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視察3日目(視察4箇所目)福岡県議会・福岡県警察本部(交通捜査課)/2025年度神奈川県議会防災警察常任委員会県外調査

視察最終日(3日目)は、福岡県議会・福岡県警察本部(交通捜査課)を視察しています。今回の主な視察案件は、「福岡県警察が導入した次世代型測量装置『モービルマッピングシステム(MMS)』」についてです。

MMS導入の背景と目的(さとう知一メモ)


  • 導入時期・目的: 2024年7月、福岡県警は交通事故現場の迅速かつ正確な測量のために「モービルマッピングシステム(MMS)」を導入しました。


MMSの特徴と技術内容


  • 搭載機器: 警察車両の屋根に360度撮影可能なカメラやレーザースキャナー、GPSなどを搭載。
  • 情報取得の方法: 走行しながら周辺の道路や空間情報を撮影・測定し、複数センサーで三次元データを収集します。
  • 効率向上: 従来の静止撮影(5~10mごとに停止する手法)に比べ、測量・撮影時間は約10分の1に短縮され、交通規制を行わずに済むケースも多くなりました。


導入による効果とメリット


  • 計測迅速化: 渋滞を引き起こす可能性があった従来手法に比べ、MMSはダイナミックに現場状況を記録可能で、事故処理の迅速化につながります。
  • 正確な記録: 三次元空間情報の取得により、裁判や後の解析に必要な精度の高い見取り図を素早く作成できます。


導入機器の提供元について


  • 技術提供: 導入されたMMSシステムは、東陽テクニカが扱う「岩根研究所」の製品であることが、福岡TNCのニュースで紹介されている。


まとめ

項目内容
装置名称モービルマッピングシステム(MMS)
導入目的交通事故現場の迅速・精密な測量・見取り図作成
特徴360度カメラ+レーザー+GPSで走行中に測量が可能
効果撮影時間約10分の1に短縮、交通規制削減、詳細な記録取得
提供元東陽テクニカ(岩根研究所製)

(さとう感想)福岡県警が導入した次世代型測量機「モービルマッピングシステム(MMS)」は、警察車両に搭載したカメラやレーザースキャナー、GPS等を用い、走行しながら交通事故現場を高精度に三次元データ化できる先進的な装置であります。従来は数十分から数時間を要した測量作業が大幅に短縮され、交通規制を必要としない場合も多く、渋滞緩和や二次事故防止にも資する点が高く評価されました。取得データは裁判資料や再現検証にも活用可能で、業務の効率化と精度向上を両立する技術と確認しました。本県においても、交通事故処理の迅速化と安全性向上は重要課題であり、導入に伴う費用対効果や運用体制を多角的に検証し、実務適用の可能性を引き続き検討すべきと考えます。


(4) 福岡県警察本部(交通捜査課)
(調査事項:生活安全、地域、刑事、交通及び警備等警察に関する事項について)
福岡県警察本部交通捜査課では、正確な道路形状、痕跡等の測量及び交通事故現場見取図の作成時間短縮が可能な次世代型測量機「モービルマッピングシステム(MMS)」を導入している。同測量機は、車両に全方位カメラ、レーザースキャナー、GNSS測量機を搭載した専用車両で、現場を時速40kmで走行しながら周囲道路を測量できるシステムである。従来の測量作業は交通流を完全に遮断した上でカメラ撮影をしていたところ、本システムの導入により、交通流を遮断することなく現場測量が可能となるなど、見取図作成業務の合理化・効率化に繋がっている。本県警察本部においても令和6年7月からモービルマッピングシステムを導入しているが、福岡県警察本部の同システムとは別機種となることから、福岡県警察本部における同システムの運用方法や課題等を調査することにより、今後の委員会審査の参考に資するものとする。

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

さとう ともかず

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