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昨日の教育・スポーツ振興対策特別委員会質問メモ

昨日の教育・スポーツ振興対策特別委員会において、質問に立ちました。会派としての持ち時間は、80分で、そのうち、20分、私が質問に立ちました。

「神奈川県総合リハビリテーションセンター・温水プールの使用」について、以下の様な答弁があり、かなりの時間を使用したため、全ての質問を行うことはできませんでした。(備忘録のため、下の残しておきます)

(さとう):「せっかく、障害を持った方が使用できるプール施設があるのに7月と8月以外、使用していない実態は、障害者スポーツを推進し、パラリンピアンへの支援を大きく拡充しようとする神奈川県としておかしい」

(県立病院課長):「使用者が費用を負担すれば、指定管理者である財団も使用していいとおそらくいうだろう。」

(さとう):「パラリンピアンは平均で年間147万円もの支出をしていて、ただでさえ、協議の継続が難しい中にあって、自前で費用負担すれば(県立の施設を)使わせてやるという姿勢は、県として、いかがなものか。指定管理者の責任ではなくて、県が負担して行うといった発想はないのか」

といったやり取りをしました。(※ 議会での正式なやり取りは、これから作成される議事録となります)

その後、寺崎県議が引き受けて、障害者スポーツについて取り上げましたが、「このレベルでは、先が思いやられる」というのが、正直な感想です。明日は、予算委員会。

理事として、しっかりとがんばります。


~~~~~~~

(教育・スポーツ振興対策特別委員会質問) 質問想定時間20分 (さとう知一持分)

(以下、備忘録・さとうメモ)


大磯町在住の大隅良典・東京工業大栄誉教授が、ノーベル医学・生理学賞を受賞されました。細胞が自分のタンパク質を分解してリサイクルする「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる 仕組みを解明したことが授賞理由とのことであります。本県の推し進める未病の取組みにも大きく寄与する研究であると考えております。

数々のご功績とともに、「継続は力なり」の実例を後進にお示しくださいました大隅教授には、今後の更なるご活躍をご祈念すると共に、本県としても大隅教授のみならず、研究者への支援体制の確立を要望させて頂き質問に入ります。


1、

オリンピックの開催会場を持つ県として、また、開催地、東京都の隣接県として、神奈川からも大いに大会を盛り上げていく必要があります。

そこで、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において、野球、ソフトボール、サッカー、セイリングの県内在住の競技者、アスリートに対する支援をする予定はあるのか、お伺いします。

また、パラリンピアンに対しての支援はどうなのか、お伺いします。


1-2、

資料においても、学校のスポーツ活動の充実や県内中学校における部活動の活性化が挙げられています。例えば、ソフトボールでいえば、神奈川県立厚木商業高校のソフトボール部女子は、全国屈指の強さで、オリンピック日本代表として出場した卒業生も多くいます。公立高校という私立高校と比べるとかわいそうなくらい、恵まれない環境の中でも、獲得した全国タイトル優勝回数は、全国高校最多でありました。野球、ソフトボール、サッカー、セイリングとそれぞれ、オリンピアンを生み出す高校もあるかもしれませんが、神奈川県立高校の中で、厚木商業高校女子ソフトボール部の存在は、間違いなく、突出しています。

例えば、環境面でもう少し充実してあげれば、間違いなく、オリンピック金メダル獲得にも大きな影響があると思うのですが、このあたりについては、どのようにお考えでしょうか。


1-4、

私も毎年、神奈川県立厚木商業高校の女子ソフトボール部の全国大会への壮行会にお招きを頂き、激励させて頂いております。全国大会に向けての壮行会が行われる会場は校内の格技場ですが、天井には、いくつも大きな穴が空いています。この穴は、ここ数年修復されないでむしろ穴が大きくなっていております。どこの県立高校も整備にかかわる予算が極めて限られていることは承知しております。

