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【原稿メモ】神奈川県議会 国際文化観光スポーツ常任委員会 意見発表・委員会採決

本日の常任委員会採決にあたり、本日、県議団を代表し、意見発表をさせて頂きました。意見発表は、他の議会では「委員会討論」とも呼ばれているものです。

一般に採決の流れは、議員が(議案等に対して)賛成、もしくは 反対の意思を表明して、最後に可・否を決める(採決)となっています。神奈川県議会では、本会議で行うものを「討論」、委員会にて行うものを「意見発表」と呼んでいます。目的は、委員会採決前に(それまでの質疑を踏まえ)賛否の理由を述べることにより自分の意見に賛成・同調することを他の議員に対して求めるというものです。

実は 県議会の場合、県議団で事前に賛否を決めているので、(討論や委員会意見発表によって)賛否が変わることはありませんが、私は、厚木市議会議員時代に本会議の討論を受けて、賛否を変えたことが一度だけあります。


本日の私の意見発表の内容は、以下の通りです。(県議会の議事録掲載をもって正式な発言となります)


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【神奈川県議会 国際文化観光スポーツ常任委員会 意見発表】


県政会県議団 さとう知一です。議員団として、今定例会、国際文化観光スポーツ常任委員会に付託された議案について、賛成の立場から意見要望を申し上げます。

はじめに、国際文化観光局所管事業についてです。本県を訪れる観光客の利便性と満足度向上を図るため、国内観光客向けウェブサイトとして、リニューアルされた「観光かながわNОW」と かながわの名産100選等に関わるライセンス等の在り方についてであります。

昨年2月に新たに選定した「かながわの名産100選」を象徴するロゴ・マークが完成しました。このロゴ・マークは、県と「連携と協力に関する包括協定」を締結している学校法人岩崎学園の横浜デジタルアーツ専門学校の学生に、制作して頂きました。主催者が利用することを前提としたシンボル・マークなどの作品の公募の場合でも、採用作品の著作権の帰属を明確にしておく必要があります。

公募における採用作品の著作権も、原始的には入選者に帰属するとのことです。このロゴマークの著作権について、確認したところ、現状は、応募された学生に帰属しているので、近日中に覚書を締結するとのことでありました。


また、「QRコード」は、一般名ではなくて、(株)デンソーウェーブの登録商標となっております。そのため、サイトなどに「QRコード」と表記するときは、「QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です」という一文を記載しないといけません。これは、商用利用しない場合でも、QRコードの名称を使用する場合には、登録商標文は必要であり、該当媒体中、例えば、インターネットサイトの場合は、WEBページのいずれかのページに表記することとあります。そうした中、本県としては、きちんと対応していない事例もあるとのことでありました。


「厚木シロコロ・ホルモン」の商標権の今後の行方については、マスコミなどについても、多く報道されています。本県の認識では、商標法第26条第1項第6号では、「その使用が明らかに他者商品について言及した記述や説明に過ぎないという場合、商標の使用に当たらない」とされているとされ、この認識の上、県は、「かながわの名産100選」に「厚木シロコロ・ホルモン」を選定し、現在までパンフレット等でPRして参りました。


4月以降「厚木シロコロ・ホルモン」の名称が消滅してしまう場合、県としても同じ名称でPRし続けることは適当でないと考えていられるのであれば、当初より、想定の上での選考を行うべきであったのではないかと考えます。

今後も、厚木市と調整したうえで、何らかの解決策を図ったうえで、引き続き「かながわの名産100選」の一つとして、PRしていきたいとのことでありますが、商標を持つ団体のご理解を頂いたうえで、トラブルの無いようにとお願いします。


私は、商標権やライセンスの取り扱いについて、本県は認識が甘いと指摘せざるを得ないと考えております。県としては、すべての権利を守り尊重する立場にあると考えますが、このあたりの認識も欠如していると考えられる点も散見されます。

かながわの名産100選については、選定された当事者にとっては、名誉やステイタスが高いと言われています。本庁全体として、きちんとした対応を期待し、要望します。


次に「浮世絵カフェ」についてであります。

浮世絵カフェを運営されているパフォーマンス集団「白A」の主宰者は、「日本ではブロードウェーのようにナイトタイムエコノミー(夜の経済活動)が無い。日本にブロードウェイを作ることをテーマに、神奈川県と英一番館と共同運営で夜の文化を盛り上げていきたい」と 意気込みを見せるとインタビューに答えています。

