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固定電話・FAXのゆくえと、マイナ保険証の議論に通じるもの

最近、「固定電話を解約しました」という話を周囲でもよく聞くようになりました。

 

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実際、固定電話の契約数は年々減少しており、ピーク時から半分以下になっています。

 

固定電話契約数の推移(加入電話+INSネットサービス) - NTT東日本

 

理由は明快で、スマートフォンが生活インフラとして完全に定着し、若い世代にとっては「家に電話を置く意味」がほとんどないからです。

 

この話題とあわせて出てくるのが「FAXってまだ使ってるの?」という声。ですが、こちらは少し事情が違います。個人でFAXを使うことはほとんどなくなりましたが、企業や業界によっては、今もFAXが「欠かせない存在」として残っています。


医療機関、不動産、建設業、小規模事業所などでは、注文書や見積書、処方箋のやりとりなど、FAXによるやり取りが日常的に続いているのが実情です。

 

ここで重要なのは、「新しい仕組みに変えるべきだ」という意見と、「いまのやり方で十分だ」という現場の声が共存しているという点です。

 

この構造、どこかで見たことがありませんか?

 

そう、マイナ保険証の議論です。

マイナンバーカードと健康保険証を一体化するこの制度も、政府は「便利になる」としていますが、利用者からは「トラブルが不安」「高齢の親が使いこなせない」といった声が相次ぎました。結局、紙の保険証の廃止は猶予を延ばし、しばらく併用する方針になりました。

 

このように、「便利だから一律に変えるべき」とする議論は、現場や利用者の実態を十分に踏まえなければ、混乱を招くことがあります。

 

固定電話も、FAXも、マイナ保険証も、それぞれの背景には「多様な使い方」と「生活者のリアル」があります。


大事なのは、“新しい仕組みを押しつける”のではなく、“誰にとっても使いやすい仕組みにしていく”という視点ではないでしょうか。

 

時代は変わっていきますが、その変化をどう受け止め、どのように移行していくか。そこにこそ、私たちの社会の成熟度が問われているのだと感じます。

 

 

 

 

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県議会議員〈横須賀市〉

永井 真人

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