たまったもんじゃない」だと思います。


 




協議会設置の意義とスピード感


続いて、6月議会で設置が決まった「空き家対策協議会」について、その役割と実効性を質問しました。


「協議会を設置したことは評価しますが、年4回の開催では、空き家問題の解決に向けたスピード感に欠けるのではないですか?」


担当部局の答弁は次の通りです。


「協議会は専門的な意見を取り入れるために設置されました。その意見を基に計画を策定し、市長が適切に判断を行うことで、透明性と公正性を確保します。また、進行管理を毎年行い、必要に応じて協議会を開催することでスピード感をもって取り組みます。」


私はこの答弁に対し、「迅速な対応」をさらに求める必要性を強調しました。空き家問題は市民生活に直結するため、スピード感を持って進めるべきです。


 




空き家条例の制定へ向けて


今回の質問で最も重要な成果は、市が「空き家条例」の制定に前向きな姿勢を示したことです。


「特定空き家や管理不全空き家への対応を進める上で、空き家条例の制定が必要不可欠だと考えますが、市の見解はいかがでしょうか?」


担当部局からは以下の答弁がありました。


「条例制定については、現状の課題や空き家の実態を踏まえ、その実効性を高めるものとして具体的に検討を進めてまいります。」


こうした厳しい措置が導入される一方で、私は次のように提案しました。


「厳しい制度が導入されるのであれば、それを回避するための選択肢として、空き家バンクの活用を市民に広くアナウンスすべきです。売却や賃貸の手続きが容易であることを伝え、所有者が自ら空き家を活用できる仕組みを整える必要があります。」


これに対し、担当部局も空き家バンクの利用促進を積極的に進める姿勢を示しました。


 




今後の課題と提案


今回の一般質問を通じて、市が空き家問題に対して前向きな取り組みを進めていることを確認しました。しかし、以下の点が引き続き課題として残ります。




  1. 所有者への働きかけとインセンティブ策
    空き家バンクへの登録促進や固定資産税減免など、所有者に対する具体的な支援策が求められます。




  2. 協議会の迅速な運営と政策反映
    スピード感を持った協議と計画の実施が必要です。




  3. 条例制定の具体化
    他市の事例を参考に、本市独自の空き家条例を早急に策定することが求められます。




 




市民とともに課題解決を


伊勢原市では、駅前開発やインター開通、新駅構想など、土地活用が期待されるプロジェクトが進行しています。これらの動きは空き家対策を進める上で大きな追い風となるでしょう。


厳しい制度の導入が進む一方で、市民に対しては、空き家バンクの利用を積極的に促し、「所有者が自ら空き家を手放したり活用したりできる」というポジティブなメッセージを発信していく必要があります。この仕組みをうまく活用することで、空き家問題の解決と地域の活性化が進むはずです。


今後も市民の声を反映しながら、地域の安全と街の活性化につながる政策を具体化してまいります。


一般質問を通じて得られた成果を市民の皆様と共有しながら、引き続き空き家問題の解決に向けて全力で取り組んでまいります。








 

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伊勢原市議会議員

安藤 玄一

あんどう げんいち

安藤玄一

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