文化財の価値向上とデジタル技術の活用について
12月12日一般質問要旨
1. 観光振興と情報発信の役割分担
文化財には「保存」と「活用」の両立が重要です。これに関連して、教育委員会と経済環境部の役割分担について質問し、以下の答弁がありました。
教育委員会の役割
文化財保護法に基づき、文化財の保存と教育的な活用を担当している。具体的には、修復や環境管理、学校教育や市民向け講座、地域の歴史的魅力を伝える取り組みを行っている。また、観光活用においては、文化財の損傷を防ぐための指導・助言を行っているとのことです。
経済環境部の役割
文化財を「観光資源」として活用し、情報発信や誘客の取り組みを推進しており、特に、日本遺産「大山詣り」を活用したPRや宿坊体験ツアー、地域イベントへの参加を通じて観光振興に取り組んでいるとのことです。
両部局が連携し、「保存」と「活用」のバランスを保ちながら観光施策を展開することが重要とのことでした。
2. デジタル技術の活用
文化財の情報発信力を強化するため、デジタル技術の活用について質問し、以下の内容が確認されました。
これまでの取組
ドローンを活用したPR映像の制作、宿坊体験動画やデジタルマップの作成が進められており、中でも日本遺産「大山詣り」をテーマとした動画は、4万回以上の再生数を記録しているとのことです。
今後の方針
市民や専門技術者と連携し、文化財に関する新たな動画やデジタルマップを制作することが提案されているとのことです。また、X線解析や3D計測技術を導入することで、文化財の歴史的背景や構造の解明を進め、それを教育コンテンツとして発信する取り組みも検討されているそうです。
3. 市民協働による情報発信
情報発信において、市民協働の重要性について提案したところ、以下の答弁がありました。
市民団体や地元企業と連携し、デジタルマップや映像コンテンツの制作に取り組んでいる。「道灌まつり」や「大山詣り」の動画制作には、市民や協力団体の支援を受けており、今後も市民のアイデアやノウハウを活かしたコンテンツ制作を進める方針であるとのことでした。
意見と提案:文化財の価値向上とデジタル技術の活用について
今後の観光振興において重要なのは、SNSによるインフルエンス力が鍵を握る点です。特に文化財を活用した観光施策では、SNSやデジタルツールを最大限に活用し、広報戦略課やデジタル推進課と連携することで専門性を活かした施策を進めるべきです。部局間のさらなる連携強化を図り、保存と活用のバランスを保ちながら事業を進めるため、定期的な連絡会議を開催し、広報戦略課の知見を活かしたプロモーション戦略や、デジタル推進課によるAIを活用した投稿分析やターゲット層への効果的なアプローチ手法を導入する必要があります。また、市民が持つノウハウや技術を活用し、文化財に関する動画やデジタルマップを共同制作することで、地域全体で文化財の魅力を発信する仕組みをつくることが重要です。
さらに、デジタルマーケティングやSNS運用に精通した職員を専任化し、情報発信の質と効率を向上させる体制を整えることで、観光資源としての文化財のブランド化が期待できます。デジタル技術は文化財の保存と活用の両面で大きな可能性を秘めており、X線解析や3D計測技術を活用することで文化財の構造や製作技術を調査し、新たな価値を発見することが可能です。これにより、文化財の歴史的意義を解明し、それを観光資源や教育コンテンツとして展開することで、市のブランド化を図ることができます。
文化財の保存と活用を推進するためには、文化財所有者、地元企業、教育機関、技術提供者など多様な主体が連携し、「Win-Win」の関係を築くことが不可欠です。こうした協力体制のもと、デジタル技術を取り入れた新しい文化財活用策を展開することで、地域経済や観光振興への波及効果が期待されます。デジタル技術の活用は文化財の保存・活用に非常に有効であり、本市の魅力をさらに高め、地域の発展に不可欠な手段であることを述べた次第です。
2024年12月16日 20:00