私は、当時はスポーツが非常に強かった私立の高校を卒業しておりますが、全国大会常連の部活動にしては、あまりにも環境が違い過ぎるなと感じていました。

もちろん、練習環境を整備さえすれば、スポーツが強くなるわけではありませんが、例えば、私立の強豪校であれば、全国大会に出るとそれなりの支援が出たりする中で、県立高校にはそれが、あまりありません。

特にソフトボールは、東京2020オリンピック大会では、金メダルが期待される注目種目となります。ある特定の県立高校の、しかも、ある特定の部活動にだけ支援をするというわけにはいかないと思いますが、やはり、オリンピックの開催会場を持つ県として、会場となる競技種目に対しては、特段の支援を検討することも考えても宜しいのではないかと思います。

厚木商業高校の格技場は、雨漏りもしているとのことでありますが、今後の修繕計画などがあれば、お伺いします。

(→「数千万円かかるが、現在、見積もり中。来年度の修復を予定している」旨の答弁あり。)


2-3、

今回のリオでは、惜しくもパラリンピックに出場がかなわなかった車いすバスケットの女子日本代表候補でもある鈴木百萌子(ももこ)選手が厚木に居ます。神奈川県総合リハビリテーションセンターの体育館等を拠点に、今度は、4年後のパラリンピック東京大会を目指しています。リハビリに励みながら、障害者スポーツができる環境は、全国的に見ても、とても貴重だと思います。

神奈川県総合リハビリテーションセンターに行くたびに、残念に思うのは、せっかくの温水プールが、いつもからっぽで使用されていないことです。障害者も使用できる環境の温水プールは、リハビリに励む障害者の方々はもちろんですが、パラリンピックを目指すアスリートにとっても、体に負担をかけない環境で筋肉を鍛えることができて、いいと思うのですが、障害者スポーツの推進を目指す神奈川県としては、このあたりどのように考えているのか、お伺いします。


3、

セーリング協議に伴う漁業の影響への対応について、お伺いします。

単に魚を取るだけではなくて、養殖等もあると思いますが、現状の補償についての話し合いや、保証金はどこが出すかなどの具体な話については、どの程度進んでいるのか、お伺いします。


3-2、

2018年には、テストイベント(プレプレ大会)、翌年にもプレ大会が予定され、翌々年には、オリンピックとなります。漁業関係の課題は、それまでに解決できるのか、お伺いします。


4、

2020年東京五輪・パラリンピックをめぐり、東京都の都政改革本部(本部長・小池百合子知事)の調査チームが、一部の競技会場の整備計画について抜本的な見直しを含めた提言を9月29日の会合でしたとの報道がありました。独自の積算で開催経費が2兆円を超す可能性もあるとの指摘を受けての見直し提言という事であります。調査チームは都が整備する主な8施設のうち、整備費が高額な水泳会場のアクアティクスセンター(683億円)、ボート・カヌー会場の海の森水上競技場(491億円)、バレーボール会場の有明アリーナ(404億円)について主に検討すると報道されています。

現在の整備計画を建設費や大会後の利用策など複数の点で「不適切な面がある」などと指摘しています。チームでは、建設を中止し、都外の別会場で開催するよう提言することも検討しているとも報道されています。県としては、把握していますか。


4-2、

2014年12月18日の平成26年第3回定例会の総務政策常任委員会で、この様なやり取りがありました。ちょうど、新国立競技場整備について、ごたごたとしていた時期でありますが、私は、7万2,000人収容の横浜国立総合競技場でありますから、ラグビーワールドカップの決勝戦が行われるメインスタジアムとしても名乗りを上げるべきであり、少なくともその準備をしておくべきであるとご提案申し上げましたが、新国立競技場の整備は2019年のラグビーワールドカップに間に合わせることが大前提であり、心配はいらないし、準備も要らないというような御答弁でありました。

その後、ラグビーワールドカップの決勝戦は、本県の横浜国立総合競技場で行われることとなりました。

