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横浜市長選 2017 立候補者アンケート

現職に2新人挑む構図か

 任期満了に伴う横浜市長選挙が、7月16日に告示、同30日に投開票される。現段階で出馬を表明しているのは元衆議院議員の長島一由氏(50)、現職の林文子氏(71・2期)、前横浜市議の伊藤大貴氏(39)。タウンニュースでは立候補を表明した3人に対して、政策などのアンケート調査を実施した。

 市長選に向けては、1月に長島氏が出馬を表明。林氏と伊藤氏は、6月に立候補の意向を明らかにしている。3人はいずれも無所属。

 本紙アンケートは全14問。最重点政策や少子高齢化対策など市政の幅広い分野について、考えを聞いた。

 4年間の林市政について、長島氏は待機児童減少や起債の抑制を評価しながらも、「国民健康保険料や介護保険料の値上げ」などを問題視。林氏は公共施設耐震化や防災減災推進員育成、待機児童対策や在宅医療連携拠点の整備など実績をアピールした。伊藤氏は、市立小中学校の英検導入を評価。一方、希望する保育施設に入れない児童が3千人以上いる点を指摘した。

 家庭弁当と配達弁当「ハマ弁」の選択式の中学校給食については、林氏は値下げや注文方法見直しによりハマ弁の浸透を図る考え。長島氏は他の政令市の導入状況、伊藤氏は共働きやひとり親世帯への支援などを理由に、ともに「中学校給食の実現」を掲げた。

 横浜が候補地の1つとされている、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致。林氏は、ギャンブル依存症や犯罪対策を議論する必要があり「今は白紙」とした。「カジノ反対」を強調したのは長島氏と伊藤氏。ギャンブル依存症、借金苦による自殺者増加(長島氏)、治安の乱れ(伊藤氏)などを懸念している。

 最重点政策については、林氏が子育て・女性・高齢者への支援、災害対策、経済活性化を挙げた。長島氏と伊藤氏は「カジノ反対」と「中学校給食の実現」で共通。これに加えて、長島氏は情報公開の推進、伊藤氏は介護・医療施策の充実などを打ち出している。

※2017年7月10日起稿

立候補者(左から名前・年齢・政党・新現・各SNS ※出馬表明順)

  氏名 年齢 党派 新現別 リンク
長島一由画像 長島 一由
ながしま かずよし
50 無所属 twi FB HP
林文子画像 林 文子
はやし ふみこ
71 無所属 twi FB HP
伊藤大貴画像 伊藤 大貴
いとう ひろたか
39 無所属 twi FB HP

