「それを聞いて、どうするの?」AIとの決算審査で見えてきたこと。
令和7年度の決算審査が来週に控えています。現在、AIと共に、決算書、主要な施策の成果に関する説明書、当初予算審査や過去の決算審査の会議録などを照らし合わせながら、一つひとつの事業を確認しています。
この記事は、その作業の中で気になったことを、メモとして書き留めておきたいと思います。
作業方法としては、AIへ決算に関するすべてのデータを読み込ませて、予算と決算の歪みを抽出。その抽出に際して、質問形式で出力させるというものです。
その作業の中で出力された原稿を読んで、私は何度もAIに同じことを言いました。
「それを聞いて、どうするの?」
予算額と決算額に差がある。AIはそこから「当初の見込みと実績に差が生じた要因について伺います」という質問を作ります。
一見すると「決算審査らしい」質問。
しかし、その差を聞く意図がないまま聞いても、「対象者数が見込みを下回ったためです」という答弁でラリーが終わってしまう可能性が高い。
それでは、何を確認したかったのかが分からない。
今回の壁打ちでは、数字の根拠を確認するため、過去の会議録や資料をAIを活用しながら何度も探しました。そこで分かったことを踏まえ、質問を残すかどうかを考えていきました。
例えば、児童手当。
制度改正によって支給対象や支給額が拡大し、決算額も大きく増えました。一方で、不用額も生じています。
しかし、児童手当は、国の制度に基づき、対象者に定められた額を支給するものです。市が自由に支給額を決めるものではありません。つまり、当初の見込みと実績に差が生じれば、不用額も生じます。
重要なのは、その不用額の理由から、何を確認したいのか。
その先に確認したいことが見いだせず、この質問は外しました。
反対に、見込みと実績の差から、さらに確認したいことが出てくる事業もあります。
在宅重度要介護者等へのタクシー利用助成では、当初200人を見込んでいたのに対し、実績は68人。
新しく始めた支援が、必要としている人に届いたか?
対象者の見込みが違ったのか?
制度の利用につながらない理由があったのか?
これらの理由を確認するには、当初の見込みを知る必要があります。
何人を見込み、何回の利用を想定したのか。単価はいくらだったのか。どのような事業量を予定していたのか。
つまり、積算根拠が必要だという事です。
過去の予算審査や決算審査の会議録には、こうした積算根拠が、議員の質問と執行部の答弁によって残されています。膨大な質疑内容から情報を探し、つなぎ合わせることで、当初の予算の根拠を紐解いて行きました。
ただ、その作業を繰り返す中で、
「これって、最初から資料に記載してくれれば相当助かるのにな」
私がこれまで何度も提案してきたことに行きつきます。
もちろん、質疑を通じて確認することは重要です。しかし、予算審査でも決算審査でも、積算根拠を確認し、その答弁を前提に深掘りする場面があります。
この最初の確認にかかる時間は確実に減らせると思っています。
予算では、対象者数や単価、事業量などの積算根拠を、最初から資料に記載する。決算では、不用額や増減が生じた理由を記載する。
そうすれば、その説明を聞くところからではなく、その数字や理由を前提に、予算の妥当性や事業の成果について議論に入れます。
聞けば答えられる。では、なぜ最初から資料に書いておけないのか。
今回の決算審査の準備を通じて、改めて感じた改善の方向です。
2026年09月10日 20:00