今回も、水泳会場のアクアティクスセンター(683億円)、ボート・カヌー会場の海の森水上競技場(491億円)、バレーボール会場の有明アリーナ(404億円)について主に検討すると報道されています。

現在、本県において、手を挙げる予定はありますか。


5、

スポーツ推進のための条例の基本的な考え方について、を拝見すると「競技力の向上」において、国際的、または、全国的な規模のスポーツ競技会において、優秀な成績を収めることができるように努めるであるとか、能力を最大限に発揮することができるよう、必要な施策を講ずるよう努めるであるとか、優秀な成績を収めたもの、及び、スポーツの推進に寄与したものを顕彰、つまり表彰などをするということですが、そういったことが、記されています。

ここに記されている方針の通り、アスリートの育成は、とても大事です。

ただ、トップアスリートの育成と競技者のセカンドキャリア支援は、セットで語られるべきであると考えますし、近年、問題意識も高まりつつあります。

トップアスリートといえども、指導者になれるとは限りません。むしろ、これまでの競技者としての経験を生かせる仕事につけることの方が、レアケースであったりします。

本県が、オリンピックを契機にこうしたスポーツ推進に関する御認識を示されること自体、非常に画期的なことであると思いますが、そこで、競技者のセカンドキャリアについて、支援していく予定はあるのか、お伺いします。


5-2、

わが国では、オリンピックで活躍するようなトップアスリートは、社会人選手ということで、主に企業に社員という形で所属して、競技活動を継続してきたという歴史があります。そうした時代であれば、競技引退後も所属企業がセカンドキャリアを含めて、責任を持っており、問題にはなりませんでした。

その後、オリンピックにおいても野球競技に見るとおり、プロとアマの垣根が見えづらくなり、また、競技レベルが向上するにつれ、自分で稼いで自分で強化するような「プロフェッショナル」化していくこととなります。こうしたアスリートは、スポンサー等を自由に得ることができるようになった反面、「競技引退後も所属企業が面倒を見てくれる」という今まであった、引退後のシナリオもなくなってしまったわけです。これは、会社が運動部を廃止する流れと相まって、選手として引退した後のキャリア選択は、より厳しい環境となっています。

このあたりの県としてのご認識を、確認させて下さい。


5-3、

例えば、野球部や体操部、陸上部といった運動部を一企業ではかかえきれず、廃止の方向に動きやすい社会情勢にあると御指摘しましたが、例えば、一企業では、抱えきれない状況であっても、会社としての社会的責任、CSRの観点からも県民スポーツを応援したいとか、アスリートのセカンドキャリアに対して応援したいという企業は少なくないと思います。

神奈川県のような広域自治体が、そうしたアスリートと企業との「橋渡し的役割」を担う必要もあると思いますが、いかがでしょうか。


5-4、

この度、神奈川県では、WHO世界保健機関に職員を派遣することとなりましたが、例えば、県が持つ強力なコネクションを利用して、アスリートと海外の研究機関や大学、国内においても覚書を交わした企業やCHO構想に御協力頂いている企業などへの橋渡しのお手伝いなどはできないものかと思いますが、このあたりについてはいかがでしょうか。


(要望)

もちろん、全てのアスリートがセカンドキャリアとして。海外で活躍できるとは思いませんし、むしろ、海外より国内の民間企業で働きたいという方のほうが多いとも思います。

日本サッカー協会や日本プロ野球機構は、進学や就職あっせんなどのセカンドキャリア支援を行っています。十分成果を上げているとは言い難い状況であると仄聞しておりますが、神奈川県だからこそできることも多くあると思います。

筑波大学アスリートのセカンドキャリアプロジェクトの菊幸一教授は、次のように述べられています。