私もこれまで、日本大通りを中心としたブロードウェイの街づくりと県庁周辺施設においてのマグカルの取組については、平成30年第二回定例会などで取り上げ、「日本大通り周辺では、いつも何かしらの文化イベント等を実施している」というイメージを地域ブランドとして育て上げ、地域全体の知名度向上を図るという、現在の取組に繋がるよう発言を重ねて参りました。

これからの本県の観光振興を考えるにあたっては、富裕層をターゲットとするにしても、ゆとりと快適性の追求なくしては、取り込めないと考えますし、これまでの外国人に対するステレオタイプ的なアプローチからの脱却が、不可欠であると考えています。

これまでの質問でも指摘した通り、この浮世絵カフェの営業において、足りないのはプロモーションではなくて、マーケティングであると考えています。浮世絵カフェについては、集客の点も含めて、課題が多くあります。課題の解消に向けての取組を要望します。


次に

国際文化観光局所管の神奈川県民ホール、神奈川芸術劇場といった文化施設とスポーツ局所管の武道場や新たに整備される県立スポーツセンター、教育委員会所管の県立歴史博物館や県立生命の星・地球博物館といった県立施設との連携についてであります。

現在インターネット上では、「公立博物館は原則、無料のはず」なのに公立博物館が次々値上げしてけしからん。といった声が多くの賛同を得ています。博物館の設置やその運営について定めた博物館法の23条には「公立博物館は入館料を徴収してはならない」と書かれています。

一方で、「博物館の維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる」とあり、現状は、原則無料であるけれども、やむを得ず必要な対価として、徴収しているということになります。

私は、本県の観光政策の中に、もっと博物館を組み込んで活用することができれば、入館料ももっと安くなるはずですし、本県ではたびたび活用している寄附の仕組みを活用すれば、原則である無料化も可能であると考えています。

何より、インバウンドも考えた博物館等との連携は、これからの本県の観光振興の視点からも重要です。観光振興の視点からも、本県の部局をまたいだクロスファンクションの取組に期待し、推進を要望します。


次に

スポーツ局所管事業についてでありますが、シティドレッシング等実施事業費については、「東京2020大会の機運を高め、祝祭感を演出するため、県庁舎周辺を大会エンブレム等でドレッシング(装飾)するほか、江ノ電及び湘南モノレールの車両ラッピングを実施する。」とのことです。

東京の神宮外苑エリアに「五輪モニュメント」が設置され、撮影スポットとして人気があります。私も現地を見ましたが、青い芝生に大きな五つの輪、オリンピックマークが映えて、多くの方々が撮影したいと思うかたちに配置してありました。まさにインスタ映えするスポットとなっていました。

セーリング競技関連シティドレッシングと合わせ、本県においても、大会エンブレム等でドレッシングを行うとのことでありますが、御答弁頂きました通り、神宮外苑の五輪モニュメントに負けないものとして頂けるよう要望します。


次に

県立スポーツセンターの開設に伴う新たな取組みでありますが、「令和2年4月1日に、体育センターの再整備により、県の総合的なスポーツ推進拠点としてリニューアルオープンするスポーツセンター(藤沢市善行)を活用し、更なる スポーツ推進を図る。」とあります。

併せて、かながわパラスポーツの推進 事業費も示されています。「すべての人が自分の運動機能を活かして同じように楽しみながらスポーツをする、観る、支える「かながわパラスポーツ」を推進することを通じ、「ともに生きる社会かながわ」の実現を図る。」とあります。

リニューアルオープンするスポーツセンターにおいては、宿泊棟においては、全室車いす対応の宿泊室を42部屋ご用意。全室に車いすのままで回転可能なユニットバスを完備。と掲載されています。

新型コロナウイルス感染症対策のため、今月末に予定されていた内覧会は、中止とのことでしたが、障害のあるかたもない方も共にスポーツを楽しめるインクルーシブなスポーツ施設として、多くの県民が期待をしているところであります。宿泊棟内の施設において、着替えやシャワーなどの設備は、パラスポーツを楽しまれる方にも使用できるようご配慮を頂きたいと思います。

