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=県の幹部職員もできない「マスク飲食」の推進について=

=県の幹部職員もできない「マスク飲食」の推進について=

7月9日、県議会本会議が召集され、補正予算が審議・採決されました。さとう知一も総務政策常任委員会の質問に立ちました。いわゆる、まん防に関わる新型コロナウイルス感染症拡大協力金 937億4604万円の予算を無事に通すことができました。
まん延防止等重点措置については、横浜、川崎、相模原の政令市3市と感染者数が減らない厚木市の4市で8月22日まで延長されることになりました。措置地域は、原則酒類提供禁止ですが、例外として「マスク飲食実施店」の認証を取得済み、又は申請済みの店は、酒類提供可能となります。マスク飲食実施店については、当初、本気で取り組む飲食店を認証する仕組みでしたが、今回の例外規定により、多くの飲食店が登録申請をしています。昨晩の質疑では、現在6000件強の申し込みがあり、厚木市を含む重点措置区域4市では4636件の申請があり、時間を追うごとにその数は伸びています。県内の飲食店は、3万3000件で、今後、その数に近くなるまでの伸びを想定しているとの答弁もありました。もはや「一部例外として、アルコール提供を許可する」システムと言えるのかわかりません。
私の実家も飲食業を営んでいますから、アルコール提供は、継続して頂ければありがたいですが、県として、本当にきちんと考えて事務事業を行っているのか疑わしいとすら思っています。
これまでの常任委員会では、マスク飲食実施店の認証制度について、特に触れてきましたが、マスク飲食の仕組みは「政策局」ですが、協力金支給は「商工労働 中小企業支援課」、見回りは「安全防災局」、コロナ対策は「保健福祉局」と部局ごとに動く中で、一体的に動いているような感じが残念ながら読み取れません。「国から、知事・副知事から言われたことだけを体面だけ整えて行っているようにしか思えない」というのが、これまでの質疑を通じて感じた率直な感想です。
これまでも何度も指摘しましたが「マスク飲食」と言えば、普通、「マスクを装着したまま飲食をすること」と思ってしまいますが、政策局では「マスクを外し、黙って食べる『黙食』」「しゃべるときにはハンカチを口に当てて話す『ハンカチ食』」も広義で、短時間ならばという条件付きで「マスク会食」としています。当初、黒岩知事が動画を公開して、推奨した当時の「マスク会食」とは、明らかに違うものですし、所管の課長や局長ですら、いわゆるマスク飲食をせずに「(外食時は)黙食をしている」という答弁がある状況で、推奨している当事者ですらできないマスク飲食であるとも質疑の中で指摘をしました。
短時間ならOKの「短時間」が何分なのかも不明ですが、「マスク会食」が協力金支給の条件となり、今回、マスク飲食実施店は、アルコール提供もOKとされる中で、「マスク飲食の定義」すらされず、神奈川県の各局、県内自治体、飲食店、利用者(お客様)、市民県民と言ったステイクホルダーが多くいます。黙食やハンカチを口に当てるハンカチ会食を「マスク飲食に含める」のならばそれでもいいですが、現状、全く認識の共有がなされていません。言葉の定義を明確にすることはイロハのイですが、県の政策局は、それすらもできていません。
コロナ禍、行政運営については、県民に寄り添った柔軟性は必要であると思いますが、県職員の都合に合わせて変幻現自在な「マスク飲食」と言われないような対応を望みます。
マスク飲食については、現状、利用者(お客)のマスク飲食の実施率も把握しようとせず、そのうちアンケートを飲食店に送付することで、ごまかそうとしています。マスク飲食実施店でのよい取り組みを報告させる「県民モニター制度」もつくりましたが、これも、マスク飲食が実際に実施されているかどうかの報告は受け付けないシステムとなっています。飲食店で、ほとんどしていないマスク飲食を制度の中心として、むりやり体面を取り繕うような政策が実を結ぶとは思えません。政策局の幹部職員はみな優秀でありますが、こうした困難を伴う事務事業、本当に成果が数値として問われる事務事業には、向いていないのかもしれないと(質疑を通じて)心底がっかりしています。
そもそも、このマスク飲食実施店認証制度は、小さな事務事業で、当初は、それほどの意味を持たなかった事業でした。その後、収まらないコロナ禍の中で、毎回数百億円の予算が投入される協力金支給やアルコール提供の前提となるなど、大きな意味を持つような事務事業に変わったとも理解しています。

昨夜も県職員は深夜まで働いていましたし、誰がやっても難しい案件ですが、できないときほど、「基本に返る」重要性をあらためて認識して頂きたいと発言しています。厳しいことを述べましたが、コロナ禍、黒岩知事及び、県庁職員の皆様に対しては、県民も非常に大きな期待を寄せています。過日の七夕、子ども達の短冊には、マスクを外して外で自由に遊びたいといった言葉が並んでいました。終わりの見えにくいコロナ禍にあって、県民目線を忘れず、アウトカムを意識して、まじめに取り組む県民の側に立って、事務事業に取り組んで頂けるよう要望しています。

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県議会議員〈厚木市・愛川町・清川村〉

佐藤 知一

さとう ともかず

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