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110番だけでは守れない時代

「また詐欺電話か」


最近、そんな言葉を口にする機会が増えました。警察や役所、銀行を名乗る電話。料金未納や口座異常を装ったSMS。もはや珍しい出来事ではありません。

それでも詐欺はなくなりません。
それどころか、手口は年々巧妙になり、被害は高齢者に限らず、現役世代にも広がっています。
なぜでしょうか。

 

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詐欺は「人の弱さ」を狙う犯罪

詐欺の本質は、お金を奪うことではなく、人の心理を一瞬だけ揺さぶることにあります。

 

「今すぐ対応しないと大変なことになる」
「あなたを守るために確認が必要です」

 

不安、焦り、権威、善意。
これは誰にでも備わっている感情ですから、どれだけ冷静な人でも、疲れている時、忙しい時には判断を誤ることがあります。

 

つまり詐欺は、「注意力が足りない人」が狙われているのではなく、誰もが持つ人間らしさが狙われているのです。

技術の進化が、詐欺を後押しする

社会は便利になりました。
電話番号は自由に表示され、AI音声は人間と区別がつかず、個人情報は断片的に流通しています。

しかし、便利さは、同時に悪意の道具にもなります。
防ぐ側が対策を整えた頃には、すでに次の手口が現れている。詐欺が減らない理由の一つは、この終わらない追いかけっこにあります。

詐欺に遭ったとき、どこに電話すればいいのか

詐欺に遭った、あるいは遭いかけたとき、
多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「110番」でしょう。

もちろん、今まさに脅されている、現金の受け渡しを迫られている、不審者が来ているといった緊急事態では、迷わず110番です。これは正解です。

 

一方で、実際の被害の多くは、


「すでに振り込んでしまった」
「詐欺かどうか確信が持てない」
「契約内容が怪しい気がする」

 

といった、判断に迷う段階で起きています。

こうした場面で力を発揮するのが、188(消費者ホットライン)です。
188番にかけると、最寄りの消費生活センターにつながり、状況を一緒に整理し、返金の可能性や、警察・金融機関への対応を冷静に案内してくれます。これは 消費者庁 が所管する仕組みです。

「110番か、188番か」と迷う必要はありません。
危険が迫っているなら110番、判断に迷う・被害後なら188番。
大切なのは、一人で抱え込まないことです。

被害を見えなくする「恥」の壁

もう一つ、見過ごされがちな要因があります。
それは、被害者が声を上げにくい空気です。

 

「自分が悪かった」
「家族に知られたくない」

 

この沈黙が、同じ手口を何度も成立させてしまう。
詐欺が続く社会には、騙された人を責める無言の圧力が存在しています。

詐欺は「災害」と似ている

詐欺は、努力すればゼロにできる問題ではありません。
むしろ災害に近い。

だから必要なのは、
「騙されない人を増やす」ことよりも
「被害が広がらない社会の設計」です。

電話でお金の話が出たら一度切る。
折り返しは必ず公式番号で。
迷ったら188番で相談する。

これは注意喚起ではなく、社会の共通ルールであるべきです。

私たちができること

詐欺は、遠い世界の犯罪ではありません。
今日、あなたの電話が鳴るかもしれない。

だからこそ大切なのは、
「自分は大丈夫」と思わないこと。


そして、誰かが騙されそうになった時に、責めずに止められる関係を持つことです。

詐欺は人の弱さを突きます。
だからこそ、それに対抗できるのは、人と人とのつながりなのだと思います。

 

 

 

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県議会議員〈横須賀市〉

永井 真人

ながい まさと

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