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横須賀が目指すべきまちづくり 第3回 横須賀は本当は別の街になれたのではないか

――「都心と違う価値」を取り戻すという選択

 

第1回では、日本の住宅がなぜ息苦しく感じられるのか、その違和感から考えました。
第2回では、庭が消え、家が密集していった背景に、土地価格や建築制度という「仕組み」があったことを見てきました。

では、その上で改めて問いたいと思います。
横須賀は、本当に都心と同じ住宅のつくり方でよかったのでしょうか。

 

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横須賀が本来持っている強み

横須賀には、他の多くの都市にはない特徴があります。

  • 海と緑に囲まれた自然環境

  • 丘陵地や谷戸がつくる、立体的な地形

  • 都心から1時間圏内というアクセス性

これらは本来、「ゆったりとした暮らし」と非常に相性が良い条件です。
都心のような利便性をすべて備えていなくても、
自然と距離の近い生活を選べる街として、十分な価値を持っていたはずです。


それでも「都心と同じ住宅地」をつくってきた

ところが現実には、横須賀の多くの住宅地でも、

  • 土地は細かく分割され

  • 建物は敷地いっぱいに建ち

  • 家と家の距離は縮まっていきました

結果として、
都心ほど便利ではないが、都心と同じようにミチミチしている
住宅地が少なくありません。

これは、誰かの判断ミスではなく、
第2回で見てきた通り、制度の中で合理的な選択を積み重ねた結果です。

ただ、その選択が
横須賀の強みを十分に活かしていたか
という点については、考え直す余地があるのではないでしょうか。


都市は「比較」で選ばれる

人は街を、単独で評価するわけではありません。

  • 都心は便利だが、狭くて高い

  • 郊外は不便だが、広くて緑がある

この対比の中で、「自分にはどちらが合うか」を選ぶのではないでしょうか。

もし横須賀が、

  • 都心ほどの利便性はなく

  • それでいて暮らしの余白もない

としたら、
選ばれる理由が見えにくくなってしまうのではないでしょうか。


いまは「別の選択」ができる時代

しかし、状況は大きく変わりました。

  • 人口は減少局面に入り

  • 空き家や空き地は増え

  • これ以上、詰め込む必要はなくなっています

今求められているのは、
「どれだけ建てるか」ではなく、
「どんな暮らしを用意できるか」ではないでしょうか。

庭や緑、家と家の距離。
窓を気兼ねなく開けられる安心感。
人も、子どもも、ペットも、少し余裕を持って暮らせる環境。

これらは、横須賀がもともと得意としてきた分野です。


横須賀が示せる「もう一つの答え」

横須賀が目指せるのは、
東京の縮小版になることではありません。

東京にはできない暮らしを、
東京に近い場所で実現すること。

それは、

  • 低密度の住宅地

  • 緑と共にある日常

  • 暮らしの質を大切にする価値観

を、街の選択として示すことです。


おわりに

日本の住宅が息苦しくなったのは、今まで見てきた通り、ルール上決められたことが一つ一つ重なって進められてきた必然的な結果でした。
 

だからこそ今、別の前提に立った「次の正解」を選ぶことができるのではないでしょうか。

 

横須賀が、その選択を確かに示す街になれるかどうかの道のりは、こうした事実に多くの関係者が注目し、議論をするその一歩から始まります。

 

 

 

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県議会議員〈横須賀市〉

永井 真人

ながい まさと

永井真人

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