また、人工肛門・人工膀胱を造設している方、いわゆるストーマを付けた オストメイトの皆様にも対応したものとして頂きたいと思います。

制度上において、障害、障害者の呼称は定義はなされていますが、人を障害区分によって区分することは、難しいことです。障害特性においては、法律上は「身体障害」「知的障害」「精神障害 」の3つに区分されます。更に、身体障害は、「肢体不自由」、「平衡機能障害」、「音声機能、言語機能または咀嚼機能の障害」、「内臓の機能障害(内部障害)」に分けられます。

パラスポーツにおいては、公平性のもとにさらに詳細な区分がされています。とはいえ、本来は、まさにインクルーシブ、つまり、障害のある者とない者が共にスポーツを楽しむことが大事であり、インクルーシブなスポーツを通して、共生社会の実現に貢献していくことが大事であると考えています。

県立スポーツセンターの開設に伴い、県民の期待も大きなものとなります。本県の障害者スポーツの推進が新たなステージを目指して頂けるよう要望します。


次に

ラグビーワールドカップ機運継承事業費について、であります。

ラグビーワールドカップは、開催前までの心配を覆し、日本代表がベスト8進出と大躍進したこと等もあり、空前のラグビーブーム、結果として、日本中にラグビー旋風を巻き起こしました。大成功と言っていいでしょう。

今夏の東京オリンピックパラリンピック開催に向けて、今回の経験を本県スポーツ推進につなげて頂けるものとするよう県民の期待も大きなものがあります。

ラグビーワールドカップ2019で高まった機運を将来に向けてのレガシーとして定着させるため、ラグビー日本代表戦のパブリックビューイング、ラグビー体験教室、及び、大会開催を記念した展示スペースの整備等を行うとのことです。事業費に含まれるラグビー体験教室などを通じ、ラグビーワールドカップの機運継承を目指し、ラグビー人口を増やすことができるよう、要望します。

昨年末には、県内唯一のジャパンラグビートップリーグチーム・三菱重工相模原ダイナボアーズと 県と包括連携協定を締結している学校法人岩崎学園と県が連携し、「親子で楽しむ!タグラグビー教室」が開催されました。

また、本年2月には、厚木市の荻野運動公園で、新春タグラグビー大会が開催されました。会長挨拶では、過去最大の規模とのことでしたが、昨年のラグビーワールドカップの影響が大きいと言えるでしょう。

実際のラグビー選手によるラグビー教室も魅力あるものですが、日常的にラグビー教室を運営していくためには、指導者の育成も必要と考えます。高校生、大学生、その指導者によるラグビー教室や試合観戦などを県のラグビー協会、大学、高体連などとの更なる支援と連携も強く要望します。


最後に

国際文化観光局、スポーツ局両局の所管事業に関わるコロナウイルス感染症対策についてであります。

桜も咲き始め、お花見の季節ももうすぐです。お花見期間における県所管の施設や県管理河川の河川敷などにおいては混雑も予想されます。本県においても、コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための措置をとることと承知しておりますが、重ねて要望致します。

新型コロナウイルスはインフルエンザのように暖かくなると消えるウイルスではない可能性もあり、対応が「数カ月から半年、年を越えて続く可能性もゼロではない」とされる中、長期化に備えるべきであると考えています。文部科学省は2月28日の通知で全国の教育委員会などに「人の集まる場所への外出を避け、休校中は基本的に自宅で過ごすよう指導する」ことを求めましたが、各地の混乱の声を受け、文科省は今月9日、通知を更新し、「児童生徒の健康維持のために屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではない」などとする見解を追記しています。

スポーツ局においては、施設休止の際もこうした見解にご留意頂き、「臨時休業となっている学校、幼稚園の児童・生徒、保護者に対する充分な支援」をスポーツ振興の視点から、ご対応頂けますよう要望します。


また、国際文化観光局においては、新型コロナウイルス感染症の国内においてのパンデミックを防ぐためには、邦人のみならず、外国籍県民や外国人旅行者の対応は、不可欠です。

日本語の不自由な外国人旅行者や外国籍県民に対しても、しっかりとした情報発信はもちろんのこと、相談後も「たらいまわし」などあってはならないことです。正しい対応ができる体制を構築して頂きたいと強く要望します。


以上、意見、要望を申し述べ、本委員会に付託されている諸議案に賛成することを表明して、県政会県議団としての意見発表といたします。

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

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