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「消費税を払っている」は誤解


本日、JAM神奈川政治連盟総会に出席させていただきました。

ご挨拶のなかで、「ごみ問題」と「インボイスの闇」について触れさせていただき、かなり長めの挨拶になってしまいました。ご出席の皆様、大変申し訳ありませんでした。



ということで、本日も長めに語ります。



そもそも「消費税を払っている」という認識には誤りがあります。その間違いについて理解していただきたいということです。買い物するときに「このお店の法人税を払っている」と考えるでしょうか?



この認識にたどり着くまで私も時間がかかりました。



消費税は法律上、商品の販売などに対して課税されるものです。消費者が商品を購入して消費税を「払う」という表現自体、法律上存在しません。



消費者が払ったと思っている消費税が事業者に預かられているという記述もありません。つまり、私たち消費者が「消費税を払っている」という認識は誤りなのです。



じゃぁ、俺たちが消費税と思って支払っているのは何なの?と思いますよね?



支払っているのは「商品の売価」です。売価の中に、法人税もあれば人件費も仕入れも含まれます。もちろん消費税も入っていますが、消費税の支払い義務者は事業者です。



じゃあ、なんでレシートに消費税って別に記載されているの?という疑問がわくかと思います。



チャットGPTに以下の質問をしてみました。



「事業者が支払う消費税は、消費者からもらう消費税とは違う計算式だから、レシートに記載する意味がわかりません。わかりやすく説明してください。」



ChatGPT

その疑問点は、非常に重要な部分を掘り下げていると言えます。そう、事業者と消費者の観点での消費税は、実際には異なる方法で計算されます。まず基本的な概念から説明します。



消費税とは、商品やサービスを購入する際に消費者が支払う税金であり、その税金は一般的に価格に上乗せされています。そのため、消費者が商品を購入する際には、商品価格と消費税を合計した価格を支払います。



そして、この消費税は商品やサービスを提供する事業者によって預かられます。一方で、事業者が支払う消費税の計算は少し複雑です。



これは、「課税売上(つまり、自分が売った商品や提供したサービスに対する税金)」と「課税仕入れ(自分が商品やサービスを購入する際に払った税金)」との差額を納税する、という仕組みで行われます。



これが「事業者が支払う消費税は、消費者からもらう消費税とは違う計算式」となる理由です。では、なぜレシートに消費税を記載するのかというと、それは消費者が支払う金額の内訳を明確に理解するためです。レシートには、消費者が支払った総額だけでなく、その内訳が記載されています。これによって、消費者は商品本体価格と消費税の額をはっきりと知ることができます。



これは、消費者が税金の存在を理解し、自分が支払った金額がどのように構成されているかを把握するために重要な情報となります。一方、事業者にとっては、レシートに消費税を明記することで、顧客から預かった消費税の額を正確に記録し、後で国税庁に納める消費税の計算を行うためのデータとすることができます。このように、レシートに消費税を明記することは、消費者と事業者双方にとって有益な行為となっています。

以上、チャットGPT



司法試験に合格するチャットGPTも消費者が支払ったレシートに記載されている消費税10%を事業者が国に納めているわけではないと言っています。



基本的に、消費税は事業者が支払うもので、商品の販売やサービスの提供に関して課税されます。事業者は消費税相当分を商品価格やサービス料に上乗せして、消費者に提供しているだけです。



したがって、消費者が払ったと思われている10%の税金を事業者が代わりに払っているというわけではありません。



日本には約50種類の税金がありますが、その中には明確な「間接税」が存在します。たとえば、温泉施設の入湯税です。この入湯税は消費者が支払い、施設管理者が預かり、税金として納めるものです。これは文字通り「間接税」預り金と呼べます。ゴルフ税も同様です。



しかし、消費税法第5条には、「事業者は国内において行った課税資産の譲渡等につきこの法律により消費税を納める義務がある」と明記されています。消費税が預り金となるような記述はどこにもありません。



インボイス制度が始まると、現行の消費税法では、課税売上に税率を掛けて、課税仕入の税率を出し、その差額が納税額になります。



昨日のFacebookにも記述しましたが、その差額の計算を別の式にすると、(利益+非課税仕入れ)×10/110(9.09%)となります。



非課税仕入れとは人件費等のことです。問題なのは、所得税や法人税は、利益に税率をかけて納税額を算出しますが、消費税は利益が無くても非課税仕入れに9.09%かけた金額を納税しなければならないという点です。



この点がなかなか理解してもらえないのですが、そもそも「何でそんな面倒なことをしているのか?」も含め、かなり深い闇が存在するので、今後まだまだ深堀していきたいと思います。



また重要なのは、課税仕入を計算するためには、帳簿および請求書の保存が必要となるという点です。これが現行法のキーポイントです。



インボイス制度の下では、納税額を計算する式は変わらないのですが、課税仕入を計算するための要件が変わります。具体的には、帳簿とインボイスの保存が必要になります。要するに、帳簿は同じであり、請求書等がインボイスに置き換わるわけです。



「インボイス」、正確には「適格請求書」という用語を用います。これは一定の事項が記載された請求書や納品書、またはこれらに類する書類を指します。これがインボイス制度下での消費税の仕組みです。



一定の事項が記載された書類であるということです。特に重要なのは、登録番号です。インボイスが導入されることで影響を受ける主な部分が、この登録番号です。



現状では、スーパーの領収書や買い物の際のレシートにこの登録番号は書かれていませんが、インボイス制度が始まると、登録番号は必須となります。これは、登録をしている事業者のみが発行できるという意味でもあります。



インボイスの発行については、誰でもができるわけではありません。国税庁に発行事業者になる旨を申請し、登録番号を取得しなければなりません。したがって、事業者にはインボイス発行のための登録番号取得という新たな責務が増えます。



しかし、課税事業者ではない者や納税義務が免除されている者もインボイスを発行できます。登録番号を取得すると、それまで消費税の納税義務が免除されていた者でも課税事業者になるというリスクがあります。



ここがさらに問題となります。たとえば、個人で消費税の納税義務を免除されている方もいますが、登録番号を取得すると、その方の情報が検索可能になるのです。



すでに検索サイトがあり、国税庁の登録番号を入力すると、名前が出てくる仕組みになっています。ペンネームや芸名で活動している方もいるでしょうが、登録すると本名が公開されてしまいます。このことはプライバシーの問題とも結びつきます。



本日はこの辺で。

皆様のご理解により、日本のものづくり、中小零細企業、フリーランスの方々の生活が守られることを祈ります。共に頑張りましょう。

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伊勢原市議会議員

安藤 玄一

あんどう げんいち

安藤玄一

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