「「セカンドキャリア問題」は単に引退選手の職業斡旋の問題として片付けられるものではなく、日本におけるスポーツの意味・価値の低下につながる構造的な問題として捉えなければならない。つまりトップアスリートの「セカンドキャリア問題」は、個人レベルではなく、社会レベルの問題として強く認識されるべきなのである。したがって、この問題の解決のためには、トップアスリート支援を「発掘→育成→強化」にとどまらず、スポーツで培った能力を引退後に社会に示すところまで広げなければならない。そして、スポーツの能力には様々な汎用性、応用性があることをスポーツ界が証明し、その能力獲得過程から個人の能力を正しく評価し活用するまでのキャリア全体について、スポーツだけでなく社会のモデルとできるような取り組みが必要であるといえる。」とのことであります。是非、こうした視点をお持ちいただけるよう、強く要望します。


6、一つ確認しますが、先ほど、会社としての社会的責任、CSRについて、触れました。県の条例の中に「企業の責任とスポンサー」についての考え方は、どこかに示されているのか、本県としての考え方と合わせて、お伺いします。


7、スポーツ観戦について

英国のスポーツ関連市場を見てみると、2012 年ロンドンオリンピックの経済効果がスポーツ 関連市場にも影響していたことが把握できるとのことであります。

我が国のスポーツ市場は縮小傾向にあるとの数字も出ております。2020年を絶好の機会と捉え、あらゆる取組を総動員し、市場拡大を目指すべきであろうと考えます。

単に経済的な問題にとどまらず、文化としてもスポーツ観戦をすることが身近にあるということは、活力ある神奈川を創るためにも必要となります。

様々な立場でスポーツに参加することを考えた場合、トップアスリートの活躍を間近に見ること、ボランティアとして運営に携わるなどもその一つです。

スポーツ観戦もスポーツ施策を推し進める中で、非常に重要なファクターでありますが、条例の中には、どの様に位置づけていたれるのか、お伺いします。


(締めくくり)

私の質問は、以上と致しますが、今回の質問においては、これからの神奈川県を考えていくうえで、非常に必要な事務事業だと思い取り上げた事務事業でありました。昨今のオリンピックのレガシー論が盛んですし、黒岩知事もオリンピック後のレガシーとして、といった表現を多用されています。

しかし、その内容は、競技場などのインフラのその後をどうするのか、といったハードな話題に終始してしまいがちです。

ハードの話のほうが分かりやすいですし、私自身も取り上げがちであります。

半世紀前の東京オリンピックでは、新幹線、首都高速道路整備、羽田と都心を結ぶモノレール、選手村跡地には、代々木公園ができました。今から50年経った後、そういえば、東京オリンピックを境に生活も大きく変わった、とても便利になった、仕事しやすくなった、生活もしやすくなったと言われるような社会をつくるためにも必要なことばかりを取り上げたつもりです。

2020年に開催される東京オリンピックを一つの目標として、大きく変わりゆく神奈川県においても、ハードのみならず、ソフト面にも目を向けて、事務事業の推進をして頂けるよう強く要望します。

アスリートの育成は、とても大事です。また、トップアスリートの育成と競技者のセカンドキャリア支援は、セットで語られるべきであると指摘をさせて頂きました。

一方、スポーツ選手は一般人よりも行動依存症(ギャンブル依存症など)になりやすいと言われています。行動依存症に陥らないため、アスリートへの教育および指導者育成にこの観点を盛り込んでいく必要があります。また、陥ってしまったアスリートに対する回復プログラムの開発、実施も必要となります。

私の地元である厚木市もホストタウンの一つとして、ラグビーワールドカップや東京五輪に備えて、活発に動いています。県内市町村に対する県としてのサポートを強く要望します。

以上を指摘させて頂き、私の質問を終わります。


~~~~~~~


【写真】: 本日の読売新聞(2016年10月5日)にも私の質疑関連について、取り上げて頂きました。


カテゴリー:メディア掲載情報, 政策研究・勉強会, 佐藤知一コラム
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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

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