三浦市長選 2017 立候補予定者アンケート
市政継続か、改革か 現・新2氏の一騎打ちへ
任期満了に伴う三浦市長選挙(6月11日告示、同18日投開票)の動きが活発化している。12年ぶりの選挙戦となる見込みで、飯田俊行氏(新人)と吉田英男氏(現職)が出馬を表明し、一騎打ちの公算。今月4日には三浦青年会議所主催の公開討論会が開かれ、産業、教育、医療などの政策をめぐり主張をぶつけあった=写真。(紹介は出馬表明順)
市民感覚の行政実現へ 飯田俊行氏(新人)
「改革こそが三浦市を変える」――。
訴えるのは、市民が参加できるクリーンな市政運営。一市民として三浦で生活、地域活動する上で抱いた行政への不信感から次期市長選を見据えて、仲間らと立ち上がったのが今年2月。外郭団体や第三セクターへの助成金の見直しと経費削減、二町谷埋立地問題の精査と早期売却、歴史文化を活用した観光活性、情報公開。「12年の間で大きな課題が解決していない。市民は気付いている」。長期政権からの脱却と新市政発足へのうねりを肌で感じ、出馬表明の背中を押した。
柱の1つとして掲げるのは、市長・副市長の報酬50%削減を皮きりにした財政再建。削減分を小児医療費助成制度の義務教育終了時(中学3年)まで引き上げ、食材価格高騰を理由に今年4月、18年ぶりの値上げとなった学校給食費などに充てたい考え。そのほか、子育て世代の移住定住促進には、「学童指導員の待遇改善や現在休診している三浦市立病院の産科の再開が必要」などと話した。
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3年後に開催を控えた東京五輪・パラ五輪。県内では事前キャンプ地の誘致に乗り出す市町村もあるなか、三浦市としてもこれを経済活性化の好機と捉え、三浦特産の野菜や海産物を選手村などでの食材提供に名乗りをあげてはどうかと提案。また、衰退傾向にある沿岸漁業底上げ策には富山、根室と並ぶ"日本3大深湾"で知られる相模湾の特性を活かし、深海魚をブランド化させる妙案を示した。
市の長年の懸案課題である交通渋滞の解消には、引橋交差点に一点集中しない具体策が必要だと強調。東海岸道路の積極利用や「仮に京急三崎口駅からの鉄道延伸が難しいようならば、金沢シーサイドラインのようなモノレール構想もある」
観光振興に関しては、海や船を使った観光、ジオパーク化といった今ある地域資源を活用した新たな商材の創出にも意欲を見せており、「これまで点だったものを線にしていく」と述べた。
住民目線、市民感覚が第一義。一般企業での豊富な勤務経験を活かした舵取りで無駄の徹底カットをめざす。「これは挑戦」。自らを奮い立たせた。
雇用と産業振興が人を呼ぶ 吉田 英男氏(現職)
3期12年、市内の現状をつぶさに見聞きし、市政運営に取り組んできた自負がある。依然として厳しい状況下にある市財政は自主財源の確保に努め、国・県の補助金交付やふるさと納税を積極活用。産業衰退や人口減少に影響される街の閉塞感を打破すべく始まったトライアルステイ(お試し居住)事業や県の「新たな観光の核づくり」事業なども進行していることから、「まだ道半ば。次のステージに向けて頑張りたい」との出馬への思いを語る。
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都心から約1時間というアクセスの良さもあり、日帰り客が圧倒的に多い市内観光。産業振興には滞在時間の延長、特に宿泊による消費額の増加をめざす必要があり、風景・食・体験など複合的に楽しめる工夫をしなければならないとした。また、「渋滞は大きな観光地の宿命」と休日を中心に発生する慢性的な交通渋滞に触れながら、三浦縦貫道路の2期区間が2019年の供用開始予定と紹介。県と足並みを揃え、着実に進んでいることを強調した。
一次産業の活性化には、海外に目を向けるグローバルブランディングが必要と述べた上で、組合や生産者とともにキャベツやダイコン、マグロやサバなど"三浦ブランド"の認知度をさらに高め、産地間競争に負けない体制を整えていく。そのほか、水揚げ船の誘致のためのポートセールス、過去に10組の成婚実績がある農業後継者対策の婚活イベントの継続実施の意向を示す。
止まらない若年層の流出には雇用環境の充実、産業づくりが急務。市だけでなく、半島という立地から近隣市との連携が不可欠だと話す。一方で、保育園待機者ゼロの継続をアピール。行政と現場の密なコミュニケーションで、人手や運営コストが特にかかると言われる0歳児保育のニーズにも対応できていると訴える。
三浦市総合計画の重点施策にも据えられている市内雇用の創出が活性化のカギだが、前提として「三浦を好きにならないと、三浦に残ろうとは思わない」と持論を展開。「三浦を何とかしようと一緒に取り組める環境をつくりたい」と述べた。
「三浦市は、人よし、食よし、気分よし」をキャッチフレーズに掲げ、さらなる前進と発展を誓った。
立候補予定者(左から名前・年齢・政党・新現・各SNS ※出馬表明順)
氏名 | 年齢 | 党派 | 新現別 | リンク | |||
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飯田 俊行 | 68 | 無所属 | 新 | ||||
吉田 英男 | 61 | 無所属 | 現 |