天を相手にし、良心に従う
6月30日付で立憲民主党横浜市会議員団14名は解散し、同日付で私を除く13名で同名の新会派が結成されたことを、一昨日7月1日に議会局より連絡を受けました。私は無所属になるとのことでしたので、一人会派「横浜の風」を議長宛て届け出致しました次第です。
前回の6月9日ブログから日にちが経ち、ご報告が遅くなり誠に申し訳なく存じますが、6月10日団会議よりの経緯を簡略にご報告させて頂きます。
【経緯】
6月10日の団会議において、私に対し、賛否について会派決定に従わなかったことに対するペナルティが言い渡されました。
ペナルティ内容は、①1年間、本会議及び予算と決算の特別委員会における総合審査への登壇は出来ない。(※つまり、市長への質問は出来ないということです。)②次年度の役職(※会派内におけるもの、また、委員会の正副委員長などのあらゆる役職)は出来ない。
というものです。
私からは、この多様性の時代に、賛否を違えたことへのペナルティはあってはならないものとして、受け入れられず抗議すると申し上げました。
私がペナルティを「受け入れられない」としましたことにより、そのあとの私への対応は、三役一任となり、団会議は終わりました。
団会議が終わり少し経ってから、私は三役に呼ばれました。
団長から、三役の決定に従って頂けないなら、お別れすることも考えてください、とのことでした。
私からは、会派を出る意志はない旨お伝えしました。そして、会派の皆さんが荻原は出ていくべきとのお考えなら、そのときに考えます、とお伝えしました。
これを受け団長は、会派の一人一人の議員に確認をして、その結果を次回の団会議で発表します、とのことでしたので、私は、それで結構ですとの旨お答えし、三役とのお話は終わりました。
その後、6月19日に団長から3つのお別れの案が提示されました。[案①]荻原が離団する[案②]荻原以外の13名が離団する[案③]会派を解散する
この中から選んでください、6月末までに回答がなければ[案③]を実行します、とのことでした。
この3つの案はすべてお別れの案であり、私はペナルティを受け入れていない状況でしたので、どのようにお答えすべきかを考えておりました。
6月最終週のころから、私自身の力だけでは良い解決に向かわないかもしれないとの思いと、法の力で社会のため良い解決法が導けるかもしれないという思いと、客観冷静な視点で話を進めたいとの思いで、弁護士の方に代理人となっていただき、団との交渉を担って頂くことと致しました。
そして期限の月末となり、会派は解散され、私は一人会派になったということです。
おおまかで恐縮でありますが、これがいきさつのあらましとなります。
【良心に従う】
今回の顛末は、こども・子育て基本条例案の賛否と、地方自治法改正案に反対する意見書を国宛て提出すべしとの市民の請願への採択・不採択に関する判断について、会派の決定と私の判断が違えたことに端を発します。
会派からは、出処進退を考えるべしとの厳しい批判の声を頂きましたが、その批判の根拠となる「会派拘束」は、二元代表制の地方議会において民意を行政に伝えるためには弊害となることや、
良心を曲げてまで会派拘束に従わなければならないような議会は後世に残すべきではない、そのようなことを続けていては地方議会に有為な人材が入ってこないとの思いから、
そして、私の所属している立憲民主党は「多様性」を掲げており、多様性を認め、多様性の持つ力で社会を良くしていく政党であることに私は共感していることから、
なにより、問題があると分かりながら条例案に賛成することは出来ない、また、地方自治に危機をもたらす法改正には反対すべきとの思いから、残念ながら私は会派の決定とは違う判断となりましたが、自分自身の良心に従い、票を投じました。
私は、異論者を排除するような状況は二度と起こって欲しくないですし、私が所属していた会派だけではなく、全国の地方議会でもこのような事態は起こって欲しくないと思います。
異論を唱える人が責められるような社会はあってはなりません。異論を唱えても不当に糾弾されることがないように、議会があるはずです。人はそれぞれの事情を抱え生きています。意見が違うことがあって当然です。そのことを認め合える社会を作るのが政治家の役割だと私は思っています。
私は、その役割をしっかり地域で果たせるように、小さいながらも愚鈍ながらも、私に出来ることを尽くして、精一杯歩んでいきたいと思います。
【天を相手にせよ】
最後に、今回、私が賛否を決心するにあたって、最も心の支えとしたのは、「西郷南洲遺訓」の次の言葉でした。
「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くし人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」
何が正しいか、どの道を行くべきかを決めるときには、自分の良心と対話して決めていきたい。それが保障される社会であるべきですし、その実現のために、私に出来ることを尽くしていきたいと思います。
一人会派となり、54才、再スタートの思いです。
何回再スタートを切ったか分からないくらいですが、人生何度でも再スタートが出来ると思って、新境地に立って、謙虚にがんばりたいと思います。
そして、生きていることだけで素晴らしいこと、生きていることだけで誰もがすべて満点であることを、皆で共有できるような活動に励んで参りたいと思います。
今後とも、市民の皆様の、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願いを申し上げます。
2024年07月03日 16:22