アンケート結果

設問をクリックすると回答が表示されます
    長島一由画像長島 一由 ■評価できる施策:
    待機児童の減少。税金の無駄遣いが多いものの、過度な借金は重ねていないこと。
    ■その理由:
    待機児童が社会問題化している中、集中的に問題解決に取り組もうとしてきたこと。また、競争の原理が働かない1社応札が約230億円あるなど税金の無駄遣いは多いが、過度な起債を避けていることは一定評価できる。
    ■評価できない施策:
    カジノ誘致、瀬上沢の森開発計画、MM20街区の土地売却問題など特定の人たちに利益を与えようとする取り組み。国保健康保険料約15%、介護保険料約33%(両方では1人当たり年額平均33,826円)の値上げ。
    ■その理由:
    政治献金を集め、カジノ誘致やMM20の不可解な土地取引問題、蛍の生息する森の開発など、特定の人たちに利益を与えようとし、市民に負担を強いる林市長の古い昭和の政治手法に多くの市民が不信感を抱いている。
    林文子画像林 文子 ■評価できる施策:
    安全で安心なまちづくり。
    ■その理由:
    約2,500の公共建築物(学校、区役所等)の耐震化完了、約1,400人の防災減災推進員育成など防災・減災の取り組みや、保育所待機児童対策・在宅医療連携拠点の全区設置など、少子高齢化対策を充実させた。
    ■評価できない施策:
    なし。
    ■その理由:
    子育て・教育・福祉、経済からまちづくりまで、市民の皆様とお約束した施策を「中期4か年計画」にしっかりと盛り込み着実に進め、将来につながる成果を創出し、子どもの貧困対策など喫緊の課題にも取り組んだ。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 ■評価できる施策:
    横浜市立小・中学校での英検導入。
    ■その理由:
    横浜市会で、当時市会議員であった私伊藤ひろたかが訴え続けてきた、英語教育改革の提案が実現したもの。さらなる公教育の学力向上に取り組んでいきたい。
    ■評価できない施策:
    待機児童「ゼロ」という、実態が伴わない数字のアピール。
    ■その理由:
    29年4月の待機児童は2人でも、保育園に入れなかった「隠れ待機児童数」は3257人にもなる。給食を出していなかった認可保育園の問題も明るみになった。量だけを求めて、質を高めず、数字でごまかすようなやり方は改めるべき。
    長島一由画像長島 一由 カジノ反対、情報公開全国No.1、特定健診受診者への国保料又は敬老パスの割引、中学校給食の実現、人と企業の雇用ミスマッチ解消、環境保全・景観改善、電柱の地中化・バリアフリー推進、地域ブランディング等。
    林文子画像林 文子 将来を支える「子育て」「女性」「高齢者」への支援など人への投資の充実と、「災害対策」の強化による安全・安心な暮らしの実現。そして、その土台となる活力を生み出す「横浜経済の活性化」を5つの柱として推進。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 中学校給食の実現と、カジノ誘致反対が大きな争点。少子高齢化社会において、高齢者の方に安心できる老後を過ごして頂ける、介護・医療施策の充実と、子育てしやすい環境づくりは緊急課題。
    長島一由画像長島 一由 林市長は対策を取らず国保料・介護保険料をどんどん値上げしているが、私が市長になったら代案として、特定健診受診者には国保料又は敬老パスを割引することで受診率を上げ、介護・医療費の伸び率を抑制する。
    林文子画像林 文子 人口減少社会の到来、高齢者人口が約100万人となる2025年問題、都市インフラの老朽化などの課題を見据え、設問2でお示しした5つの政策を課題解決の柱として市民生活の「今」と「将来」を支える施策を推進。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 現役世代の市外への人口流出。日本一の学校教育を実現するほか、郊外住宅地の再生による住環境の向上や、民間企業との公民連携による経済活性化など、住み働く場所として横浜が選ばれる都市にしていく。
    長島一由画像長島 一由 これまでの財政規律を維持しつつ道路やハコもの施策からひとへの投資に切り替えていくために、無駄と思える、ないし優先順位が低いと思われる事業の借金を排除し、本当に必要な政策に限って起債を活用していく。
    林文子画像林 文子 現中期計画でお約束した「プライマリーバランスの均衡」は、29年度予算で65億円の黒字を達成した。この方式は、市債残高を着実に減らし、将来に過度な負担の先送りをしない財政運営のための重要な指標である。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 財政規律は非常に重要で、プライマリーバランスの堅持、黒字化は重要。横浜方式のプライマリーバランスを評価指標に戻すことを検討したい。まずは生産性の高い行政運営体制を構築する。
    長島一由画像長島 一由 1995年1月に当時フジテレビの記者として発災直後の神戸で取材をしたが、二次災害の拡大を抑止する電線・電柱類の地中化及び、迅速な初動体制に入るための情報収集ネットワークの構築。
    林文子画像林 文子 「災害に強いまち・ひと・地域づくり」に取り組む。まちの不燃化や橋梁等の耐震対策に加え、バリアフリー化や無電柱化、女性の視点に立った防災計画の推進、自助・共助の普及啓発の推進などの取り組みを推進する。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 災害拠点病院や災害時緊急病院のうち、耐震性不足の診断を受けた7施設が、いまだ具体的な改修や建て替えの目途がたっていない。震度6強以上で倒壊の恐れが指摘されている病院もあるので、至急対応が必要。
    長島一由画像長島 一由 日本一人口の多い基礎自治体である横浜の最大の弱点は市民と役所との距離感。自治を確立するために、まずは、18区ごとにまちづくり条例を制定し、より地域特性を活かした街並み形成を市民参加で推進していく。
    林文子画像林 文子 区の身近できめ細やかな行政サービスと、局の広域的で専門性の高い事業を一体的に提供できる大都市・横浜の強みを最大限に生かし、区役所の機能強化や住民参画機会の充実など都市内分権を推進していく。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 横浜市が目指す特別自治市の実現は重要。その上で、18区それぞれの特徴に合わせた行政運営ができるようにしたい。各区の独自予算を増額させたり、方面別や人口別での施設整備なども検討していきたい。
