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ごみ有料化絶対反対!

ごみの有料化について、国では平成28年に廃棄物処理法第5条の改正があり、市町村に対して「ごみの有料化」を推進することが国の方針として明確化されました。これは、経済的インセンティブを活用してごみの排出抑制や再生利用を促進すること、負担の公平化と住民の意識改革を進めるためのものです。


※経済的インセンティブとは?経済的=お金/インセンティブ=動機付け。つまりお金を払いたくないという人の心情を活用するという意味。


環境省が行った「平成30年度一般廃棄物処理実態調査」によると、平成313月現在で、家庭系可燃ごみの有料化を実施している市町村は、全市町村の63.5%となっており、年々増加しています。また、地域別に有料化を導入している市区町村の割合をみると、北海道が91.6%、四国が85.2%と高く、関東地区は最も低い40.7%となっています。この関東地区の中で、神奈川県は現在24.2%となっています。


県内の有料化の状況ですが、33市町村中、昭和56年から寒川町が導入し、平成13年から二宮町、平成18年から大和市、平成19年から藤沢市、平成27年から鎌倉市と逗子市、令和元年から海老名市、そして令和4年度から茅ヶ崎市の計8市町が有料化を実施しています。


本市のごみ有料化の検討については、平成293月に策定した「伊勢原市ごみ処理基本計画」において、令和3年度を目標年度と定め、その時点におけるごみ減量の進捗次第では、選択肢の一つとして、家庭ごみ有料化の検討を始めると示されていました。その理由は、秦野と伊勢原2施設で行っているごみ処理施設について、令和7年度に老朽化している伊勢原清掃工場を廃炉にし、秦野クリーンセンター1施設に統合することが決まっていたため、まさに「ごみ減量待ったなし」の状況にあったためです。


私は令和元年の前回選挙やこれまでの議会、個人報告会などで、本市のごみ有料化に反対を表明し、さまざまなごみ減量化策を提案してきました。選挙当選後、最初の令和元年6月議会の一般質問において、「このままでは、伊勢原市のごみが有料化になってしまう!」というタイトルで、本市が置かれている状況を説明し、有料化を回避するために市民の皆様にごみの減量に協力をお願いする記事を投稿するよう提案しました。その提案が実現し、同年10月には記事が掲載されました。


この記事の掲載により、一気に市民の皆様にごみ有料化の周知がなされ、ごみ減量化への意識が高まったと感じます。


その後も、「ごみ集積所」への「このままでは有料化」看板の設置、3010運動(会合開始30分、閉会前10分は食べる時間にすること)、紙ごみ排出ルールの徹底、生ごみ乾燥機助成制度の周知、ごみ減量を達成した学校や生徒の表彰、学校給食への「生ごみ処理機」導入など、これまでさまざまな提案を行いながら、本市が有料化に舵を切らぬよう注視してまいりました。


特に最近提案した学校給食への「生ごみ処理機」の導入については、そもそも学校給食から出る残渣(生ごみ等)の廃棄物は、種類や量にかかわらず事業系ごみとなり、排出者である学校に処理責任があります。しかし、本市では一般ごみとして処理している実態があります。


本市の学校給食の残渣処理費用は、11校あたり30キロで、給食稼働日が183日あります。処分費用は10キロあたり420円と想定され、市内の小学校10校全体で年間約2300万円の費用がかかっていると考えられます。この費用を生ごみ処理機の購入費用に転嫁することを提案しております。生ごみ処理機を使用すると、毎日残渣を入れても24時間攪拌(かくはん)するだけで、水、自然菌、微生物、バイオ製剤、おがくずなどとの分解反応により、翌日には生ごみはなくなります。市内の保育園でも実証済みであり、今後も提案していきたいと考えています。


また、県内の他市でも学校給食の処理に様々な施策が講じられておりますので、参考になると考えます。


ごみ有料化の流れについて、市民が恐れるべき点は、国の有料化方針を盾に、市町村が一度ごみの有料化を検討し始めると、その方針を転換することが困難であるということです。本市でも、国の方針、他市の有料化事例、そして本市の事情の3つが揃えば、可燃ごみ有料化に向けた十分な言い訳になると懸念しています。


ごみ有料化による減量効果は、他市の事例を見ると平均で1020%進むとされ、行政にとっては手数料収入も期待できるため、喉から手が出るほど欲しいカードなわけです。ただ、ごみ有料化は、有料化によって得られる手数料でごみ処理施設の能力を向上させたり、新たに設備を整備したりするものではありません。


経済的インセンティブ(お金を払いたくないから家庭ごみを少なくするという動機付け)により、市民のごみ出しに対する意識が変わるだけであり、逆に言えば、市が市民にごみ減量化への意識を変えるための努力を怠った結果を市民に押し付ける施策だと考えます。


本市の可燃ごみは、順調に減量化が進んでいますが、クリーンセンター1施設で安定的に処理するためには、令和7年度末で可燃ごみを2万2040トンまで減らす必要があり、更なる可燃ごみの減量が必要です。目標値まで、4年前の選挙の時には残り3,000トンでしたが、現在は残り891トンまできています。


家庭から出される燃やすごみのうち、約35%は生ごみです。さらに、生ごみの約70%は水分ですので、年間約6,000トンもの水分を燃やしていることになります。これは、年間の燃やすごみ全体、24,000トンの4分の1にあたります。家庭での生ごみの水切り徹底をお願い致します。


今後も市民の皆様にごみ減量化へのご協力をお願いしつつ、市が新たな施策を研究するよう働きかけていきたいと思います。ご協力をよろしくお願い致します。

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伊勢原市議会議員

安藤 玄一

あんどう げんいち

安藤玄一

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