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ピースボート ”A MESSAGE TO HUMANITY”「世界人類へのメッセージ」

4月22日、横浜港に停泊中のピースボートにしばし乗船させて頂き、船内で本日から公開されたノーベル平和賞洋上特別展「世界人類へのメッセージ A MESSGAE TO HUMANITY」を拝見させて頂きました。



日本被団協2024年ノーベル平和賞受賞までの80年の道のりがパネルで一直線の時系列で示され、原爆の日の様子を描いた絵画や文章、そして写真とで、被爆者の声と、現在の私たち、そして未来の世界が表現され、二度と核兵器が使用されてはならないとの核兵器廃絶に向けた被団協のメッセージが熱く伝わってきました。


 


この洋上特別展はオスロのノーベル平和センターの分室的な存在として、3年間、ピースボートに乗って世界を駆け巡ります。寄港先で、その国の政府関係者や自治体関係者、そして様々な民間団体が訪れることになるとのことです。


 


私と一緒に写真に写って下さっているのは日本被団協事務局次長の和田征子さんです。和田さんと初めてお会いしたのは2年ほど前でした。穏やかな語り口の底流に核兵器廃絶への確固たる信念が感じられ、お会いする度にその真摯な佇まいに心打たれてきました。被爆当事者でなくとも核兵器廃絶への思いを持っている人ならば誰でも一緒に核兵器廃絶の必要性を世界に訴えて欲しい、と、今日も記者会見の場で穏やかにそして燃えるように訴えておられました。


 


人間は、自ら苦しみを経験しなければ、他人の苦しみに共感することが難しいかも知れません。また、苦しみを共感しても、その苦しみを取り除こうと行動できることはさらに難しいことかも知れません。またさらに、二度と同じ苦しみを誰にも与えないようにしようと実践することはさらに難しいことかも知れません。しかし、これは成し遂げられなければならない普遍的な人間の倫理的目標ではないかと思います。日本被団協の皆様はこの困難な目標を強固な信念に基づいて長い道のりを経たのち、ノーベル平和賞という到達点に辿り着かれたのだろうと思います。身近な事から国際紛争まで、自分の苦しみはもちろん、他人の苦しみをどれだけ取り除くことが出来るか、他人の苦しみを取り除く行動の可動域がどれだけ社会に広がるか。これが、社会の幸福度につながってくるのだろうと思います。


 


展示室に置いてあるノーベル平和センターが編集した「対話が世界を変える THOSE WHO LISTEN, CHANGE THE WORLD」という小冊子をいただきました。この小冊子には、ノーベル平和賞受賞者がどのように「対話 dialogue」を実践してきたかが紹介されています。その比較的最初のほうのページに、ネルソン・マンデラ氏の次の言葉があります。


 


“The best weapon is to sit down and talk.”


「最高の武器は座って話すこと」


 


落ち着いて座って対話することに勝る武器はない。対話は人類の英知そのものなのかも知れません。


 


対話には力があります。他人を赦し、自分を赦す力があります。時間をかけてゆっくりと対話すること。他人とも、自分とも。人間の、私が愛して止まない営みの一つです。


 


互いを尊重し尊厳を守り合う「座って話す」対話が広がることによって、核兵器のない世界が一歩ずつ実現していくよう、私に出来ることを日々積み重ねていきたいとあらためて心に思いながら、船をあとにさせて頂きました。


 

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横浜市会議員〈西区〉

荻原 隆宏

おぎわら たかひろ

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