    長島一由画像長島 一由 生活の利便性を確保することに加え、住む場所への愛着や誇りを持てることが基本原則。ひとやまちの潜在力を引き出す文化政策を着実に進め、そこに住むひとたちのエピソードやストーリーを発掘し、地域にまぶすこと。
    林文子画像林 文子 緑豊かな郊外部は、横浜の大きな強み。住宅地の再生・活性化を進め、防災性や利便性の向上を図るとともに、新たな活性化拠点として、米軍施設跡地や里山ガーデン跡地をより一層魅力あるエリアに磨き上げていく。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 建築基準法の規制緩和を利用し、住宅街にコンビニの設置を認めたり、小・中学校の老朽化に伴う建替え等の際に保育園や街の交流拠点にするほか、公園等の公共空間を、民間企業との次世代型公民連携の導入で地域経済の活性化を図る。
    長島一由画像長島 一由 横浜市では需要に全く追いついていない。ご本人にとってもご家族にとっても大変切実なこの問題。整備病床数の大幅な改善計画を策定し、ひとりでも多くの方が速やかに施設に入居できるように改善に取り組む。
    林文子画像林 文子 団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、特別養護老人ホームの整備量を、現状の年300床から2倍程度に拡充する。都心部では特別養護老人ホームのサテライト型も展開し、入所待機者を大幅に解消する。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 横浜型地域包括ケアシステムの構築、推進は欠かせない。そのために、医療や福祉関係機関との連携を深める。合わせて、地域でケアに携わる人材の育成を進めると共に、福祉人材の処遇改善に向けた取り組みを行なう。
    長島一由画像長島 一由 求職中や育児休業中の家庭の保留児童数も含めた実質待機児童の解消を目指し、保育園などの施設の要件緩和や施設で働く方に対する待遇改善など、あらゆる手段を講じ、働きながら子育て可能な環境拡充に取り組む。
    林文子画像林 文子 保留児童には様々な事情の方がいるため、保育・教育コンシェルジュが一人ずつニーズを丁寧に聞き取り、その方に合ったサービスをご案内している。今後もきめ細かくフォローし、ハード・ソフト両面で取り組んでいく。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 給食を提供していなかった認可保育園の問題が発生するなど、質の向上のための取り組みは必須。事業所内保育所の推進のほか、女性による起業支援などで地域雇用を創出し、職住近接で子育てしながら働きやすい環境を充実させる。
    長島一由画像長島 一由 伸び盛りの中学生たちにとって給食は福祉的な側面からも欠かせない時代になりつつあり、こうした背景と多くの政令市でも中学校給食を実施している実情を鑑み、2021年4月以降の「中学校給食」実現を目指す。
    林文子画像林 文子 7割以上の生徒・保護者が希望された配達方式により、栄養バランス・温もりのあるハマ弁を実施している。今後は、値下げや注文方法の見直し等により、他都市に遜色のない「横浜スタイルのハマ弁給食」を実現する。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 実施するべき。共働き世帯が増えていることや、ひとり親家庭が増えていることから、働きながら子育てする世帯のためにも、そして経済的に困難を抱える家庭と子どものためにも、緊急の課題。
    長島一由画像長島 一由 短期的なインバウンド対策としてベーシックな外国語表記、両替所の拡充などに取り組むほか、長期的な展望に立った誘致策として、横浜特有の歴史やエピソードを発掘・再発見し、世界に向けて積極的に情報発信する。
    林文子画像林 文子 横浜らしい特色のある文化芸術フェスティバルやスポーツイベントを実施し、横浜の魅力を世界に発信する。併せて、横浜の強みである港・クルーズや観光資源、MICE機能をグレードアップして集客増を図る。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 試合の観戦などが終わった後、夜の横浜を楽しんでもらえる取り組みが重要。美しい臨海部の景観を楽しんでもらいつつ、横浜ならではの水辺の魅力づくりや、公園など公共空間の活用に取り組みたい。
    長島一由画像長島 一由 林市長のもと横浜市は税収61億円を見込んでいるものの、ギャンブル依存による生活保護世帯が5%増えると年間約63億円ものコストが生じるほか、借金苦による自殺者が増えるリスクなどが想定され、カジノは反対。
    林文子画像林 文子 IRは、総合的に幅広く議論し、青少年の保護や依存症、犯罪防止等への対策が国レベルで講じられることが不可欠。こうした対策の中身や、市民の皆様のご意見を伺いながら適切に判断していくべきで、今は白紙。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 横浜にカジノは要らない。ギャンブル依存症、風紀・治安の乱れ、青少年の育成上も問題。横浜らしく、先進的で、横浜にしか無い魅力づくりによって、カジノに頼らない開発が必要。
    長島一由画像長島 一由 港の見える丘公園(高校時代によくバイクで出かけたから)、海の公園(趣味のウインドサーフィンのスポットのひとつだから)、本郷台駅(1996年総選挙で妻と初めて出会った場所だから、笑)。
    林文子画像林 文子 昔ながらの田園風景、青葉区の「寺家ふるさと村」。心が穏やかになる。おいしい野菜や、浜なしを買い求めることができるのも嬉しい。市長公舎から見える野毛の街と横浜の発展を支えるみなとみらいも大切な場所。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 各種公園。特に三保念珠坂公園は横浜郊外の豊かな農空間を一望でき、かつ視界に電線がないという素晴らしい眺望。もう1つは根岸森林公園。市内の中心部とは思えない豊かな緑とその向こうに見えるみなとみらいのコントラストが素敵。
    長島一由画像長島 一由 ザ・フェデラリスト(A.ハミルトン、J.ジェイ、J.マディソン著)
    林文子画像林 文子 「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」という『星の王子さま』の一節。この言葉を胸に、市民の皆様の心の内に耳を傾けることを心掛けている。
    伊藤大貴画像伊藤 大貴 人生に影響を与えるほどの本には出会っていない。ただし、価値観の多様性を考えるきっかけになったのは漫画「ブラックジャック」。

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